平成18年3月 第1回定例県議会 代表質問 答弁
1,格差社会に対する時代認識について  答弁者 知事

経済のグローバル化に伴い、さまざまな分野で、国境を越えて競争が激化しているのは事実であります。日本の企業がこれに勝ち抜いていくことが大事であり、そのための取り組みは重要だと思います。しかしながら、企業は競争に勝ち抜き、利益を上げていくことを目的としているのではなく、株主への利益還元のほかに、従業員への福祉、社会への貢献といったことなどを目的としているはずです。したがって、企業も地域社会の発展のために、貢献していただかなければなりません。多くの企業において、今、「社会的責任の取り組み」、いわゆる「CSR活動」が広がっているのもその表れだと思います。
議員ご指摘のように、二極化されてしまう社会というものは、好ましいことではないと私も考えます。
地方自治体においても「国から地方へ」という流れが加速し、先を見据えて改革を実行した者のみが生き残る、本格的な地域間競争の時代を迎えています。

もとより、競争そのものが目的ではなく、競争に打ち勝って皆さんに、住んで良かった、あるいは住んでみたいと思っていただけるような、そういう大分県をつくっていくことが目的であります。

昨年策定した新しい計画も、数多くの県民の皆さんに進むべき道筋を議論していただき、夢と希望をちりばめた本県の将来像を描いていただいたところです。その結果、「安心して心豊かに暮らせる大分県」、「知恵と努力が報われる活力ある大分県」、「人材あふれる発展の大分県」を基本理念とする「安心・活力・発展プラン2005」ができあがったところであり、いよいよ18年度から、計画の第一歩がスタートします。

この計画の達成に向けて、「おおいた産業活力創造戦略2006」を積極的に展開し、地場企業と進出企業が連携して、ともに発展していく「21世紀型の産業クラスター」づくりを一層推進していきます。

また、農林水産業の新たな展開を図るため、流通の大きな変化や大量・周年の需要に応える競争力のある産品づくりに取り組み、安全・安心な農林水産物の生産・流通体制を整備します。

さらに、東九州自動車道をはじめとした広域交通網や高度情報通信基盤をちゃくちゃくと形成するなど、8つの重点戦略を着実に実行してまいります。

新長計のサブタイトルも「ともに築こう大分の未来」です。県民が安心して心豊かに暮らしていけるよう、私も皆さんの先頭に立って「安心・活力・発展」の大分県づくりを進めてまいりたいと考えております。

2-(1),行財政改革の達成見込みと18年度の重点項目について  答弁者 総務部長

行財政改革プランにおいて、本年度の収支改善目標額は245億7千万円としておりますが、3月補正時点での達成見込額は254億7千万円で、9億円の上積みを見込んでいます。

これにより、財政調整用基金の残高は、プランの本年度末目標額218億円に対し、193億円増加し、411億円となります。

来年度の行財政改革は、次の4点を重点項目として取り組んでまいります。

第一に、行財政改革は着実に実行されていますが、交付税の大幅な見直しや扶助費の増加などの懸念材料にも対応できるよう、引き続きプランに掲げた収支改善目標を着実に達成するとともに、目標の上積みや前倒しに努めます。

第二に、来年度は、県立病院・三重病院の地方公営企業法の全部適用、看護科学大学、芸術文化短期大学の公立大学法人化、地方行政機関の再編、指定管理者制度の導入など、新たな組織、体制がスタートしますので、その円滑な移行を支援するとともに、その成果の検証を行います。

第三に、いわゆる総務系事務に携わる職員の業務を削減し、県民サービスに直接関連する業務に集中させるため、総務系事務の一元化を進めます。

第四に、市町村合併の進展に伴い、身近な行政に対する市町村の役割が増大することから、市町村の意向を十分踏まえ、県から市町村へ新たな権限移譲を進める計画を策定します。

2-(2)財政自立への取組について  答弁者 知事

行財政改革を進める目的は、持続可能な財政運営に道筋をつけることにあり、まさに自主自立への取組そのものであります。安易な地方債増発や過度な地方交付税依存に陥ることなく、財政環境の変化に機動的・弾力的に対応できるような財政基盤を確立することが重要であります。

そのために、これまでも歳入・歳出両面からあらゆる取組を行い、その結果、17年度末の財政調整用基金残高は411億円となり、プラン目標額を193億円上回る見通しとなったところであります。

しかし、地方財政を取り巻く環境を考えれば、依然厳しい状況にあることに変わりなく、今後、これにさらなる上積みを図っていかなければならないと考えております。

まず、歳入については、何と言っても、自主財源である県税収入の増加を図っていかなければなりません。このため、産業振興に努めるとともに、戦略的な企業誘致をさらに進め、県内景気の回復を確かなものとし、法人関係税はもとより、個人県民税や地方消費税等の増収に結びつけていくことが、何より重要であります。

二点目は、地方交付税の確保であります。

議員ご指摘の行政改革インセンティブ算定については、今年度から県税徴収率と人件費等減少率に基づいて算入が始まり、本県はいずれも全国平均を上回るべ一スで交付を受けております。これについては、18年度以降も拡大されることから、行革をさらに進めることが重要であります。

19年度に予想される地方交付税の大幅な削減に対しては、交付税が本来有する財源調整機能が堅持されるよう国に対し強く主張してまいりたいと考えております。

また、県債においては、18年度から許可制度が協議制に移行し、地方の自主的な発行の権能が拡大されます。今後は、政府資金に頼らない資金調達も考える必要があり、来年度から全国型市場公募債を導入したいと考えております。

加えて、交付税の減少に伴い、県債の増発が余儀なくされる状況が予想されますが、財政構造の硬直化を招くことのないよう、県債残高や公債費の動向に常に意を払い、発行額を極力抑制していきたいと考えております。

次に、歳出については、三位一体改革や制度改正、さらには高齢化に伴う介護保険や老人医療などの負担増により扶助費が大きく増加することが見込まれる中、義務的経費の抑制について、一層の努力を払っていかなければなりません。

そのため、人件費については、定数削減計画を着実に実行していくとともに、公債費についても、償還の平準化や低金利での借り入れに努めてまいります。

また、来年度からは、県立2大学の独立行政法人化や県立病院、三重病院の地方公営企業法全部適用をはじめ、県有施設へ指定管理者制度を導入するなど、制度改革にも取り組んでいるところであります。

今後とも、これまでの成果に甘んじることなく、常にゼロベースから見直し、自立した財政基盤を早期に確立してまいりたいと考えております。

2-(3)事業仕分けについて   答弁者 総務部長

事務事業の必要性等を検証し、不断の見直しを行っていくことは、限られた財源の中で、県民中心の県政を実現するためには、必要不可欠であります。

このため、各年度の当初予算編成方針において、事務事業の整理合理化、行政責任分野の明確化等を各部局に指示するとともに、予算査定及び事務事業の見直しなどの作業を通じて、見直しを実施してまいりました。

これに加えて、平成14年度からは事務事業評価を導入し、さらに、16年度からは、政策・施策評価を導入して行政評価の体系を確立いたしました。併せて、評価の客観性、透明性を確保するため、外部評価委員会を設置して、7日間に及ぶヒアリングを実施していただき、専門的な観点から、また県民の目線で、率直なご意見をいただき、評価に反映してまいりました。

議員ご提案の事業仕分けにつきましては、現在行っております一連の予算査定作業や行政評価と目的を同じくするものでありますので、これらの取組を一層充実することによって、事務事業の見直しを徹底してまいりたいと考えています。

3-(1)合併新市の課題と対応について  答弁者 知事

国東市の誕生で、いよいよ県内18市町村体制がスタートしますが、県としては、これまで合併の実現を支援してきた立場から、新市の円滑な立ち上げ、新市建設計画具体化の支援、そして旧町村部対策に全力で取り組んでいるところであります。

しかし、地方交付税の減額をはじめとして、地方公共団体を取り巻く財政状況は厳しく、新市の船出も容易なものではありません。

このような中、合併新市の課題は、大きく2点あると考えています。

まず、1点目は、合併を契機として、更なる行財政改革を進めるとともに、議員のご指摘のありました人材の育成等に努め、地方分権の担い手にふさわしい行財政基盤を早期に確立することであります。

2点目は、旧町村部の不安や懸念に適切に対処することにより新市としての一体感の早期醸成に努め、中心部、周辺部が一体となって振興発展していけるよう、新市建設計画の具体化に着実に取り組んでいくことであります。

次に、このような課題に対する県の対応でありますが、まず、1点目の行財政基盤の確立に関しましては、3つの観点から支援を行っているところであります。

まず、新市が円滑にスタートを切るための対応として、新たに生活保護業務をはじめとする福祉業務を担う新市に対しては、職員の派遣等を行い、住民サービスが円滑に提供できるよう支援を行うとともに、様々な研修機会等の提供を通じた人材育成も含め、その体制づくりを応援しています。

次に、財政面の対応として、電算システムの統合など合併に伴い発生する臨時的な財政需要に対処できるよう、総額80億円を超える合併推進交付金等により、合併前から支援に努めているところであります。

更に、新市の行財政改革の取組については、適正な目標を設定して、着実に実行されるよう情報提供や助言に努めているところであります。

このように新しいまちづくりに向け、新市の行財政基盤がより強固なものとなりますよう、今後ともしっかり支援してまいりたいと考えております。

2点目の旧町村部の不安や懸念へ対応し、新市建設計画の具体化を図っていくという課題につきましては、まず、合併影響調査を踏まえ、過渡的に補助率5分の4で旧町村部の不安や懸念にきめ細かに対処する新しい補助制度を設けるなど、来年度は総額369億円に上る旧町村部対策事業を予算計上し、しっかりと応援していくこととしております。

更に、新市建設計画の具体化に向けて、県としては、道路等の社会インフラ整備や農林水産業等の産業振興はもとより、企業誘致にも積極的に取り組むとともに、新市が事業主体となる様々な事業に関しても、各種補助制度等を通じ支援しているところであります。

また、振興局の再編にあたっては、このような課題を抱える新市を応援していく観点からも、組織面や機能面での充実・強化を図ることとしています。

今後とも、新市とも連携をとりながら、合併した地域の皆さんに「合併して良かった」と思っていただけるよう、県を挙げて取り組んでまいります。

3-(2)合併新市の財政状況と県の対応について  答弁者 総務部長

合併新市の18年度予算案では、三位一体改革の影響等から交付税の減少を見込む一方で、退職手当、扶助費などの義務的経費の大幅な増加が見込まれ、財政の硬直化が進んでおります。

また、19年度以降は、交付税の大幅な減額が懸念されます。

しかしながら、新市においては、交付税の合併算定替えの適用があり、その間、給与、定員管理の適正化などを内容とする行財政改革に取り組むことにより、大きな収支改善効果が期待できるところです。

県としては、新市の行財政改革プランなどの策定に際し、県のプランの例を示しながら、歳出削減策や歳入確保対策などきめ細かな助言を行っているところであります。

また、合併特例債については、新市の10年間の発行可能額約2600億円に対し、今年度は基盤整備や基金造成などに約200億円程度の発行が予定されておりますが、県としては、将来の財政運営等を勘案しながら、事業の重点化、効率化にも努めるよう助言を行っております。

3-(3)市町村への権限移譲について  答弁者 総務部長

本県では、市町村への権限移譲を推進するため、去る1月10日に県と市町村の職員で構成する「大分県市町村権限移譲ワーキンググループ」を設置し、来年度中の権限移譲計画の策定に向け検討を開始したところであります。

移譲の方式には、県の提示した事務から市町村が希望するものを抽出する「メニュー方式」と、すべての市町村を対象に移譲を行う「一律方式」がありますが、「メニュー方式」の場合、議員ご指摘のとおり県にも業務が残ることになりますので、建築主事など特別な資格を持つ職員が必要な事務などを除き、一律に移譲する方式を基本に検討しております。

また、具体的な移譲対象事務は現在検討中でありますが、住民の利便性や住民サービスが向上する事務や、市町村行政の充実強化が図られる事務などを中心に市町村と協議してまいりたいと考えております。

4,道州制について  答弁者 知事

地域が地域と競い合う分権型社会を迎えようとする今日、道州制を含め、広域自治体のあり方についての議論は避けて通れないと考えております。

去る2月28日に第28次地方制度調査会から提出された「道州制のあり方に関する答申」は、今後、国民的な議論を大きく巻き起こすためのたたき台を提供したものとして評価しております。答申では、道州制の基本的な制度設計としての道州の区域例や事務などについては記載されていますが、道州制の是非を判断するための重要な論点について、議論が十分尽くされていないと思われます。

その論点とは、第1に、市町村合併の現状を踏まえ、県域の拡大が適当かどうかということ。

第2は、この国の目指すべきかたち・広域自治体のかたちをどうすべきかということ。

第3は、なぜ道州制が必要なのかということ。

第4は、自立可能な財政構造をどのように確保するかということ。

第5は国民的な議論の必要性です。

これらの点につきましては、今後とも、全国知事会議、九州地方知事会議等で、道州制の是非を含め、広域自治体のあるべき姿を議論してまいりたいと考えております。

他方、道州制を含めた広域自治体のあり方の議論と並行して重要なことは、九州各県ともに厳しい財政状況にある中で、共通の課題については共通の政策を作り上げて連携して実行し、共通の利益を形成、追求する実績を積み重ねていくことであると考えております。

その観点から、九州が一体となって観光振興を図るために、昨年4月に九州各県と民間から人材・資金を集め「九州観光推進機構」を設立し、広域観光や一体的情報発信等に取り組んでいます。また、九州地域戦略会議に「循環型高速交通体系整備検討委員会」を設置し、循環型高速自動車道の具体的効果の検討を行ったところです。さらに、試験研究機関の連携、水産高校の実習船の共同運行の可能性等についても検討しており、今後とも九州各県と連携がとれる分野については、積極的に連携を図ってまいります。

ただ、厳しい地域間競争の時代にあって、企業誘致や農林水産物の市場開拓・販売促進等においては、九州各県は同志であるとともにライバルであるという側面も否定できません。議員ご提案の県外事務所や上海事務所の共同設置については、経費節減が図れるのか、

共通の政策目的が設定でき効果が期待できるのか、各県個別の情報管理が確実にできるのか、本県の独自活動が妨げられないか等を慎重に検討する必要があると考えております。

5-(1)豊の国ゴールドプランの見直し等について  答弁者 福祉保健部長

第3期計画の策定に当たっては、「団塊の世代」が高齢期に達する2015年の高齢者介護の姿を念頭に、「介護予防」や「地域ケア」などの推進を今後の高齢者保健福祉施策の基本的方向に据え、見直しを行っています。

「介護予防」については、軽度の認定者を対象に、要介護状態の軽減、悪化防止を目的とした「介護予防サービス」を実施するとともに、その前段階にある虚弱高齢者を対象に、要介護状態等になることの防止を目的とした運動機能の向上、栄養改善などの「地域支援事業」を実施することとしています。

また、「地域ケア」については、身近な地域で、多様で柔軟なサービスが提供できるよう、「通い」や、「訪問」「泊まり」もできる小規模多機能型居宅介護、夜間対応の訪問介護などの地域密着型サービスを整備し、高齢者の地域生活を支援することとしています。

このほか、今後増加が予測される認知症高齢者や、近年顕在化してきた高齢者虐待への対応、また、これから定年を迎える団塊の世代を対象とした生きがい対策の充実など、高齢者を取り巻く状況の変化にも積極的に対応したいと考えています。

こうした介護予防や地域ケアなどの推進により、地域で安心して生活を継続できる環境を整えていく中で、施設の整備については、利用見込みを基に、広域的な観点に立って、目標量を設定することとしています。また、特別養護老人ホームについては、居室の個室化や少人数単位で家庭的な雰囲気での介護を目指すユニットケアの推進により、居住環境の改善を図ることとしているところです。
5-(2)少子化対策について  答弁者 福祉保健部長

近年、女性の働く割合が高い都道府県ほど、出生率が高いことが明らかになっていますが、本県は、九州各県との比較において、30歳代前半の女性の有業率が福岡県に次いで低く、子育てと仕事を両立できる環境の整備が大きな課題です。

このため、育児休業制度の一層の普及に努めるとともに、新たに、子育てしやすい職場づくりをめざす一般事業主行動計画の策定・実践や子育て家庭への割引サービスの提供等、企業の主体的な取組を促してまいります。

また、安定した雇用の場の確保が必要であることから、企業誘致を積極的に進めるほか、「ジョブカフェおおいた」による各種の就職支援を引き続き行っていきます。

さらに、働きながらも安心して子育てができるよう、多様化している就業形態に対応して、延長保育や休日保育、病後児保育など多様な保育サービスの充実に努めます。

また、病気や急な残業等の際に、会員制で子育てを助け合う「ファミリー・サポート・センター」や、小学生を対象とした「放課後児童クラブ」の設置を促進するなど、地域ぐるみの子育て支援体制を構築してまいります。

今後とも、関係部局と連携して、若い世代が家庭を築き、子育てしやすい環境づくりを総合的に推進してまいります。

6-(1)食料自給率について  答弁者 農林水産部長

食料の安定供給、安全保障といった観点から、国においては、食料自給率の目標を定め、毎年度その実績を公表しておりますが、その際、県別の自給率も併せて示しております。

それによれば、本県の食料自給率は、近年、カロリーべ一スで55%前後で推移しています。この自給率は、その県の消費実態を正確に反映したものではなく画一的な試算となっていますので、カロリーの高い米や麦等の生産量が多い県は、高い率になる傾向があります。このため、台風被害などの影響で米の生産量が減少した本県の平成16年度の数値は、概算値で47%と落ち込んでおります。

このようなことから、本県では、数値の水準自体に左右されることなく、「県民の求めに県内生産が応えていけるようにすること」、「県内で生産されたものが県民に愛用されること」、この両面からの取組が重要だと考えております。

そのためにまず、安全・安心なものづくりを進めます。減化学肥料・減農薬で栽培された「e-naおおいた農産物」の生産拡大や、肉用牛に与えた飼料まで明らかにする新たなJAS公表制度の普及を図ります。また、まとまった耕地が少ない本県では、農地の有効利用が極めて重要であり、水田裏作や遊休農地の利活用を推進することにより食料生産力を高めていきます。

次に、地産地消を県民運動として定着させ、県産品の地元での消費拡大をさらに促進させます。学校給食等への県産食材の利用促進や直売所の活性化に向けたネットワークの形成支援、地元量販店とタイアップしたフェアの開催などの取組を強化します。また、広報誌「旬の道」や「とよの食彩愛用店」を活用した産地情報の発信に加え、来年度からは新たに「地産地消の日」を設定し、量販店や飲食店等流通関係者と一体となって県産農産物利用の気運を盛り上げていきます。さらには、地元の食品加工業や外食・中食産業の二一ズに応える新たな原料供給産地の育成にも取り組みます。

このような取組により、「食」と「農」の距離を縮め、県民に選ばれるものづくりを通じて県内自給の向上に努めてまいりたいと考えております。

6-(2)森林保全について  答弁者  知事

先般、国主催の「21世紀の森林整備の推進方策のあり方に関する懇談会」に委員の一人として参加し、林業の活性化が森林の整備には不可欠であること、長期育成循環林への転換が必要であること、木材の流通・加工システムの構築が急務であることなどについて主張してまいりました。これらの点は昨年取りまとめられた中間報告に盛り込まれたところであり、今後、森林・林業施策の基本的な方向となっていくものと考えております。

これまで森林は、伐採、植林、保育、間伐という持続的な林業生産活動を通じて守られてきました。しかし、山村の過疎化や高齢化、長期にわたる木材価格の低迷などにより、間伐などの管理が行き届かない森林や再造林放棄地などが増加しております。

このように、林業経営のみに依存するだけでは森林を保全・整備することが困難になっており、このままでは県土の荒廃につながりかねません。

そこで、水土の保全など多面的機能を持つ森林を健全な姿で次世代に引き継いでいくため、次の4点について、重点的に取り組んでいきたいと考えております。

まず、1点目としては、消費者の視点に立ったものづくりを進め、県産材の需要拡大を図り、林業生産活動を活性化し、森林整備に結びつけていくことです。

このためには、原木流通の合理化や、製材工場の大型化などに取り組むなど、生産・流通・加工システムの抜本的な改革に着手し、消費者の求める使い易く、高品質で、国際競争にも耐えうる価格の木材を安定的に供給できる体制を整備していきたいと考えています。 

2点目は、県民生活の安全の確保の観点から、水をはぐくみ、災害を防ぎ、県民の暮らしを守る森林づくりを進めることです。健全な森林づくりに欠かせない間伐や広葉樹を活用した森林整備を進めるとともに、災害発生が懸念される森林において、治山ダムなどを整備してまいります。

森林の伐採方法についても、これまでの40年程度の皆伐から、定期的な抜き伐りを行い、伐採時期を延ばす長期育成循環林への転換を推進し、森林機能の維持と木材生産とを両立させる森林づくりを進めていきたいと考えています。

3点目は、森林環境税の活用などにより、県民の理解と協力の下、森林を保全していくことです。NPO、ボランティア団体との協働等により県民総参加の森林づくりを進めていきたいと考えています。

4点目は、森林を守る活力ある担い手を育てることです。

県内には、積極的に活動している森林組合に加え、森林整備に総合的に取り組んでいるトライウッドやFSG日田のほか、臼杵市野津町、中津市本耶馬渓町などで新たな担い手の芽が育ちつつあります。

今後とも、林業者や小規模な林業事業体の組織化や低コスト林業推進のための林業機械の導入支援などを行い、自らの知恵と工夫で地域を支える意欲的な担い手を育成していきたいと考えております。

なお、議員ご指摘の森林整備地域活動支援交付金は、森林整備に不可欠な現況調査や作業道の補修などの地域活動を支援する制度でありますが、平成18年度で終了することとなっております。国では、今後の制度のあり方等について検討しているところであり、平成19年度以降の制度の継続や交付対象の拡大について、引き続き国に対し強く要望していきたいと考えております。

7,雇用形態変化への対応について  答弁者 商工労働部長

本年1月に公表した雇用形態等実態調査により、県内でも全国と同様に、雇用が多様化している実態が明らかになりました。雇用の多様化については、昨年8月に「変わる雇用と人づくりシンポジウム」を開催したほか、本年1月には労使代表との意見交換会を実施するなど、これまでもその原因等について議論してきたところです。

その結果、この問題は多方面から検討を加えることが必要であり、多様化の原因についても単純には捉えられないと考えています。

例えば企業が厳しい経済情勢の中で賃金水準の高い正規採用を控えてきた結果という見方もある一方で、国の独立行政法人による高校生の進路決定に関する調査で「一つの仕事にとどまらず、いろいろな仕事をしたい」「自分に合わない仕事ならしたくない」等の回答が多くあったように、働き手の意識の変化や働き方の選択の結果という見方もあります。

また最近では、非正規社員という状態が固定されたまま雇用されるのでほなく、県内の大手進出製造業にみられるように、企業の生産性向上と社員のモチベーションアップという両面から、派遣・請負社員であっても高い評価を受けた者を正規社員に登用するという方針を打ち出す企業も現れています。

雇用される側から見て大切なことは、個々人がその適性に応じて十分能力を発揮できる機会が増加し、希望の就職先を見つけ、安心して働けるような受け皿が多く存在することです。

そのため、県としましては、企業誘致や地場企業のビジネスチャンス拡大等を図るとともに、「ジョブカフェおおいた」における就職相談や人材育成研修の実施などを通じて、正規社員を含めた雇用の場を広げていきたいと考えています。

8-(1)犯罪の発生状況と抑止対策について  答弁者 警察本部長

犯罪の発生件数は、平成元年から9年まで1万件から1万2千件の範囲で推移していましたが、10年から急激に増加し、15年には戦後最高の1万7,362件に及びました。

また、犯罪の検挙率も、13年に、25%まで低下するなど、危機的な治安状況にありました。

そこで、県警察では、平成15年から街頭犯罪・侵入犯罪抑止総合対策の推進を運営重点の第一に掲げ、警察官の増員、犯罪抑止担当室の新設による体制の強化をはじめ、総力を挙げて街頭警察活動の強化等に取り組んでまいりました。

また、地域住民や事業所などが、防犯活動に取り組む動きが拡大し、自治体も取組みを強化しております。

その結果、平成17年の発生件数は、13,035件で、15年のピーク時と比較して、約4,300件、25%減少するとともに、検挙率も38%に向上いたしました。

そこで、本年も、犯罪抑止総合対策を業務重点とし、官民一体となった取組みを推進することとしております。

具体的には、犯罪発生状況の分析による各種施策の検証や街頭警察活動を強化し、引き続き、自主防犯パトロール隊への支援を行います。

さらに、来年度は、携帯メール配信システムを活用したタイムリーな情報提供を行うこととしております。

今後とも、地域社会と一体となって、犯罪抑止の機運を一層高め、諸対策を推進してまいります。

8-(2)警察官の大量退職への対応について  答弁者 警察本部長

警察官の大量退職・採用時代を迎え、経験豊富な警察官の退職や新人警察官の現場への大量配置等に伴い、現場執行力の低下も懸念されているところであります。

こうした状況を踏まえ、昨年6月に「大分県警察次世代育成プログラム」を策定し、組織的・体系的な取組みを行っております。

新人警察官をベテラン警察官に代わる戦力として早期に育成するため、実戦的教養やフォローアップ体制を確立し、各教養段階において新人警察官の考査を実施し、その結果に基づき個々の再教育プランを策定するなどの対策を講じております。

具体的には、指導教養期間を採用直後の警察学校での教養のみならず、職場配置後も含めた採用後3年間と、ほぼ倍の期間に拡大し、本部執行部門による通信教育や弱点の補強に向けた各種講座を設定して個々の履修状況に応じた指導を強化しております。

また、ベテラン捜査員等を指導者に指定して教養を実施するなど、警察技能の伝承に努めているところであります。

あわせて、捜査支援資機材の高度化を含めた治安基盤の充実や業務のOA化による現場活動の強化、さらには業務能率の向上などを目的とした職場環境の改善にも、組織を挙げた取組みを行っております。

これらの取組みに当たっては、常に効果を検証し、その結果に基づいて施策を見直しながら、更なる充実と改善を図り、大量退職期においても県警察の持てる力を最大限に発揮し、県民の負託に応えてまいります。

9-(1)教育における地方分権について  答弁者 教育長

議員ご指摘のとおり、教育における分権を進め、特色ある教育を展開するためには、教育委員会が子どもや地域の実態を的確にとらえ、諸課題の解決を図るための取組を主体的・創造的に推進することが極めて重要であると考えております。

このため、「安心・活力・発展プラン2005」において、「明日の大分を築く心豊かな人づくり」を掲げ、学校・家庭・地域がそれぞれ本来の教育機能を十分に果たし、相互の信頼と協働による教育改革を推進することとしています。

高等学校においては、生徒数の減少や多様な学習ニーズに対応した「高校改革推進計画」に基づき、総合選択制高校や併設型の中高一貫教育校など、特色・魅力・活力ある学校づくりを積極的に推進しているところです。

一方、市町村においても、特色ある教育改革が進められており、豊後高田市では、子どもの学びの場を広げる「学びの21世紀塾」を開設しており、宇佐市では、毎月19日を「教育の日」と設定し、全市をあげて学校開放に取り組んでおり、また、大分市では、小中一貫教育校や学校選択制等の特色ある学校づくりの検討を進めるなど、それぞれの地域に根ざした主体的な取組が展開されております。

今後とも、市町村教育委員会との連携はもとより、地域の実情に応じた教育改革を着実に推進することにより、県民に、より信頼される学校づくりが私どもに課せられた使命であると考えております。

9-(2)奨学金制度の拡充について  答弁者 教育長

現在、高校生を対象として緊急支援奨学金事業と育英奨学金事業を実施しております。

緊急支援奨学金事業は、平成14年度に長引く不況に伴い雇用情勢が厳しい中、勉学意欲がありながら経済的理由により修学が困難な高校生を支援するため開始したものです。

また、育英奨学金事業は、本年度から従来日本育英会が行ってきた高校奨学金事業を引き継いだものであり、2月末現在で合わせて1156人に奨学金を貸与しております。

これらの奨学金事業では、高校入学前や入学後の募集のほか、保護者の失職等による家計の急変のため、緊急に奨学金が必要になった場合には、随時奨学金の貸与を行っているところです。

次に、来年度から実施することとしております通学費用に対する奨学金制度は、高校改革推進計画に伴い遠距離通学となる生徒を支援するため、多くの保護者からの要望を踏まえ、緊急支援奨学金事業の中に新たに設けたものです。

具体的には、所得基準は世帯の全収入が生活保護世帯の基準額の1.5倍以下としており、1ヶ月の通学費が1万円以上2万円未満では5千円、2万円以上3万円未満では1万円、3万円以上では1万5千円を貸与することとしております。なお、自宅から通学することが困難なため下宿などをする生徒も対象とする予定であります。

9-(3)学校、家庭、地域の連携による教育について  答弁者  教育長

規範意識の低下や基本的生活習慣の欠如など、子どもたちをめぐる様々な問題が指摘される中、学校・家庭・地域が相互に連携し、子どもの教育に取り組むことが重要であります。

そのため、幼稚園からのPTA活動への参加促進や、PTAの父親部会の設置による父親の子育て参加の促進を図っております。

また、学校の空き教室等を活用して、子どもたちが地域の人々とともに、様々な体験活動や異年齢の子どもたちとの交流活動を行う「子どもの居場所づくり」を通じて、子どもたちの社会性や主体性の涵養を図っております。

さらに、学校においては、保護者や地域の方々に学習活動サポーターとして協力いただくことなどを通じて、学習意欲の向上とともに、児童生徒のマナーの向上や豊かな心の育成を図っているところであります。

一方、生活環境部を中心に、大人が変われば子どもも変わる」をスローガンに大人のあり方を見直し、県民総ぐるみで青少年を育成する県民運動の展開を予定しており、来年度は、あいさつ運動や公共マナー向上運動に取り組むこととしております。

今後とも、学校・家庭・地域の三者の連携を一層強化し、明日を担う心豊かな子どもたちの育成に努めてまいります。

10-(1)大分駅付近連続立体交差事業について  答弁者 土木建築部長

先ず、高架の完成時期ですが、豊肥本線及び久大本線については平成20年度、日豊本線は23年度を予定し、現在、計画的に工事を進めているところです。

次に、跨線橋の撤去については、工事期間が重複しないよう、春日跨線橋を21年度に、大道跨線橋を22年度に順次撤去し、交通への影響を最小限にとどめることにしております。

撤去時の交通対策については、迂回路として活用できる庄の原佐野線や大分市施行の六坊新中島線を撤去時までに整備し、交通の分散を図る予定です。

また、これらハード施策だけでなく、咋年2月に国土交通省、県警、大分市やバス協会などの交通関係機関からなる「大分駅付近連続立体交差事業交通円滑化検討部会」を設置し、公共交通機関の利用促進や時差出勤などのソフト施策の可能性について、検討してまいりました。

具体的には、昨年6月に、大分市内の74事業所に通勤者アンケート調査を実施し、63事業所から6,765名の回答を得ました。

この中で、バス、鉄道等への利用転換が19%、時差出勤などへの参加意向が63%あることが把握できました。

この結果を踏まえ、大分市と連携を図りながら、関係事業所に協力依頼をすることにしています。

今後とも、広報紙やマスコミなどを通じ、ソフト施策の重要性とその効果をお知らせし、ハード施策と連動した効果的な交通対策を実施してまいります。

10-(2)庄の原佐野線整備事業について  答弁者 土木建築部長

国道210号の椎迫交差点から国道10号までの間については、平成20年の供用開始を予定しています。

国道10号から大分川を渡り、下郡までの間については、16年3月に調査区間に指定されており、今後は、まず事業化の前提となる整備区間への指定に向け、関係機関と調整を図ることとしています。

また、下郡から佐野までのルートについては、将来の市街地形成や交通の動向などを見極める必要があり、今後の研究課題として検討してまいりたいと考えています。

10-(3)大分市中心部の幹線道路整備について  答弁者 土木建築部長

これまで、別大国道や臨海産業道路の6車線化、国道197号バイパス、さらには国道210号のホワイドロードや羽屋地区の拡幅など、幹線道路の整備を行ってきたところです。

しかしながら、国道10号や国道210号などの主要な幹線道路が大分市中心部から放射状に伸びているため、朝夕の流入・流出交通の集中により渋滞が発生しており、これらの交通問題を解決することが課題となっております。

このため、国土交通省では、国道10号宮崎交差点における渋滞を解消し、下郡方面へのスムーズな交通の流れを確保するため、21年度の完成を目途に、右折などの車線を大幅に増設する交差点改良に取り組んでいるところです。

また、県においても、大分駅周辺の交通円滑化を図るため、連続立体交差事業や庄の原佐野線、下郡中判田線などの整備を進めており、これらと一体となった市道の整備による交通の分散を図ることが重要であります。

そのため、国土交通省、県、大分市で構成する「大分県幹線道路協議会」において、幹線道路の機能を最大限に発揮する道路ネットワークのあり方について検討しているところであり、それぞれが役割分担を図りながら幹線道路ネットワークの構築を進めてまいりたいと考えております。

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