平成16年12月 第4回定例県議会 一般質問
42番、県政クラブの梶原九州男です。通告に従い質問をいたします。

 その前に、先般11月18日から22日までの間、議員派遣として中国の上海に視察に行ってまいりました。経済成長の著しい上海での研修視察は、大変有意義なものであり、これからの県政運営、あるいは議会活動に生かしてまいりたいと考えます。今日はまとめの途中ということもあり、具体的には触れませんが、一つだけ感想を申し上げるならば、市場としての上海と捕らえるならば、商品を提供、供給する側は、大分県という小さい単位ではなく、九州、あるいは日本としての捉え方で、対応しなければならない。大分県のブランドを作る、というより九州全体として、中国市場に売り込む、そんな取り組みが必要と思った次第です。その為にも後ほど触れますが、道州制の導入への取り組みが大切と考えました。アジアを相手に私たちが、経済活動や、文化活動を行うとすれば、大分という単位より、九州というもっと大きい単位で、取り組む必要があります。

1.三位一体改革と新年度予算編成について
 小泉首相が進める「三位一体改革」は、地方6団体を巻き込み、大きな論議をしてきたところでありますが、地方分権を進める意味からの「三位一体改革」は、十分な内容とはいえないまでも決着しました。その内容は、補助金削減は2兆8千億円余り、税源移譲は2兆4千億円余りとなったところであります。焦点になっていた義務教育費国庫負担金は、来年度の暫定措置として、4250億円を認め、地方6団体が求めた8500億円は来年秋の中央教育審議会の答申を待つということで、結論を先送りし、火種を残したままの決着となっております。

 また、税源移譲は所得税の個人住民税化となっていますが、現在の個人住民税額を都道府県毎の税収で試算すると、税源の偏在のため都道府県間の格差が生じることになります。 そして、47都道府県中大多数の県では、得られる税収が失われる国庫負担金を下回るといわれております。したがって、各地方自治体間の財政力に格差がある現状の改善なしに補助金を削減すると、大きな財源不足が生じることが心配されます。

また、財源不足分は地方交付税で補填するとの方法がありますが、地方交付税も削減の方向であり、もともと地方交付税は基準財政需要額を算定し、基準財政収入額との不足分を補うものとして交付されるものであります。削減された補助金については、税源移譲により賄われることになりますが、税源偏在のため、大分県など財政力の弱い自治体では不足が生じ、これを交付税で補う必要がありますが、実際に措置されるかどうか判断が難しいところであります。さらには、先食いしている県債の返済時の補填原資、臨時財政対策債の返済原資、これから発生する合併推進債の返済原資と多くの項目があり、全体的に削減される中での交付税措置はわかりにくいと考えます。

そこで質問ですが

(1)県の財政に与える影響等について
 今回政府が決定した、いわゆる「三位一体改革」で県の財政に与える影響はどのようになりますか。補助金の削減がいくらで、税源移譲がいくらになり、その過不足はどのようになるのか、交付税と併せて伺います。

(2)平成17年度予算の見通しについて
 来年度予算編成における予算規模は、さらに縮小とならざるを得ないと考えますが、見通しを伺います。

(3)枠配分制度について
 新年度予算から各部局に一定の予算枠を配分して、各部局で工夫を凝らして編成ができるように「枠配分制度」を導入されると聞きましたが、その配分規模、目的と効果について伺います。

2.自然災害に対する県の施策について
 今年は、近年になく災害の多い年でありました。大分県も台風16号、18号、21号、23号の4つの台風が直撃し、大きな被害をもたらしました。
知事は、早速各地を視察し、被災状況の把握と、被災者の激励に努められました。そのすばやい行動に敬意をあらわしますと同時に、感謝申し上げます。
 私も、9月9日に県政クラブの皆さんと、大野川の企業用水取水口、庄内の梨園、10月2日に国見町の岐部川堤防決壊現場、10月24日に佐伯・南郡、臼杵・津久見地域に漁港や、ハウスみかん、県道・林道の崩壊現場など、視察いたしてまいりました。当日ご案内をいただきました、県職員はじめ、現地の皆様に改めました御礼を申し上げます。
 全国的には、台風、大雨による水害、地震など多くの自然災害が発生しております。被害に遭われた皆さんに心からお見舞いを申し上げますとともに、亡くなられた皆さんのご冥福をお祈りいたします。
 また、一日も早い復旧を期待すると同時に、生産意欲や再建意欲の喪失を心配いたしております。私のできることを精一杯行っていこうと決意しているところです。
 ある会合で、「新潟の中越地震に遭われた皆さんに、今してあげられることは何でしょうか。」とのお尋ねがありました。そのときの答えは(答えた方は新潟地震の現場を回られた方であります)「ボランティアも救援物資も大切であります。しかし、全国民が応援に行けるわけでもありません。そこで、今大切なことは、みんなの気持ちだと思います。新潟の人つまり、災害に遭われた皆さんは、『国民の皆さんから忘れられるのではないか、このまま生活ができなくなるのではないか。』と心配しています。私たちは、被災された方々の気持ちを慮り、いつでも見ていますよ。しっかり復旧に頑張ってください。何か不自由なことはありませんかと、被災者を励ましつつ自分でできることを、しっかりやっていくことではないでしょうか。」と言われました。私は、まさしくそうだと感じました。
 さらに、私を感動させたのは、新潟県中越地震の時の「優太ちゃん」の救出でした。地震発生から4日目の10月27日に、東京消防庁の「ハイパーレスキュー隊」を始めとする救助隊が、土砂で埋まったワゴン車の現場で救出作業を開始したその約1時間後に「優太ちゃん」は救出されました。その間のレスキュー隊の行動は、想像を絶するものであった様であります。余震が続く中、巻田隊長が先頭になり岩場をよじ登り、ワゴン車に到達し、バンパーをたたくようにし身をかがめたときに、「何かが耳に聞こえたような気がした。」と言っています。そして、他の隊員とともに「優太くーん、真優ちゃーん、お母さーん」と呼びかけ、息使いや声を確認し、誰かが生存しているとの確信を得て救出作業に取りかかり、見事に「優太ちゃん」を救出しました。そして、この方たちは、後の会見で、「ハイパーレスキュー隊だけの力でできた事ではなく、長野県隊を始めとする消防の強力な連携の成果です。」と答えています。日本のレスキュー隊は、大変優秀だとの評判も高いようであります。世界各地の地震や災害に派遣され、大きな成果を収めているのもご案内のとおりであります。
 再度申し上げますが、レスキュー隊は、「土砂で埋まった小さな隙間を手作業で広げていくうちに「小さな手」が見えた。若い隊員が穴に入ることになったが、余震が続いており、その危険な選択を前に激しい葛藤があった。」と言っております。また、「時間との戦いの中で、自らの命を失うことなく、死に直面している被災者の命を一刻も早く救出するのがレスキュー隊の使命だ。」とも言っておりますが、想像を絶するものがあったに違いないと思います。
 私たちは、このように自分の危険をも顧みず、人命救助に当っている多くの消防隊員や警察、自衛隊、さらにはボランティアの活動にも思いをいたさねばならないと改めて感じました。
 翻って、大分県で被災されました皆さんに対し、私たちはどれほどの援助を行うことができるのでしょうか。勿論、県の制度を活用しての最大限の援助、国の災害指定を受けての支援などもろもろありましょうが、今大切なことはそれらにまして、「現状の被災状況を良く聞いてあげる、把握をする、困りごとの相談に積極的に対応すること」ではないでしょうか。そして、県民全体で県土を復旧するという気持ちが何より大切と考えます。
 県は、本年7月に、災害など県民の生命・財産に被害が生じる緊急事態に備えた「危機管理委員会」を発足させ、取り組みが開始されておりますが、それらも含めいくつか質問をいたします。

(1)災害に対する県の支援について
 災害に遭われた皆さんがいま一番困っていることは何でしょうか。それに対して県はどのように対処しているのか伺います。

(2)県の施設の被害状況等について
 県の施設の被害はどのようになっていて、復旧の見通しはどうなっていますか。復旧予算も含めお答えください。
 また、河川や港湾、道路、橋梁などの土木被害がおきていますが、過去の被害箇所と同じ箇所が被害にあったケースはありますか。さらに、その対策はどのようにされているのか伺います。

(3)地域防災計画等について
 新潟県中越地震では、被災地がいくつもの市町村にまたがっていることから、どの地域がどのような被害に遭って、どのような状態になっているのか、初期段階での情報伝達がうまくいかなかったとも聞いております。このことを含め、県の防災計画の現状と対策を伺います。
 また、「大分県地域防災計画」の周知徹底はどのようにされていますか。
 この地域防災計画は各市町村も策定していますが、市町村合併が進む中で、市町村の防災計画と県の防災計画の整合性は取れているのかどうか伺います。
 さらに、災害からの被害を最小限に止めるのは、日頃からの防災訓練だと思います。県や市町村職員、県民、観光客の皆さんの避難誘導など防災訓練の実施状況を市町村や県の地方機関を含め伺います。

(4)地震対策等について
 東南海・南海地震が予想されておりますが、これらの備えはどのようにされておりますか。 今回の新潟県中越地震や台風災害によって、参考にしなければならないところやこれまでの計画の見直しをしなければならないところがあると思われますが、どのように対策を講じていくのか伺います。
 また、「大分県地域防災計画に、津波対策も計画に盛り込み、住民の避難計画作りを支援し、今後5年をめどに避難場所や防潮堤などの整備を進める。」と新聞報道されていましたが、現在の具体的な進捗はどうなっているのか伺います。

(5)県危機管理委員会の取組内容等について
 最後に、7月に発足した「県危機管理委員会」の取組内容とこれまでの成果について伺います。

3.市町村合併に対する県の施策等について
 市町村合併については、その期限を来年3月末に控え(勿論合併が決定していれば1年間の猶予期間が設けられましたが)、議論を重ね、合併できるところ、できないところ、まだこれから議論が必要なところとありますが、これまでの合併議論を見て率直に感じたことは、「合併後の新しい自治体のありようが議論されていないか、もしくは議論が不足している。新市の建設計画を含めて情報が不足しているのか、住民に合併についての説明が十分でない。」と感じています。
 また、行政は、「住民の意思で合併するか、しないかを決める」と言ってきましたが、先の全国県議会議員研修会の報告では、合併論議が比較的進んでいるといわれている広島県でも「住民が主体となって合併をしたところはない。」と言われております。
 つまり、住民の意思で合併と言うのは原則でありましょうが、現実には難しいということではないでしょうか。
 それは先に述べましたように、情報が平等に住民に伝わりにくいこと、発信する情報が少ないことなどがあります。「今、なぜ合併をしなければならないのか、合併することにより何がどのように変わるのか、それはそこに住む住民にとってよくなるのか、悪くなるのか、まだまだ、住民への説明が不足している。」と感じています。住民だけでなく、行政に携わっている人たちも、すべてを把握しているとは言えないのではないでしょうか。
 また、新市の人口と街づくりについて、国の当初の考えでは、市町村合併で誕生する新市は10万人くらいの人口が望ましいと言っております。しかし、本県の合併は人口3〜4万人程度の市が誕生しそうであります。
 市町村合併の目的は、「将来に亘り繁栄し続ける街づくり」であり、「住民にとって住みやすい街づくり」などであると思います。ですから合併は目的ではありません。そのための手段でなければならないと考えます。
 そこでいくつかの質問を致します。

(1)道州制等について
 市町村合併の次に来るのは、県の合併であり、道州制の導入なり、県連合の発足であろうと考えます。すでに国の地方制度調査会は、第27次の答申でも都道府県の自主的合併の手続きの整備の検討や、国民的意識の動向をみながら道州制の議論を進めると述べております。これを受け、本年の第28次調査会でも道州制のあり方を検討しております。
 道州制導入に対する県のスタンスと併せ、九州知事会での議論経過について伺います。
 また、道州制が導入された場合、基礎自治体である新市は3〜4万程度の人口規模で受け皿となり得るのでしょうか。それともその場合、再度合併が行われるとお考えでしょうか。当局の考えを伺います。

(2)新市への権限移譲に伴う執行体制について
 行政の地方分権が進められておりますが、県もまた国からの権限委譲を受けるだけでなく、市町村へ権限を委譲していかなければなりません。そこで、今大分県で進められている市町村合併で誕生するすべての新市で、地方分権で新たに移譲された権限を適正に執行できる体制が整っているのかどうか伺います。

(3)新市における街づくり等について
 合併の目的の一つに「地域コミュニテイの再構築」が上げられると思いますが、より広域化された新市において、街づくりの実践はどのように考えているのか伺います。
 また、広域連合や一部事務組合等の今後の運営についても併せて伺います。

(4)新市の財政状況等について
 市町村財政が厳しい中、「行財政改革の一環としての市町村合併」とも言われておりますが、合併することにより新市の財政は豊かになりますか。少なくとも少しでも改善されるのかどうか伺います。
 また、合併したくても合併できない町村が発生しそうでありますが、これらの町村のこれからの自治体運営はどのように考えているのか伺います。

(5)新市の都市計画区域マスタープランについて
 都市計画市町村区域マスタープランと市町村合併についてでありますが、これまでも県は、該当市町村に、おおむね20年後の都市の姿と10年後の都市整備の目標を示す、都市計画区域マスタープランの作成を指導してきたところであります。今回、合併により誕生する新市においての都市計画区域マスタープランの作成はどのようにされるのか伺います。
 市町村合併が進んで、最終段階にきた今、再度基本的なことについてお尋ねをいたしますが、これから合併までの間に、住民の皆様同士が良く理解をし、合併前にできるだけ疑問を少なくすることが大切と考え、あえて質問をいたします。当局の真摯な答弁を求めます。

4.ユニバーサルデザインについて
 誰かが不便と感じるようなものは初めから作らず、年齢や性別、障害の有無などに関係なく誰もが使いやすいものや建物・生活環境などをデザインする考え方を「ユニバーサルデザイン」と呼んでおります。本県でも高齢者や障害者に対するさまざまな障壁を取り除く視点で「やさしいまちづくり」を目標とし、早くからバリアフリーに取り組んできたところであります。このバリアフリーに変わる用語として、より広い意味で使われているのが、「ユニバーサルデザイン」と考えても良いようです。
 また、県は来年度の政策展開の方向と重点化の方針を示す「県政運営の基本方針〜おおいた「安心・活力・発展」創造アクションプラン2005〜」を策定し、重点施策の一つに「ユニバーサルデザインによる社会づくりなど、すべての県民が安心して心豊かに暮らせる社会づくりの推進」を掲げています。
 しかしながら、本県においてはさまざまな施策において、ユニバーサルデザインに対する理解が十分とはいえない状況です。
 熊本県においては、平成13年の「くまもとユニバーサルデザイン国際シンポジューム」の開催や、平成14年の「くまもとユニバーサルデザイン振興指針」の策定など、さまざまな施策でユニバーサルデザインの理解促進と普及に努めてきています。また、ユニバーサルデザインの内容を職員や県民に伝えることに力を注ぎ、その指針やガイドラインづくりなどで、行政や民間が取り組むべき方向性を明らかにすると同時に、県民の目に見える、わかりやすい形で、モデルづくりにも取り組んできました。今年度は実践型ユニバーサルデザイン専門講座と、ユニバーサルデザインアドバイザー派遣事業により、企業・団体・市町村職員の、ユニバーサルデザイン実践に向けた、人材育成に力を入れています。また、今年3月の九州新幹線の開業を契機に、「観光くまもとユニバーサルデザイン推進事業」として、ユニバーサルデザインモニターツアーや、旅行商品づくりの支援なども実施しています。さらに、11月には「くまもとアートポリス2004とユニバーサルデザイン展」を開催し、シンポジュームや作品展などを開催しています。

 そこで、質問ですが
(1)ユニバーサルデザインの指針づくり等について
 ユニバーサルデザインのガイドラインや指針づくりについて、行政や民間が取り組むべき方向性を明らかにする必要があると考えますが、当局の見解を伺います。

(2)県民運動としての展開について
 また、ユニバーサルデザインの推進に当たっては、県、県民、企業や団体などの活動のすべてにその考えが深く浸透していることが必要であります。
 それぞれがユニバーサルデザインに対して、共通の認識を持ち、お互いが協力し合える、あるいは補い合いながら、県民運動として展開することが重要であると考えますが、当局の見解を伺います。

5.キャノン進出に伴う交通インフラの整備について
 先月、県民待望の大分キャノン第2工場の操業が開始されました。キャノンの大分進出については、心から歓迎するとともに、誘致に尽力された広瀬知事を始めとする関係者の皆さんに敬意を表すと同時に、心から感謝を申し上げます。
 しかし、志村交差点付近から鶴崎橋、乙津橋と、国道197号線は以前から大変な渋滞をしておりました。県は、今年6月からは実験的に迂回路として、大野川大橋の有料料金を半額にしており、今月20日からは本格的に実施することにより渋滞解消に努めております。一方、197号バイパスの朝のラッシュは、依然として続いています。

(1)大分キャノン第2工場操業に伴う交通への影響等について
 いずれも日頃から渋滞を繰り返していますが、大分キャノン第2工場操業による渋滞は現在どうなっているのでしょうか。
 さらに、来年1月からは出荷が開始され、さらなる渋滞が予想される事態の改善策をどのように考えているのかお答えください。

(2)大分県地域ITS検討委員会の現状等について
 さらには、去る平成13年4月には「大分県地域ITS検討委員会」が設立され、円滑な交通の確保などについて検討しているようであります。ITSとはご存知のように、最先端の情報通信技術を用いて「人」と「道路」と「車両」とを情報でネットワークすることにより、交通事故の削減、自動走行の実現、渋滞の解消、環境問題改善などを図るために整備される高度道路交通システムのことであります。
 今、道路改良などハード面を部分的に改修することも当面の策として大事とは思いますが、総合的に交通システムを考えていく時期だと考えます。
 「大分県地域ITS検討委員会」の現状と併せ、県が考えるこれからの交通体系についてお答えください。

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