平成14年9月議会 一般質問
今後の行政の役割等について 主管課 企画調整課 回答者 知事
 二十一世紀においては、行政は簡素でスリムな新しい行財政システムを目指し、民間は自ら積極的に産業の創出や異分野への新規参入を図り、経済の活性化や雇用の確保を図ることが課題であります。
 私は、この課題を解くキーワードの第一は、「民間活力の導入」であると考えて
おります。
 行政サービスの効率化が求められる中で、民間にできることは民間に委ね、民間が自らの資金力とノウハウを活用していくことが経済の活性化に結びついていくのであります。
 本県では、現在、民間の資金力、技術的能力、経営能力など多様なノウハウを活用して、公共サービスを住民に提供する手法であるPFIにより、女性・消費生活会館(仮称)の整備を進めております。
 また、行政で実施する必要性が薄れた民間で実施できる事業については、鋭意民営化を検討するとともに、施設の維持管理業務や検査業務など民間活力により一層の効率化が期待される分野については、積極的に民間委託を進めることとしております。
 しかしながら、民間に委ねるべきでない、基礎的インフラの整備や、防災、警察、衛生など安全性に係るものは、あくまでも行政で担うという基本的な考え方を堅持する必要があるのは当然であります。
 第二のキーワードは、「規制緩和」であります。
 電話機端末の自由化による携帯電話の驚異的な普及の例を待つまでもなく、規制緩和が、民間の活力を引き出し、新たな住民サービスを産み出すとともに、低迷する景気を浮揚させる大きな力になります。
 本県におきましても、都会の方々に農家に泊まっていただくグリーンツーリズムの円滑な推進を図るため、この四月から全国に先駆けて旅館業法や食品衛生法上の規制緩和を行ったところです。
 また、現在、国においては、特定地域の規制を集中的に撤廃・緩和する構造改革特区構想を打ち出しており、本県では、「留学生特区」、「大分港環境・物流特区」、「田舎暮らし応援特区」の三つの特区構想を提案しております。
 第三のキーワードは、「NPO・ボランティア」であります。
 海外の医療や開発援助の分野ではNGOの活躍が見られ、国内でも福祉や環境の分野でNPOの活動が生まれております。
 このように、公的分野と市場原理が働く分野の間の、いわばグレーゾーン的な部分を、行政に代わってNPOやNGO・ボランティアといった民間が担う場面が現れてきております。
 地域住民の方々は、それぞれの生活の中で積み上げてきた専門的なノウハウを有し、また新たな生きがいを求める意欲も旺盛であります。これからは、こうした住民の方々をNPOやボランティアとして機能させる地域づくりが重要となっております。
 本県でも、専門的知識を持った高齢者が地域のIT教育等に取り組む「シニアネット大分」をはじめ、福祉、環境、IT等幅広い分野でNPO法人が設立されており、その数は六十三に及んでおります。
 また、私は、かねてより「県民総ボランティア」を提唱しておりますが、約二千百人のボランティアにより運営を支えられた2002年FIFAワールドカップ、約三千人のボランティアに支えられる「大分国際車いすマラソン大会」など、本県においては、二十一世紀の地域社会を支えるボランティアの芽が着実に育っているところであります。
 今後とも、NPO、ボランティアの育成・支援を行うとともに、来年開催される全国都市緑化おおいたフェアなどの事業における協働関係を築いてまいりたいとかんがえております。

今後の公共事業のあり方について 主管課 企画検査課 回答者 知事
 公共事業は、道路や河川などの社会資本整備により地域経済の発展や公共福祉の増進に大きな役割を果たしており、今なお重要な意義を有しております。
 昨今、高速道路に代表されるように費用対効果論のみで公共事業の適否を判断しようとする風潮があります。しかしながら、道路整備は、都市との交流による沿道地域の活性化をもたらし、急病患者の搬送、災害時の避難など生命を支えるライフラインとして欠かせないものであります。また、治山治水事業は県土の保全や県民の大切な生命、財産の維持、下水道整備は河川や海の環境保全、公園整備は快適な生活環境の創出に大きな役割を果たしております。
 今後の地方分権社会を推進する上で、こうした公共事業は費用対効果だけにとらわれることなく、国や地方自治体の責務として着実に進める必要があります。
 これが私の基本姿勢であります。
 しかしながら、住民ニーズや財政状況の変化をはじめ、国の補助基準が画一的で地域の実情に即していないなどの公共事業の進め方自体に課題が生じてきている点は私も十分承知いたしております。
 このため本県においては、見直すべきは見直すという観点から、平成十年度より公共事業の再評価システムを構築し、第三者機関である「大分県事業評価監視委員会」の意見を聴き、これまでに事業中止十件、休止四件を含む百八十五件の実施中事業の評価を行うとともに、事業開始前評価の導入についても検討してまいりたいと考えております。
 また、将来の公共事業の方向性を決定する「県中長期道路整備計画」や「都市計画区域マスタープラン」等の策定にあたっては、県民意見の反映は透明性を確保する為、パブリックコメントの手法を既に取り入れているところであります。
 公共工事のコスト縮減という点では、平成九年から計画的に設計方法等の見直しを行い、
同じ規模の事業でのコストを見た場合、平成十二年度は八年度に比べ、率にして六.八パーセント、額にして八十五億円の縮減を図るとともに、民間の資金とノウハウを活用するPFIについても各県に先駆けて導入いたしました。
 また、本県の自主性・主体性を活かした事業展開を図るため、山間部の道路など交通量が少ない区間については全国一律の基準ではなく、車線数や歩道幅員等の構造規格を見直すなど、整備手法の変更も弾力的に検討しております。
 このように大分県においては、以前より公共事業の見直しに積極的に取り組み、着実にその成果を上げてきているところであります。
 今後とも真に必要性の高い事業を絞り込み、投資を重点化する「選択と集中」を基本に社会資本を着実に整備してまいりたいと考えております。

中期的な財政収支の見通しについて 主管課 財政課 答弁者 部長
 これは、平成十四年度一般会計当初予算を基準に、現行制度が継続することを前提にして、国が本年一月に示した「構造改革と経済財政の中期展望」をもとに内閣府が試算した経済成長率等の指標を参考にしながら、試算したものであります。
 公共事業、地方単独の普通建設事業は毎年三%減、交付税の振替措置である臨時財政対策債の発行は十五年度までとされており、その後の対応は未定のため「地方財政計画による財源対策」として仮置きしたものであります。
 また、経済財政諮問会議で、国庫支出金の廃止・縮減と地方への税源移譲、地方交付税のあり方を含む三位一体の改革が論議されておりますが、その具体的内容は、現在のところ未定であります。
 そのため、今後しばらくは、国における議論の推移を見守ってまいりたいと考えております。

合併に向けた行政改革について 主管課 人事課 答弁者 部長
 市町村合併後の県の組織や行政のあり方については、県と市町村との役割分担の見直し、地方機関の統廃合や所管区域の変更、本庁と地方機関の事務配分や事務移譲検討等、抜本的な見直しが必要であると考えております。
 例えば、現在の合併協議会の構成市町村がそのまま合併すると、ほとんどの市町村が地方振興局の所管と一致しますし、二つの地方振興局の所管区域をまたぐ市町村も誕生します。また、市制施行となれば、市が福祉事務所を設置することになります。
 さらに、国の地方制度調査会では、小規模市町村の仕事と責任を縮小し、他の団体に担わせる案や都道府県合併・道州制等将来の都道府県のあり方についても活発に議論されています。
 いずれにいたしましても、今後の県の組織や行政のあり方については、こうした国の動向や市町村合併の進展を注視し、本年四月に策定した「行政改革大綱」に掲げる行政の簡素・効率化と住民生活の利便性の向上を十分勘案して、変化に柔軟に対応できるよう検討して参ります。

PFIにおける地元企業の参入について 主管課 企画調整課 答弁者 部長
 民間の資金、経営能力、技術的能力を活用して、公共施設の整備等を行うPFIは、住民に対して、良質なサービスを効率的に提供する極めて有効な手法であり、本県では、県として九州では初めて昨年度この方式により女性・消費生活会館(仮称)の建設に着手したところであります。
 PFIを進めるに当たっては、豊富な資金力と経営ノウハウを持ち長期間安定した経営を行う事業実施主体が必要であります。
 県としては、PFIが地域経済の体力強化に結びつくものであることから、できる限り地元企業が参入できるように、PFIの仕組みやファイナンス手法さらにはVFM評価の手法等を内容とする研修会の開催等を通じ、PFIに対応できる能力を持った企業やVFM評価に取り組むコンサルタントの育成を図ってまいりたいと考えております。

VFM評価について 主管課 企画調整課 答弁者 部長
 新しい手法であるPFIが適正に機能するためには、従来の公共事業方式での整備との間で、税制や補助金制度の面での対等な条件即ちイコールフッティングの確保が極めて重要であります。
 いわゆるPFI法では、この実現のため、「必要な法制上及び税制上の措置を講ずる」とされており、現在国において各種制度の整備が進められていると伺っております。
 県といたしましては、こうした国の動向を注意深く見守るとともに、個別事例に即して国等と十分協議を行うなど、PFIによる公共施設等の整備が円滑に行われるよう努めてまいりたいと考えております。

本県の県立社会福祉施設の経営状況等について 主管課 福祉保険課 答弁者 部長
 大分県社会福祉事業団に管理運営を委託している県立九施設の運営費につきましては、平成十三年度決算では、歳出総額は約二十一億八千百万円となっており、その財源といたしましては、入所者に係わる措置費等二十億二千八百万円のほか、県の単独措置として法人本部運営費八千八百万円、財源不足分六千五百万円となっております。
 このうち、法人本部運営費は措置費では充当できないものであり、また、財源不足分については、これまで充当してきた過去の経営努力による積立金がなくなったことに伴い平成十三年度分から措置したものであります。

県立施設の民営化検討の進捗状況について 主管課 福祉保健課 答弁者 部長
 「県立社会福祉施設あり方懇話会」から昨年三月にいただいた意見書の内容についてでありますが、民間社会福祉施設の整備充実等により県立施設として存続する意義は薄れており、民間移譲の方向で検討すべきである。また、その際、これまで県と一体となって県民福祉の向上に寄与し、施設の管理運営に精通している事業団を、民間の社会福祉法人に改組して受け皿とすることが望ましい等の趣旨の意見をいただいたところです。
 この他、県議会行財政改革特別委員会や包括外部監査の意見などもいただいており、こうした意見を踏まえて、社会福祉法人としての事業団の自主的・自立的経営が可能となるよう、老朽化した施設整備や将来にわたる収支の見通し等の課題について多方面から検討を進めております。
 しかしながら、検討に当たって最も基本になる収入見込の把握が、支援費制度の移行のため現段階では困難となっておりますので、今後の支援費の動向も見極めながら作業を進めております。
 事業団におきましても「将来構想検討委員会」を設置して経営の改革を検討しておりますので、今後、より具体的に協議を進めるとともに、現在六百名を超える入所者や事業団職員の処遇についても十分考慮しながら、できるだけ早く具体的な方針を決定してまいりたいと考えています。

下水道の施設整備と河川の汚濁防止について 主管課 環境管理課 答弁者 部長
 生活排水対策をはじめとする水質汚濁防止は、重要課題の一つとして位置づけ取り組んでおります。
 現在、新世紀創造計画は、平成二十二年度の目標値六十七%を設定しているところでありますが、基本的には、河川の汚濁防止を図るためには生活排水処理施設整備率をできるだけ引き上げることが必要であると考えております。
 このため県としましては、生活排水処理施設などのハード面の整備を推進するとともに、ソフト面で、工場・事業場排水等に対する化学的酸素要求量及び窒素・りんに係わる総量規制や排水基準の強化、さらに大分川や大野川流域での水環境保全のための啓発事業などを行っているところであります。
 今後とも、県民の健康保護と生活環境の保全を図るため、河川の総合的な水質汚濁防止に、全力で努めてまいりたいと考えております。

公共下水道と合併処理施設について 主管課 環境管理課 答弁者 部長
 生活排水処理施設につきましては、平成九年度に策定した全県域汚水適正処理構想を基に、公共下水道、農業・漁業集落排水及び合併処理浄化槽などにより、整備の促進を図ってまいりました。しかしながら、その後の市町村の財政状況の変化などにより、この構想と実態が合っていないケースも生じております。
 このため、市町村の意向を踏まえ、構想の適切な見直しを行うこととしており、地域の実情に応じて合併処理浄化槽の普及を早めるなど、それぞれの事業の特性を生かした整備を進めてまいりたいと考えております。
 なお、設備工事費、費用対効果及び完成後の維持管理費の比較については、合併処理浄化槽は、初期投資が少なく、投資効果が早く現れること、一方、公共下水道は、処理施設の維持管理を集中して行えることなどそれぞれメリット・デメリットがあり、また、耐用年数等も異なっておりますので、比較することは困難と思われます。
 県としましては、市町村がこれらを勘案して、最も効果的な事業を進められるよう支援してまいりたいと考えております。

公共下水道事業に対する考え方について 主管課 公園下水道課 答弁者 土木建築部長
 汚水処理施設につきましては、人家がまばらで個別の家庭汚水のみを対象とする地域では、初期投資や効果の早期発現の点から合併処理浄化槽が有利であります。
 一方、浄化槽の設置スペースの確保に限界がある人家密集地域や、事業所排水等の多種多様な排水が発生する地域では、安定した水質の確保や効率的な整備の点から公共下水道が適切と考えております。
 県といたしましては、今後とも、地域の特性や市町村の財政状況等も勘案して、汚水処理施設整備事業の調整を図るとともに、市町村に対しては、公共下水道における施設の共同化等によるコスト縮減を図るよう指導し、財政的、技術的支援を行ってまいりたいと考えております。
 なお、議員ご指摘の下水道事業会計への一般会計繰出金につきましては、起債償還金、管理費それぞれに交付税措置がなされております。

介護保険事業計画見直しのポイントについて 主管課 高齢者福祉課 答弁者 部長
 今回の見直しは介護保険制度施行後初めてのものでありますので、これまでの実施状況を踏まえた上で次期期間中における必要なサービス料等を適切に見込むことが重要となります。
 現在、市町村では見直し事業に取り組んでいますが、県といたしましては、実績の評価文責を十分に行い、サービス利用意向等の高齢者の実態を把握した上で、在宅重視という制度の基本理念に立ち返って次期目標の設定を行うよう指導しているところであります。
 また、介護保険制度は住民全体で支える制度でありますことから、計画策定に当たっては、住民に対する情報提供や住民の声を十分反映させることを要請しております。

在宅・施設サービスの利用比率と施設整備について 主管課 高齢者福祉課 答弁者 部長
 平成十四年度三月分の実績によると在宅・施設サービスの割合は、当初計画の見込みとほぼ一致している状況であります。
 国の割合と比較すると、施設利用者割合が若干低い状況にありますが、当初計画では、介護保険施設の整備目標を、国が示した標準よりも高く設定したところであり、施設整備も概ね順調に進んでおります。
 また、入所申込者は増加傾向にありますが、重複や早めの申込みもかなりあると考えられます。見直しにおいては、このような利用実績等を基に、在宅重視の理念や施設利用に係わる国の標準割合を踏まえた上で施設の整備目標を設定したいと考えております。

特別養護老人ホームの個室化について 主管課 高齢者福祉課 答弁者 部長
 国では、これまでの集団処遇型のケアから個人の自立を尊重したケアへの転換を図るため、居住環境を重視した、全室個室で十人前後を生活単位とするユニットケア型の特別養護老人ホームの整備を推進することとしております。
 この新型の施設では、利用者が個室に係わる建築費用や光熱水費のいわゆるホテルコストを負担することとされておりますが、低所得者の費用負担が軽減されるよう介護報酬上の措置が国において検討されているところであります。
 なお、県内では、ユニットケアを取り入れた施設も整備されてきていますが、来年四月から、ホテルコストを求める予定の施設はありません。

施設入所基準の見直しについて 主管課 高齢者福祉課 答弁者 部長
 本年八月に、特別養護老人ホームについては、「介護の必要の程度」及び「家族等の状況」を勘案して必要性の高い申込者を優先的に入所させるよう、省令改正が行われたところであります。
 これを受けて、県では、優先入所の透明かつ公正な運用を図るため、指針の策定を予定しており、大分県老人福祉施設協議会との協議を開始したところであります。
 なお、この指針は公表することとしており、各施設にあっては、指針に沿って具体的な基準を策定し、申込者に優先入所について説明し理解を得ていただくとともに、入所決定は、施設関係者だけでなく第三者を含めた委員会等で行う方向で検討しております。

施設の整備費用と保険料について 主管課 高齢者福祉課 答弁者 部長
 介護保険では、介護及び予防給付に要する費用のうち利用者負担を除いて、五十パーセントを保険料でまかなっています。
 従いまして、施設の利用が増加すれば、保険料の増加要因となりますが、施設の整備費用については給付に要する費用には含まれていませんので保険料に影響することはありません。

介護サービスの未利用者について 主管課 高齢者福祉課 答弁者 部長
 県内の平成十四年度三月サービス分では、要介護者等に占めるサービスを利用していない人の割合は二十二・四パーセントとなっています。
 厚生労働省が行った全国アンケート調査の結果を見ますと、「今のところ家族や自分でやっていける」、「他人と係わりたくない」といったことが主な理由としてあげられています。
 サービス利用者数は年々増えてきておりますが、今後とも、保険者である市町村と連携をとって、制度の周知や相談援助体制の整備に努め、利用の促進を図ってまいりたいと考えております。

ケアマネージャーの資質の向上等について 主管課 高齢者福祉課 答弁者 部長
 ケアマネージャーは介護保険制度運営の要であり、県としても、これまで現任者の研修やケアプラン指導研修チームの設置など、資質の向上に努めてまいりました。
 加えて、活動しやすい環境作りなど総合的な支援を図るため、各ケアマネージャーに対して相談、援助を行う「ケアマネージメントリーダー」の養成事業を開始したところであります。
 また、ホームヘルパーの処遇改善についてでありますが、ホームヘルプサービスについては、身体介護に比べて家事援助の介護報酬が低いなどの問題点が指摘されております。
 県では、九州地方知事会を通じて、実態を踏まえた介護報酬の見直しを行うよう国に要望しているところでありますが、現在、国においても介護報酬上の類型の見直しや新たな単価設定が検討されていつところであります。


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