平成14年9月議会 一般質問
 県政クラブの梶原九州男です。通告に従いまして質問をいたします。

 質問に入ります前に、知事におかれましては今任期を最後にご勇退されるとの発表、余りにも突然の事に驚嘆いたしました。長い間のご公務大変ご苦労さまでした。また大所高所からのご指導ありがとうございました。心よりお礼を申し上げます。
 しかし、まだ任期は半年以上あるわけでありますから、引き続いてのご活躍をご祈念申し上げますとともに、ご指導くださいますようお願いいたします。
 それでは質問に入ります。

 まず21世紀の時代認識について伺います。
 先般、兵庫県にある生活協同組合「コープこうべ」に視察に伺い、そこで野尻理事長さんの話を聞く機会がありました。ちなみに野尻理事長さんは大分県の出身です。理事長は、21世紀の社会体制として「三元秩序」と言われました。少し紹介をさせていただきます。『20世紀は、企業か行政か、自由な市場競争か計画的な中央管理かと争われた時代であり、前者は通常「資本主義」と呼ばれ、後者が「社会主義」と呼ばれました。「あれか、これか」というのが20世紀の時代状況だったと思います。しかし、「社会主義」を維持しようとした共産体制は、80年代から劇的につぶれてしまいました。そして今、自由市場のオンパレードです。何もかも自由化という方向に進んでいるようです。しかし自由市場がどんなにうまくいっても、解決できないことがいくらでもあります。例えば、分配の問題、あるいは環境の問題などです。だから、公共的な管理や統制も欠かせないわけです。これからは自由市場と公共的統制をどう組み合わせていくかというのが、21世紀の最大の課題だと思います。また21世紀にはもう一つの原理が加わってくると思います。私は「中間組織」と言ってきましたが、通常はNGO(NPO)と言われるものです。こういうものが大きな役割を担ってくる時代になる、だから社会の秩序は三つの原理で構成されると思います。まず、自由市場(市場セクター)が基礎になり、これを担うのは企業とか個人です。次に企業とか個人とかでできないものを、お互いに助け合ってやってやろうという中間の組織、これが社会的セクター(ボランタリーセクター)です。それでもどうしてもできない場合に、行政が入っていき、中央管理(公共セクター)が形成されてくるのです。』とおっしゃられました。更にこうも付け加えました。「行政の仕事は補償から補完へ、その役割を見直すべきと考えます。民間でできることはやるべきではありません。」とも言っています。私は、まさにその通りであると思っています。
 このように、今後社会構造の変化に伴い、行政を取り巻く環境にも大きな変革が求められてくると考えますが、知事は、行政の置かれている立場、今後の行政の役割についてどのようなお考えをお持ちになっておられるのか、ご所見を伺います。
 次に、知事はいろいろな形で、全国の知事会や団体のリーダーとして活躍されてまいりました。その経験も踏まえ、最近の他県の動き、とりわけ公共事業に対する知事のご所見を伺います。
 長野県知事選は、脱ダム宣言にはじまり政治手法が問われました。他にも三重県の北川知事をはじめ5県の知事が集まって、現行の補助金制度や公共事業における国の基準の改革を求めるシンポジュウムを開きました。その中で高知県の橋本知事は「地方の考えているニーズと現行の補助金制度には隔たりがある」と述べています。北海道の堀知事は、道路建設(道道)の一部を突然見直すと宣言しました。岩手県の増田知事は県庁内に「ローカルスタンダード研究会」を発足させ、公共事業を行なう際に、国が決める全国一律の基準ではなく、自治体が独自で決めた基準を適用するとし、鳥取県の片山知事は県職員の賃金を5%カットし、それを原資に小学校低学年(1・2年生)の30人学級を誕生させ、82人の教師を新たに採用しました。また、公共事業については財政課長を現場まで足を運ばせ、本当に必要な事業かどうかの判断をさせました。
 現在、一定の規模以上の公共事業の施行については、事前審査制を取り入れ、経済振興等に及ぼす影響、効果等について、県民に明らかにするといった手法が全国の自治体で取り入れられようとしております。このように、最近は地方の判断が公共事業の見直しに向かっているように思います。これまで公共事業は、国内のインフラ整備、地域経済の推進役として大きな役割を果たしてきましたが、その成果が問われはじめました。私は公共事業そのものが悪いのではなく、その中に無駄はないのか不必要な工事はないのか、常に見直していくことが大切と思っています。これらの最近の動きに対する見方について、知事の大所高所からの御示唆をいただければ幸いです。

 次に、行財政改革の進捗状況について伺います。
 財政需要は県民ニーズの多様化、また地方債の元利償還金の増加、少子高齢化に向けた福祉施策の充実などに伴い、今後も増大していくものと思われます。しかしこれらすべてに対応できるものではないと考えます。そこで行政施策の範囲をどこまでにするのかという議論、つまり大きな政府か、小さな政府かとの議論がありますが、最近では小さな政府、つまり民間でできることは民間でやってもらう、そんな方向になっているように感じるのは私だけでしょうか。  
 それはバブル経済崩壊後の経済財政政策の失敗による、極度の財政危機に原因があるといっても過言ではありません。そのことは地方においても同じであります。平成14年度末、全国で195兆円の借入金を抱えることが見込まれています。しかも平成3年から2.8倍125兆円の増となっています。これは国の景気対策に対する地方負担の増大であり、景気低迷による税収不足などであります。大分県においても借入金総額が1兆円になろうとしていますし、各財政指標を見ても大変厳しいものがあります。そんな中、県は3月に「中期的な財政見通し」を発表し、更に6月には「大分県行財政改革大綱」を改正し、推進計画により総合的、計画的に行財政改革に取り組むこととしています。
 一方国は、「経済財政運営と構造改革に対する基本方針2002」を発表しました。その概要によると、基本方針では、1.税制改革や地方行財政改革、社会保障制度改革などを着実に推進し「経済社会の活力」を高める。「すべての人が負担し合う公正な社会」を構築。2.「負担に値する質の高い小さな政府」を実現するため、歳出改革を加速。3.「デフレの克服」を目指し、政府・日本銀行が一体となって強力かつ総合的な取組みを行なうとともに、構造改革特区の創設等の「経済活性化戦略」を推進し、「民間需要主導の本格的な回復軌道」に乗せるとあり、また、第4部歳出の主要分野における構造改革の中の「国と地方」の項では、「地方行財政改革を強力かつ一体的に推進」として、1.国の関与を縮小し、地方の権限と責任を拡大。国庫補助負担事業の廃止・縮減について年内を目途に結論。2.国庫補助負担金、交付税、税源移譲を含む税源配分のあり方を三位一体で検討。改革案を今後1年以内を目途にとりまとめ、地方における約14兆円の財源不足を早期に解消し、その後は地方財政の自立。3.市町村合併の促進、団体規模等に応じた事務や責任の配分。とされており、国の動きも急であります。
 そこで県民ニーズにどのように応えていくのかということが一つの問題となります。これらを踏まえ質問いたします。
 先ず「中期財政見通し」についてであります。大変財政状況が厳しく、税収も増加の見通しが立たない中、将来見通しは難しいとは思いますが、発表された努力は良とします。質問ですが、地方交付税や国庫支出金の見直しなどが見込まれる中、「中期財政見通し」は概ねこのとおりと考えても良いのでしょうか。
 二つ目は、市町村合併に対する行政改革の取り組みについてであります。地方機関の在り方等合併に伴い様々な見直しが必要ではないかと考えますが、合併に向けた行政改革について、どのように考えているのでしょうか。
 三つ目は、PFI、つまり公共施設などの設計、建設、維持管理、運営に民間の資金とノウハウを活用し、公共サービスの提供を行なっていこうという考え、についてであります。今後の事業運営について、PFIの活用を積極的に検討するとあります。基本的にはPFIの導入に賛成です。しかしクリアしなければならない課題も多いと考えます。まず地元企業の参入機会の確保であります。SPC(維持管理会社)を設立し、長期間安定した経営を行うための資金力と経営ノウハウの育成についてどのように考えているのか、また、地元コンサルタントの育成について、つまりVFM評価(PFI導入の有効性を確保するために、従来手法で実施した場合とのコスト比較を行なう)が必要ですが、VFM評価を行うにあたり、地元にそのノウハウがあるのか、なければ地元コンサルタントの育成が必要だと考えますが、併せて所見をお伺いします。
 PFIにおいては、従来手法に比べ財政負担は軽減されますが、PFIが採用されるにはVFMが出る、つまりPFIの方が従来手法より安くなることが必要ですが、現行では税負担の問題や、補助事業における制限など、従来手法と互していくための制度が確立されてない面もあります。このイコールフッティングについての所見をお伺いします。

 次に、県立社会福祉施設について伺います。
 先ほども述べましたが、県は先に行財政改革大綱を見直し、推進計画により計画的に行政改革に取り組むことといたしております。民間においても厳しい経済情勢を背景に、リストラや経営見直しなど経営改善に生き残りをかけ懸命に取り組んでおります。
 高度成長期における社会福祉行政は、措置制度という行政が福祉サービスの決定から提供まで広範囲にわたってコントロールし、行政とその委託を受けた社会福祉法人が中心になって事業を実施してきました。しかしながら、今日、措置制度から契約制度への移行が進む中にあって、社会福祉法人の役割についても根本的に問い直されており、こうした中で、県立の社会福祉施設のあり方が問われております。本県では知的障害者、身体障害者等の支援施設として、糸口学園、のぞみ園、大分県渓泉寮など9つの施設が設置さ、大分県社会福祉事業団に運営を委託しております。
 平成15年4月より障害者の福祉サービスについて、これまでの措置制度が支援費制度に転換されます。このような中、地域の中で大きな役割を果たしてきた社会福祉法人は、利用者のニーズに十分応えるよう組織や経営の見直しが必要となってきています。
 そこで、まず県立社会福祉施設の経営状況、県費の持ち出し額などについて伺います。
 平成13年3月議会の予算委員会の質問で、当局は「県立社会福祉施設のあり方懇話会」を設置して検討を重ねている旨答弁がありました。その後、懇話会の意見書が出されたと伺っておりますが、内容はどのようになっているのか、また、現段階における県立社会福祉施設の民営化検討の進捗状況はどのようになっているのか、お伺いします。

 次に、河川の浄化対策と公共下水道等について伺います。
 最近の河川や湖沼・港湾などの汚染は、色々な要素が絡み会い、その度合いは進む一方であります。飲料水のみならず一般の生活用水にも汚染が進み、今や社会問題と言っても過言ではないと思います。
 県も河川の浄化対策を色々な角度から行なっています。県の公共用水域及び地下水の水質測定結果報告書で平成12年度の公共用水域の調査結果をみると、健康項目の環境基準達成率は96.7%、生活環境項目で河川(BOD)94.4%、海域(COD)71.4%となっていて、基準達成率は良い方だと言えます。しかし、報告書の中では「現在水環境を取り巻く状況は、生活廃水等による水質汚濁に加え、環境ホルモンなどの有害物質による問題も生じており、今後ますます水質保全へ向けた対策を推進していく必要があると思います。」と述べています。
 まさに今、生活用水は勿論のこと、すべての水が汚染の危機にさらされています。
 そこで水質保全対策として、ソフト面では水質汚濁防止法をはじめ法律や条例で規制し、水生生物の調査などにより保全を図っているところであり、ハード面では森林や農地の整備保全、河川の整備に加え、公共下水道、農漁村集落排水、合併処理浄化槽などによりその対策を致しておりますが、その施設整備の整備目標は、2010年で人口比率67%と致しております。それでも安全安心な水を確保するためには、生活排水の水質汚濁防止対策が急がれます。このようなことから、今回は生活排水の水質汚濁防止対策について質問いたします。
 まず伺いますが、下水道等の施設整備目標(新世紀創造計画2010年67%)程度で、河川の汚染は防止できるのでしょうか。
 次に、公共下水道の整備区域の見直しを行い、合併処理浄化槽の普及を早めてはどうか、更に、公共下水道と合併処理浄化槽の、設備工事費についての比較、費用対効果ははどうなっているのか、また、完成後の維持管理費の比較ははどうなっているのか、それぞれ伺います。
 先般ある雑誌に「下水道が自治体を滅ぼす」とありました。その内容は、『まず工事費については、公共下水道が一人当たり140万円(全国平均)かかるのに比べ、合併処理浄化槽は一人当たり30万円くらいで、機能はどちらも大差がない。また下水道は「設備が完成してからが本当の始まり」と良く言われ、施設完成後は自治体の財政負担が重くなると言われている。下水道は本来独立採算制だが、住民の下水道使用料では管理費の4割しか賄えない。毎年自治体の一般会計から繰り入れることになる。』とありました。私も市議会議員の経験がありますから、その意味がよくわかります。勿論、公共下水道は市町村の事業でありますが、県の指導いかんでは方向転換できるのではないかと考えます。公共下水道事業に関する県の考えをお聞かせください。

 次に高齢者福祉と介護保険事業の見直しについて伺います。
 人生80年時代を迎える中、少子化現象に歯止めがかからず、高齢者福祉が大きな問題になっております。高齢者福祉の問題を語るとき、介護の必要な高齢者と元気な高齢者とに分けなければならないと思いますが、今回は介護の必要な高齢者について質問いたします。
 介護保険の導入から、2年半が経とうとしております。その間の問題点も把握され、来年度の見直しに向けてそれぞれ努力されていると思います。私も介護保険を実施している現場を、何箇所か訪問する中で幾つかの問題点も聞いてまいりました。そこで今回は計画見直しの状況と合わせて質問をいたします。
 まず、今回の見直しはどこに重点を置いておこなっているのでしょうか。各施設や介護保険者、被保険者また介護サービスを受けている人、すべての人の立場に立って問題点を洗い直してして改善していく必要があると思いますが、考えをお伺いします。
 次に、在宅サービスと施設サービスの利用者比率はについて伺います。県の当初計画では在宅74%、施設26%となっていますが、現状は如何ですか。全国の状況を見ますと在宅サービス71%、施設サービス29%となっており、施設入所待機者が依然として多い中、県においても更なる施設整備が必要ではないかと考えますが、これらを含め当局の考えをお伺いします。
 また、特別養護老人ホームを個室化し、その使用料を徴収するとの動きを聞きましたが、具体的にどのように考えているのか、その際低所得者への配慮はどのようになるのか伺います。
 次に、施設入所基準の見直しについてであります。現在は受け付け順に入所していますが、今回の見直しでは、入所希望者に一定の基準のもと優先順位をつけて入所させるとのことですが、どのような基準のもとに誰が判定するのか、その際利用者の理解はどのように得るのかお伺いします。
 さらに、施設の整備促進と関連しますが、施設整備に費用をかけすぎではないでしょうか。そのことが保険料を高くしていないでしょうか。
 介護認定を受けても、介護保険を使っていない人が2〜3割位おられるとのことですが、大分県の現状はどのようになっていますか、また利用しない理由はなにか、お伺いします。 最後に、ケアマネージャーの質の向上と、ホームヘルパーの処遇の改善の検討は行っているのでしょうか、お伺いします。

 以上で質問を終わります、ご清聴ありがとうございました。

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