40番 県政クラブの梶原九州男です。
質問に入る前に、若干時間をいただき最近の社会の動きに対し、私共の考えを述べたいと存じます。
はじめは、危機管理についてであります。アメリカにおける同時多発テロに対しましては、非人道的で民主主義を真っ向から否定する、きわめて悪質で許すことの出来ない暴挙であり、テロの1日も早い根絶を心から願うものであります。また県民の食卓を震撼とさせている「BSE」の発生についてであります。農水省の指導監督または一連の対応のあり方には怒りさえ感じます。これらについては、事件を他人事と考えずに日頃からの危機管理が大切であります。悪をはびこらせない、異常に気がついたらすぐに警察や、地域の人と協力して早い時期に芽を摘み取る、決められたことはしっかり守る。日常生活の中で地域住民相互の協力体制そして、行政の指導が益々重要と考えます。
次に、県道路拡幅に伴う議員の斡旋収賄事件についてであります。あってはならないことが起きたことに、ショックを覚えると同時に大変遺憾に思います。
議員本来の職務である行政施策の監視・チエックと言う機能を果たすべきであります。我々県政クラブは公正公平な立場にたち、県民の代表としての自覚を持つと同時に、常に緊張感を持って事にあたると言うことを、改めて誓うものであります。また執行部については、今回の事件を徹底解明し、県民にわかりやすく報告すること、また再発防止を徹底させることで、1日も早く県民の信頼を取り戻すことを、厳重に申し入れておきます。
前置きが長くなりましたが、通告に従って質問に入ります。
まずはじめは、農業・農村問題と雇用対策についてであります。
1993年秋米の自由化が始まりました。同年は近年まれに見る大凶作で、あたかも自由化の「好機」のように捉えられました。一部の反対意見はありましたがマスコミを始め、おおくの人が認めたかのように決まってしまいました。その経過については、今回は省略するとして、現実は工業製品の輸出増大と引き換えに、農林漁業軽視があったのではないかと言われています。
農業と工業の調和的発展を無視して農業を犠牲にしたとき、その国の運命はいかなる道を辿ったのか、多くの歴史的教訓があります。それゆえに、ECの先進国は食糧の自給率向上を重視してきたと考えます。先進国中ひとりわが国が純輸入国となり、食用農産物の供給熱量自給率は、1965年は73%だったものが1998年には40%となり、穀物(食用と飼料用)の自給率は同じ期間に62%から27%に低下し、さらに低下の傾向にあります。
「日本農業への提言」と言う著書を引用させていただきますが、同本は新渡戸稲造の「農業本論」を引用しながら、「農は万年、亀のごとし」といい、「農と工とは双生児なるべし。けだし、ともに長育し、また、ともに衰死す」すなわち農業と工業というのはいわば双子であって、一緒に成長し、衰え死ぬときも一緒である。一方だけが成長を続け、片方は衰死してしまうことはありえないと言うのです。
今日の日本の状況を考えてみるとき、この「新渡戸」のいうところがはなはだ示唆的に思われてなりません。バブル崩壊後の日本が経験している工業の凋落、経済や金融の不安などの理由は、いろいろと難しい理屈で説明もされますが、一つには農林業を軽視し衰退させてきた、特に戦後50年の「つけ」が今になって回ってきた結果ではないかと思っても見ます。とつづけています。
もっとも、新渡戸稲造の時代から100年以上経っていますから、国の産業構造や国際環境、経済など大きく変わっているのも事実です。しかし今の時代に置き換えても十分わかるような気がします。
以上の事から、21世紀の行政施策を一次産業へシフトしていくことが求められていると考えます。しかもそれは一次産業従事者のみの問題ではなく、社会全体として対応していかなければと考えます。中でも農林業の衰退の大きさを思うとき、行政施策の大切さ重要さについて考えざるを得ません。
農林業の生産性の向上対策も大変重要ですが、今回は農林業の持つ多面的機能や環境保全など、衰退する農業・農村を担い手を含め、これからどうしようとしているのかと、言った視点で質問を致したいと存じます。これまでも多くの議員が質問をし、当局からの答弁もあり考えの披瀝もありました。私もこれまで、農業の持つ多面的な機能の保全管理や、農業教育などの質問を致してまいりました。また、県は「豊の国農業・農村ビジョン21」を作成してその実効を上げるべく努力をいたしております。重ねての質問になるかもしれませんが、提言も含め質問いたします。
まず、食糧自給率の向上についてであります。
国は食糧自給率について、明確な向上目標を示していません(一応平成22年度目標45%)、これは生産者と消費者双方に渡る対応が必要になる。つまり消費者が安ければ輸入品でも良いといえば、それまでである。と考えているようにも思えます。
しかし、総理府が2000年10月に発表した「農産物貿易に関する世論調査」では外国産より高くても食料は生産コストを引き下げながらできるかぎり国内で作るほうが良い:43.6%、あるいは外国産より高くても少なくとも米などの主食となる食料はコストを引き下げながら国内で作るほうが良い:40.6%と食料自給を志向する回答が合わせて8割余におよんでいます。
「地産地消」や「身土不二」つまり「体と土は一つである」とし、「身近なところで育ったものを食べ、生活するのが健康に良い」とする考えがあります。
何よりも「食料の安全保障」という観点からも、食料自給率の向上をもっとPR徹底し、県産の農産品を消費する運動を盛り上げる必要があります。県内の自給率の推移とこれまでの取組み、合わせて今後の自給率向上に対する考えをお聞かせください。合わせて県内の食料自給率の達成目標はどうなっているのかお答えください。
次に学校給食への地元農産物の活用であります。
最近の学校給食の考え方に、単に食の面からだけ捉えるのではなく、地元の農産物を食べることにより、食料や農業・農村に対する理解を深める。つまり食料がどのように地域の自然環境(山、里、海)と関わって生産されているのか、食の具体的なイメージをその地域で生産される、動物や植物を食べることにより、実感し関心を高めていくことが求められていると思います。最近大分県学校栄養士研究会が調査した、アンケートによりますと、学校給食へ「郷土色や伝統食を取り入れてほしい」と答えた保護者は15項目の質問中、小学校で4番目、中学校で3番目に多くなっています。
従来「食に関する知識は自然と身に付いていくもの」との考えがあったようですが、食料生産や調理の体験が少なく、いつもあふれる食品に囲まれて「ボタンを押せば物がでてくる」ような感覚の中で育っている最近の子供には、食に関する知識が自然とは身につき難いのではないでしょうか。
また食品の旬に関する考えであります。消費者の動向にもよると思いますが、最近野菜に季節感がなくなってきたような気がします。露地栽培から、ハウス栽培へ、規模拡大や、競争に勝ち抜く為に周年栽培が増えており、季節感の無くなった野菜が食卓を賑わしております。本来季節(旬)の野菜を食することにより健康を保つものだと言われています。少なくとも学校給食には季節(旬)の野菜を使用することが大切ではないでしょうか。そうする事により、食との親しみも増してくると考えます。
大人である私達が次の世代へ伝えていく大切な課題のひとつは、生きる上で必要な食べることへの関心、ならびに食と農のつながりの知識と実感でありましょう。これらの知識を絶えず伝えていく取組みが、大分県農業の自給率を上げ、大分県の環境を保全することに繋がっていくのではないでしょうか。学校給食への地元農産物の活用について、当局の考えをお聞かせください。
次は、耕地の保全確保についてであります。
農村の過疎化・高齢化や生産調整などで、不耕作地や耕作放棄地が多く見られるようになりました。県内の耕地面積は平成2年に72300haだったものが、平成12年では63900haに減少致しております。その減少傾向に歯止めがかかっていません。御案内のようにいったん耕作を放棄し、農地を荒らすと耕作可能地にするには大変な作業になります。このようなことから、最低でも現状の耕地を守る、県全体として保全していく必要があると考えます。方法としては、作物を作らなくても耕すだけでも、次の生産活動に備えられるし、保水の役割を果たしてくれると思います。この耕すだけの農地についても、なんらかの補助を出す。また過疎地や耕作する事が厳しい土地は県が買い上げて、次世代の食料確保用地や環境保全のために活用することも考えられます、当局の考えをお聞かせください。
次に、これらの農地を守り、農業の後継者不足を補う意味から、労働力の確保についてであります。
県は就農支援事業をはじめ後継者育成に力を入れており、一定の成果を上げています、そのことは評価致したいと思います。
先般、農林統計協会発行の雑誌に、大分県の農業新規参入者対策「新規就農はブームからトレンドへ」として県の営農指導課長の意見発表が掲載されておりました。しかし農業従事者は年々減少し、しかも高齢化しており、大分県の基幹的農業従事者に占める65歳以上の割合は54.9%で、九州各県と比較してもその占める割合が高くなっております、まさに農業・農村存続の危機であります。それらの取組みつまり、新規就農者の状況、労働力の確保の現状と今後の見通しについて、どうなっているのかお伺いいたします。
ここで提言ですが、農業への労働力確保の方法として、草刈や、耕作に対して労力だけを提供するシステムを作ってはと考えます。とりあえずは、緊急雇用対策基金を活用して現在の失業者を雇用し、耕作放棄地や不耕作地を耕し、県土保全に役立てる。川や小川の清掃(草刈など)をすることにより過疎地の集落を守る。その中から、農業に従事希望がでれば斡旋し就農してもらう。
今完全失業率は5.4%といわれております、まだこれから構造改革が進めば、失業者が増えることが考えられます。これらの皆さんを職業訓練しながら、農業農村を守る担い手として、受け入れたらと考えます。
受け皿ですが、地区の農協や農業団体を窓口にしたら如何ですか。勿論新しく人材派遣事業を起こしても言い訳です。ここが大事なところであり、だんだんと社会全体として農業に関心を持ち、大切さを理解してもらう。
島根県出雲市では、農業版ヘルパー派遣事業「アグリサポートセンター」を開所して、労働力が不足する農家に人材を派遣している事例もあります。
また、先日の日経新聞に離職者対策と農業後継者対策の一石二鳥を狙って新規就農促進に力を入れる、自治体が増えているとありました。財源は緊急地域雇用特別交付金を使っています。
農村における少子高齢化は、そのスピードが速くここ5年位で集落が、耕作者がいなくなる危険さえあります。事は急ぎます、是非労働力の農村への異動を考えていただきたいと思います。知事の考えをお聞かせください。
農業問題の最後に「日本農業新聞」の論説を紹介します。
「完全失業率が9月で過去最高の5.3%を記録した。長引く不況の影響で労働人口は前年比13万人減った、反面非労働力人口は68万人の増加である(労働経済白書)不況などの雇用条件悪化で、労働力市場から退出する傾向もあると言う。そんな中「働きづめ」とか「3K」の代名詞だった農業が変化を見せている。農林業センサスによれば依然として農家個数も、農家人口も減っているが、新規就農者をはじめ農業への参入者も少なくない。さらに定年帰農のような農業内部の還流現象も顕著になってきた事も注目される。企業のリストラなども影響しているが、農業が見直されていることもあろう。
こうした農村の変化を敏感に察知しているのは、外側から見ている都市住民かも知れない。相互の交流は、かたや閉鎖性からの脱却を求める農村と、自然環境を求める都市側の接近から始まった。いまや単なる交流から、定住、働き場へと階段を上る。九州大学大学院の小川全夫教授はそれを「都市と農村の協働関係」と表している。日本人は、生まれつき良質な労働力を最高度に発揮して、高い生産と豊な文化を築き上げてきた。その長所は少しも変わっていないはずだ。働いて生み出す果実はどれもみな尊いのである。」とありました。
私は、農家のしかも田舎の出身でありますが、現在の農業・農村についてはまったくと言って良いほどわかりません、しかし農村が現在のまま衰退していくのを、傍観しているわけには行きません。今こそ都市も農村も協働して地球の再生に、経済の活性化に努力するときではないでしょうか。当局の真摯な答弁を御願いします。
二つ目は総合交通対策についてであります。
県は「おおいた新世紀創造計画」において、県内60分、県域内30分構想を立て、その実現へ努力しています。今年度以降の実施計画を見ると、平成15年度見込みで、県内60分は100%達成、県域内30分は89%となっています。その努力には敬意を表します。特に県域内30分構想は現在の市町村合併ともかかわりのあることであります、更なる努力を要望いたしておきます。
今回は主に大分圏域での交通渋滞対策についてお尋ねいたします。「おおいた新世紀創造計画」実施計画によりますと、渋滞箇所の改善としまして、今年度は国道10号旦の原交差点改良が上げられております。また、県内22箇所のうち、平成15年までには合せて9箇所の改善見込まれておりますが、環状道路の整備を含めこれらの現段階での進捗状況をお答えください。
次に「大分県交通渋滞対策協議会」についてでありますが、これまでの活動経過と、今年度の論議経過ならびに今後の対策協議会の取組みについてお尋ねいたします。ハード対策としては、先ほどの9箇所の改善予定箇所でわかります。ソフト対策では対策協議会の下部組織であります、大分市TDM推進部会による各種社会実験が行なわれているようですが、その結果と成果についての報告を御願いします。また今年度実施の時差出勤については、私共も大賛成でありまして高く評価を致しておりますが、渋滞対策協議会より県以外の大分市や商工団体へ申し入れるとありますが、その反応と協力体制は如何ですかお尋ねいたします。
また「大分県地域ITS検討委員会」を発足させ、副知事を先頭に活動をされていると聞きました。ITSではすでに県警で道路交通情報通信システム「VICS」を始動させていますし、先般は高速道路のノンストップ自動料金収受システム「ETC」も導入されました、これらを含め当局の「ITS」についての検討経過と、今後の取組み方向について考えをお尋ねします。
そこで一つの提案ですが、交通渋滞対策として県道路公社管理の有料道路の完全無料化、または時間帯無料化について検討したらどうかと考えます。御案内のように、新しい道路建設は多大な費用がかかります。それと比べて有料道路の時間帯無料化などは、費用対効果の面で優れていると考えますが、当局の考えをお聞かせください。
以上で質問を終わります。ご清聴有難うございました。
以上の質問に対する回答はこちら
|