2001年 3月議会一般質問
 39番県政クラブの梶原九州男です。一般質問の機会を頂きました関係者に感謝しながら、ただ今より質問を行います。
 尚11番目と言うことで一部重複するところもありますが、視点を変えて質問をいたしますので、執行部の皆さんの真摯な答弁をお願いします。皆様方には大変お疲れさまとは思いますが、しばらくの間お付き合いを頂きたいと存じます。よろしくお願いいたします。

 20世紀に生まれ育った私たちは、21世紀と言う時代を、社会も経済もそして政治も大きく飛躍し真に住みよい社会になると、夢見ていたのは私だけでしょうか、今21世紀になっての感想は如何ですか。経済は不況からの脱出が中々できずにあえいでおります、社会の状況は犯罪の低年齢化をはじめ老後の生活保障など不安な状況が続いております。一方政治の状況はおよそ国民の期待に答えていません。本来政治のリーダーシップで景気の回復や社会不安を取り除かなければならないと思いますが、政治はリード出来ていません。
 ひるがえって地方の状況はどうであろうか、21世紀の地方政治のあり方、大分県の進む方向について、知事の考えをお尋ね致します。
「日経ビジネス」の2月号に次のような記事がのっていました。
『鹿児島県中央部のある町、30代で運送会社を経営する古田宏さん(仮名)はふと疑問が浮かぶ。「高速道路に新幹線。悲願がようやく実現しそう。だけどこれで田舎の暮らしは豊かになるだろうか」古田さんは政治にも深く関与している町の有力政党の幹部でもある。
 古田さんの頭を、1995年九州自動車道が全線開通したときの光景がよぎる。鹿児島から博多、ひいては関門トンネルを通り大阪、東京といった大都市圏まで高速道1本で直結された。しかし、運賃の値下げ圧力が強まる一方、高速道路料金で収益を圧迫。深夜運送を余儀なくされ、交通事故の恐れもある。大手資本は鹿児島に乗り込み、市場を奪っていく。結局、古田さんの会社は長距離部門から撤退した。古田さんはこう考えている「公共事業は結局、富を大都市に吸い上げるだけではないか」と。
 一方、日本経済を支え、政治の安定を願ってきた有識者たちは、経験したことのない政治への焦燥感にかられている。「地域は汗をかいているのに」と中央政界に対する歯がゆさを語るのは、岡山市の福武総一郎(ベネッセコーポレーション社長)さん、産業競争力会議のメンバーでもあった、福武氏にしてみれば、経済戦略会議、IT戦略会議など経済再生を目指す一連の会議は生産者が中心で、生活者の視点が抜けていると映る。
 中央政界は戦後何をやってきたのだろうか。評論家の田原総一郎氏は日本の戦後政治を「開発政治」と名付ける。都会と地方の格差是正を旗印に、自民党を筆頭に日本の政治は公共事業で票を集めてきた。しかし、仮に生産者は豊かになったとしても、生活者としてのわれわれにはその実感が乏しい。豊かになった生活者とて一部に偏り、「貧しい人」すべてに恩恵が行き渡ったわけではない。一方で、分配する富の争奪に奔走するあまり、経済の活力が低下していく。三流の政治に引きずられ、もともと一流だった経済も低迷を余儀なくされる。政治の真空が日本経済を奈落の底に突き落としかねないのだ。』以上が、雑誌「日経ビジネス」からの引用であります。
 少子高齢化の時代、環境の世紀、心の時代、21世紀を称していろいろな表現がされています。それは、20世紀を称して「戦争の世紀」とか、大量生産、大量消費、大量廃棄によって環境が破壊された、のみならず人々の心をも荒廃させたと言われたことへの反省を込めてのものかもしれません。
 公共事業がすべて悪いわけではありませんし、20世紀をすべて否定しているわけでもありません。ここまで日本を繁栄させていただいた先輩に、敬意と感謝を致していることも、付け加えたいと思いますが、目先の活性化にとらわれた結果が、反省として述べられていると思います。経済も今は雇用なき景気回復といわれております。新しい産業としては、3業種すなわち「人材派遣」「IT関連」「福祉関連」の3業種が雇用吸収力をいかんなく発揮することが期待されていると「九州経済白書」では述べております。
もう一つ産経新聞の記事を紹介します。三重県伊勢市の52歳女性事務職員の方の投書です。原文のままです。『目覚しく発展した科学技術の恩恵を受けた20世紀は、また同時に多くの弊害を生んだ。20世紀を戦争の時代と言う人もいるくらいだ。そしてもちろん、まだまだ電子技術や医学に依存しなければならない。しかし、もうボチボチでよいのではないだろうか。何をそんなに急ぐ必要があるのだろうか。近年、とてもうれしいことは、重い障害をもっていても、自分の障害を堂々と人に示して気後れすることのない人が増えていることだ。「21世紀は心の時代」という人もいる。私もそう思う。というより、「冬の寒さを知った者」が語ることの出来る時代・見直される時代・活躍できる時代がようやく到来したのだと思う。人の一生は、宇宙の営みからすればなんとも小さく、あまりにも短い。新世紀のはじまりに、しみじみと心を考えたい。私は「心の時代」の21世紀へ大いに夢を膨らませている』と投書にありました。
いずれにしましても、今の社会や経済の状況をがこのままで良いわけはないと考えます。そこで知事の所信表明についてでありますが。21世紀の最初の議会としては、もう少し踏み込んだ所信がほしかったと、感じたのは私だけでしょうか。先ほども述べましたが、県民は21世紀という新しい世紀を期待して向かえたわけであります。これまでの延長線として捕らえるだけでなく、新しい発想があってよいのではないでしょうか。
勿論行政は継続でありますし、財政状況が厳しい中、中々新しいことは出来にくいとは思いますが、金のかからないボランティアを中心とした活性化へのとりくみ。今、若者は金や物の大小より、やりがい、働き甲斐を求めているのはご案内の通りであります。経済の発展とあいまって社会への貢献を主眼とした、若者のみならず県民、が夢を持って生活できる施策、教育や奉仕活動、地球にやさしい施策が今こそ求められていると考えます。「おおいた新世紀創造計画」を着実に実行することがその方向でありましょうが、知事の言葉で再度平松知事の考える、若者にも、お年寄りも、そして生活者全員が元気が出る、21世紀における大分県の進むべき方向をお示しいただきたいと存じます。

救急医療対策について
 救急医療活動については、直接人命に係ることや1分1秒を争う重要な、任務であることからそれぞれの機関で、懸命の努力をされてきました。中でも平成3年に救急救命士制度が導入され、一段と病院前救護体制の向上が図られたところであります。これまで約17000名の救急救命士が登録され、全国の消防機関においては救急救命士の資格をもつ職員数が約7500名といわれております。大分県においても昨年9月1日現在で80名の救急救命士が消防機関で活躍していると聞いております。平成11年の結果で本県では心肺停止傷病者のうち、1ヵ月後の生存者数は一般隊員によって処置された傷病者より、救急救命士によって処置された傷病者のほうが2.1ポイント高くなっています。日頃から県民の命を守って頂いている、救急救命士の皆さんの活躍に心から敬意と感謝を表したいと思います。そこで救急救命士を含めた救急医療体制、特に病院前救護体制についてお伺いいたします。
 わが国の病院前救護の主たる担い手は、消防機関の救急隊であるため、医療機関及び行政機関の関係部は、病院前救護に必ずしも深く関与してこなかったと言われております。救急救命士法においては、救急救命士が行なうすべての救急救命処置は医師の指示(具体的な指示を含めてであります)が必要となっていますが、事後評価を含めた、メディカルコントロールが発揮されていないといわれております。また救急救命士以外の救急隊員が行なう応急処置も医師の指導・助言をもとに実施する必要があります。実情はどうでしょうか。
 一方当県の保健医療計画の救急医療体制では、初期2次3次と医療機関の指定や役割分担は決めておりますが、そこに至るまでの処置つまり医療機関前に行なう、救急救命士または救急隊員が担う役割の重要性をもっと認識する必要があると考えます。
 救急医療については、消防機関の救急隊に加え、医療機関や行政機関も共同して取り組む事が大切と考えます。そこでいくつかの点について質問をいたします。
最初に救急救命士の資格取得後の、研修や研鑚はどのようになっていますか。そして最も大切な事後の検証はなされておりますか。医師のように実体験の少ない救急救命士については絶えず研修が必要と考えます。消防庁をはじめ、他県の多くの消防職員は、学会、研修会に参加し事例を発表していると聞きますが、大分県の職員も積極的に、参加させていますか。検証の方法および、研修の内容、頻度、場所、講師等についてお知らせください。
 次に、防災ヘリコプターの活用についてお尋ねします。
 防災ヘリコプターは大野町の県央空港に待機をし、常に災害に備えていると聞きますが活動実績と、主な事件についてお知らせ下さい。
 県民の安心を保障する手段として、大いにPRすべきと考えますが如何ですか、活用についての基準は運行基準という形でありますが、もっと災害訓練を始め多く活用して、県民の皆様に認知してもらい安心を提供することが大事と考えますが、考えをお聞かせください。
 次に、ヘリポートの位置の確認とPRも必要ではないでしょうか、現在県下に100箇所くらいの離着陸可能なヘリポートがあるとの事ですが、全部常に把握して地域の関係者及び、救急医療関係者に周知していますか。また、ヘリポートの場所について専門家の意見を聞いていますか。災害が発生して防災ヘリを呼ぶにもヘリポートについての知識が必要と考えますが如何ですか。些細なことですが、県の災害拠点病院の指定状況をみますと基幹災害医療センターに大分県立病院が指定されておりますが、屋上のヘリポートへの通路はエレベータがなく階段であるとの事であります。災害時、救急時の対応はこれでよいのでしょうか。合わせてお尋ねします。
 次に、ヘリコプターの夜間運行についてであります。現在の大分県防災ヘリコプター運航管理要綱では、午前8時30分〜午後5時までとなっていますが、夜間運行は検討していませんか。県民の要望を調査して夜間運航に踏み切る時期と考えますが如何ですか。 
 救急医療の最後ですが、2002年のワールドカップサッカー大会に向けた救急医療対策は出来ていますか、救急時のマニュアル作りが行なわれていると思いますが、マニュアルを用いて実際に役立つかどうかの、シミュレーションを行なっていますか、どのようになっていますか。
一つだけ意見を述べておきます、サッカー場に医師の待機なり、救急事態発生後に医師の派遣が必要と考えますが、救急病院からの派遣は無理であることを申し上げておきます。なぜなら、患者を受け入れる側にも医師が必要だからであります。そこで医師のボランティアをあらかじめ募ったらと考えますがあわせてお答えください。
先ほども申し上げましたが、救急医療については県、消防、医療機関の3位一体となった取り組みが必要です。まさしく縦割りの行政から、横の連携を重視した取り組みが求められております。これらの取り組み姿勢についてもお答え下さい。
全国的にいや世界的に多くの災害が発生をしている、常に緊急時の対応マニュアルとシュミレーションは必要であります。3者が連絡体制を密にしながら共同して県民の財産と生命を、そして大分県を訪れていただいた皆さんの、生命を守っていただきたいと思います。
大分県農業教育の振興について
 大分県における農業教育の現状は、高校で平成4年に9校22学級、定員865名であったものが、平成12年には8校18学級、定員720名に縮小されて来ました。また定員80名の農業大学校があります。少子化の波は農業関係にも容赦なく押寄ており、児童生徒の減少は歯止めがかかっていない状況であります。
 一方農業の現状は、日本全体で食料自給率は先進国最低であり、大分県も例外でなく九州で下位に甘んじています、農業生産額も九州で低いほうで推移しております。
 21世紀の世界的課題の一つに食料不足の問題があるのはご承知の通りであります。また環境保全の視点からも農業問題の重要性が捉えられております。にも係らず依然として農業に対する考えは、農業後継者の確保難に見られるように、長期的視野に立った施策が確立出来ないでいます。大分県では「豊の国農業・農村ビジョン21」を策定して、その取り組みを行なっていますが、農業教育に関する考を、もう少し重要視してもよいのではないでしょうか。
 21世紀を迎えた今こそ、農業を食糧生産と環境保全の両面から考えるときだと思います。そのためには農業教育を充実させることが大切と考えます。
 農業に対する考えを、食糧生産はもとより、健康への効用、また環境保全に役立っていることを、忘れられているように思われます。私たち人類の、食生活のみならず生活全般を担っていることの認識を今こそ、県民全体として再認識することが大切であると考えます。そのことを取り入れて農業教育の充実につなげたらと考えます。
農業高校の統廃合もささやかれているようですが、児童生徒が選んで進んで農業高校に進学するような学校に作り変えることが、21世紀の農政に大きく貢献できる農業教育になるのではないでしょうか。
 今後の農業教育振興策と教育方針。また指導者の充実強化策。また農業教育に関して、教育行政と、農業行政が協同して事に向かう必要があると考えますが。当局の見解をお尋ねします。

財政について
 日頃から財政運営に携わっている皆さん、厳しい財政事情の中大変ご苦労さまです。
 「地方分権と併せて財源の移譲の必要性が指摘されています。しかし単純に権限と財源に関する国と地方のキャッチボールですむ問題ではない。厳しい経済状況と財政状況。財源がきて現金がくるとは限らない。「負担と利益」という関係を住民理解してもらうことができるのか。自治体の規模と同時に厳しい検討が必要であろう。」とある雑誌では述べています。
 大分県においても、財政状況が一段と厳しくなっている中、地方分権と併せ市町村合併、景気対策や雇用対策、環境対策、福祉対策、教育問題など行政需要は目白押しであります。
 大分県の財政指数を見ますと、歳入に占める地方税の割合は、15〜16%で全国で低いほうから12〜13番目くらいであり、地方債の割合は14〜15%で全国でも高いほうに位置しています。つまり当初予算の不足分を県債で補っているということであります。もちろん新年度は、県債を前年度比145600万円減額であり、その努力は認めますが、県債(借入金)が公債費(元金返済金)を上回っていて、依然として県債残高は増加の傾向であります。その残高は13年度末見込みで9835億2740万円となり1兆円になろうとしています。これに債務負担行為約1000億円余りを加えると、後年度返済義務が生じる借入金は、すでに1兆円を超えている状況であります。以下いくつかの質問をいたします。
 まず県債残高の今後の見通しと返済計画(公債費の推移)についてお尋ねします。 
二つ目は歳入に占める地方税の割合、歳出規模と地方税収入の乖離をどう埋めていくのか。地方の課税自主権を最大限発揮するとともに、地方への税源移譲をも含め喫緊の課題として検討する必要があると思いますが、当局の考えをお聞きします。 
 三つ目は、「入るを量って、出を制する」と言うとおり、行政のスリム化、無駄を省く、行政改革の断行だと思います。行政改革には多くの痛みも伴いますが、県当局、県の職員、併せて県民のご理解の上で思い切った改革が今こそ必要と考えます。
九州の隣県では新年度の予算編成にあたり、収入不足から県の幹部をはじめ、議員や職員の報酬・給料をカットしたと聞いております。そんな事態にならないように、事前の策、取り組みが必要であります。
県幹部の発想の転換と、職員の意識改革が大分県の財政をよみがえらせる、最も早い手段だといえます。あとは決断だけです。当局の考えをお伺いいたします。
 以上で私の質問を終わります。ご清聴有難うございました。

質問要旨
1. 21世紀における大分県の施策について
 (1)平松知事の描く21世紀の大分県

2. 救急医療について
 (1)救急救命士の活動と病院前救護体制のあり方
  イ.医師と救急隊の連携はどのようにしているか
  ロ.救急救命士の研修状況、内容、頻度、場所、講師、
  ハ.出動後の検証とメデカルコントロールはどのようにされているか。
  ニ.研修への参加状況
 (2)防災ヘリコプターの活動について
  イ.防災ヘリコプターの県民への周知の状況
  ロ.ヘリポート位置について、県民及び救急医療期間への周知状    況
  ハ.県立病院のヘリポートへのエレベーターの設置
  ニ.防災ヘリの夜間運航の実施
 (3)2002年ワールドカップサッカー大会の救急医療対策について
  イ.マニアル作成とシュミレーションの実施
  ロ.医師の派遣とボランティアの活用
 (4)県、消防機関、医療機関3者の連携状況

3. 農業教育の振興について
 (1)農業教育の充実方策と今後の教育方針
 (2) 農業指導者の充実
 (3) 農業教育を教育委員会、農政部、環境担当課の協同とすることについて

4. 財政について
 (1)県債残高の今後の見通しと返済計画(公債費の推移)
 (2) 地方の課税自主権、税源移譲など自主財源の確保の方策
 (3) 21世紀初頭の行財政改革の断行についての考え方



以上の質問に対する回答はこちら

Copyright(c) Kusuo Kajiwara. All Rights Reserved.