平成12年 第1回定例県議会代表質問(原文のまま)
41番梶原九州男です。県政クラブを代表して質問を致します。

 2000年と言う節目の年を,それぞれに新しい気持ちでお迎えの事と拝察致します。
 また、日頃から知事をはじめ執行部の皆さまのご努力に感謝と敬意を表します。
 既に、昨日と本日の午前中と、自民党、社民クラブの質問があり、重複する部分もあるかと存じますが、視点を変えて質問をいたします。執行部の皆さまの、真摯なまた的確な答弁をお願いします。
 いま、行政に求められている課題の一つに、結果責任のとり方と政策評価制度の導入があると思います。過去に行って来たいろいろな施策について、検証をし見直すべきものは見直し、中断や中止も勇気を持って決断をし継続をするものと峻別をする。つまりPDCAを常にまわす、発案をした時期には必要と考えたものでも、時代の変化と同時に見直していくことが大切ではないでしょうか。現在の時代変化のスピードが速いせいかも知れませんが、見直しや中止をすることに、勇気を持って決断することが今こそ求められているとおもいます。
 今年は、2000年という新しい千年紀を迎える節目の年であります、一つの通過点と見るのか、また過去を振り返り、新しいミレニアムに向け新しい施策を構築するチャンスの年とするのかは、それぞれの考え方、気持ちの持ち方だと思いますが、私は後者つまり、新しい施策を構築するチャンスと捉えてほしいと考えます。

 具体的な質問に入る前に時代認識について私の考えを述べ、知事の所見を伺いたいと存じます。
 国際化、情報化あるいは環境の時代とも言われている現在、経済面での時代認識も必要と考えます。今、産業革命以来の大革命期にあると言われています。それは人類誕生以来、経済的な唯一の価値尺度であった、「物」の生産力の大小が、「情報」の生産力にとって代わられようとしているからであります。その影響は産業革命をしのぐといわれています、何故なら物は消費すれば無くなるが情報は消費しても無くならないばかりか、消費することによって新たな情報が付加され、自己増殖を続けるというまったく異なる性質を持つているからであります。この情報を生産し、伝え、貯蔵し再利用する、このような一連の流れを効率的に行うことが可能になり、その事が新しい経済的、社会的枠組みを作り出しています。在来型の分野においても、まず物の生産、流通については1つづつの単品を管理できるようになりました。ここでの変化はスリムな生産流通の仕組みに基づくコストの低下でありますし、さらには作ったものすべてを売り切る為に値段を一つづつ変えて売ると言うことまで可能にしました。顧客は個客と位置付けられ、一人一人に合った商品、サービス、価格が提供されるようになり、マスプロ、マスセールの終わりといっても過言ではないと考えます。
 もう一つ大きな変化として見逃すことのできないものとして、インターネットが上げられます。従来型のセンターがあって全体を管理していると言う考え方のネットワークとは異なり、それぞれの端末側の力を集めて全体を構成するという柔軟なネットワークとなり、通信コストの劇的な低下をもたらしました。それがこのネットワークにぶら下がる端末の数をさらに増加させるという形であっという間に成長し、さまざまな技術的なチャレンジを回収できるマーケットを提供し、その事が、さらなる技術革新を生み出すという急激な拡大循環の過程にあるといえます。
 企業と最終消費者を直結して、消費者一人ひとりに合った物の受注生産を可能にし、一人ひとり宛てに製品を届けることが可能になりました。消費者は自分に有益な情報を自分で探し、アクセスできるようになりました。賢く、自分の意思を持った消費者が多く生まれようとしています。企業もそのような消費者一人ひとりに情報を伝えられるようになりました。製品の価格、デザイン、性能、環境への関わりなどあらゆる要素が選択の対象となり、互いの選択の幅が広がりました。
 非経済的な分野においても一人ひとりの意見交換が素早く手軽に行えるため、世論形成の有力な手段を提供し、社会的な勢力のありようを変え、政治や選挙まで変えつつあります。世界的には多くのNGOが生まれ、政府機関に比べはるかに効率的に目的達成のため活動しています。これらは大勢のボランティアに支えられながら、雇用まで生み出しています。
 この情報と通信の融合化によって、国境の制約はどんどん小さくなろうとしています。経済活動は大きな市場を手に入れ、それに合った考え方や企業意識を持ったところが高い成長を実現しています。この面でもう一つの重要な分野は金融であると考えます。世界の市場で24時間連続して取引ができるということからであります。
 ここまで見てくると大きな問題を指摘せざるを得ません。このような情報技術革命(IT革命)の恩恵を蒙る者と蒙らない者との格差が生じることであります。自治体、企業、個人などあらゆるものが、この格差を突きつけられ、経済の構造改革を進め、教育の高度化を図ると言うきわめて重要な課題が提示されていると考えます。これら経済活動の変化に対する、政治のありようが問われていると思います。解決のための一つのヒントはNPOやボランティアの発想を取り入れることでは無いでしょうか、行政がすべての事をとりしきるという形ではなく、根幹のところを行政で行い、このような組織と協働して政策を実現していく知恵が求められていると考えます。
 以上私の経済活動から見た時代認識を述べましたこの事についての、知事の所見を承りたいと存じます。

 つぎにもう一つ総論として分権社会と地方自治体についていくつか質問を致します。
 まず、知事は日頃から、「分権、分財、分人はセットで考えなければ成らない」と言っておられますが、今年の4月から地方分権一括法が実施されます。これは中央集権の限界が指摘される中「国と地方公共団体が分担すべき役割を明確にし、地方公共団体の自主性、自律性を高め、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図ること」を基本理念とした、地方分権推進法の成立を受けてのものであります。地方分権一括法の実施を前に、分権に伴う分財、分人にどう対応し、また市町村への指導はどのようにしているのかお伺いいたします。
 次に、新しい時代へ向けて「脱皮する民、変わらない官」という言葉があります。今、時代は、明治維新(第1期)、戦後復興期(第2期)につぐ第3の変革期と言われています。
 前2回の変革期は、先行した時代への反省が改革を推し進める原動力となったと言われていますが、現代の第3の変革期においては先行した時代(高度成長期やバブル期)の経済中心社会に対する反省が弱い、また過去2度の変革期においては、地方自治組織の再編が見られたが、現時点ではそれらに匹敵する程の地方自治体の合併気運が見られないのが特徴であると、先に九州経済調査協会が発表した「九州経済白書2000」には記述してあります。そこで質問ですが、これからの地方自治体が自ら自立をし、前述したように地方分権も進められ、後でお伺いする環境問題や、介護保険等に対応して行くには、市町村の合併も視野に入れながら、行政運営をして行かなければ成らないと考えます、勿論広域連合や一部事務組合などでの対応もあろうとは思いますが、それらを含め市町村の合併や適正規模について、どのように考えられているのかお伺いをいたします。

 次に、住民参加のシステムづくりについて伺います。
地域社会の都市化と成熟化の急激な進展に伴って,住民の行政参加が不可欠だと考えます。
地方分権への転換は、従来の行政システムにかわって、住民と行政とが協働して社会経済問題を発掘し、解決するというシステムを作り上げることにあると考えます。この住民参加型の行政システムは、「住民がボランティア団体やNPO(非営利組織)また、地域の自治団体活動を通じて行政に参加する、企業はメセナ活動等を通じて地域社会への貢献をする。」 
等があろうと考えますが、この中でも私は、住民の自治意識の高揚を図るためには、ボランティア活動の活性化が極めて重要であると考えます。しかし本県のおけるボランティアの活動状況は必ずしも活発ではなく、九州では団体数で5位、活動人員では6位と低い位置にあります。そこで、住民参加型の行政システムを作り上げるためには、特にボランティアの養成と活動の活性化を図る必要があるのではないかと考えておりますが、今後どのように対応しようとするのお伺いします。

 次に、PFIの導入についてお伺い致します。
 社会資本整備に当たって民間の発想や経営力、企画力などを広範囲に活用する方法として、PFIの導入があります。
これまで、官と民が協働して公的な事業を行うという意味では、第3セクター方式が言葉と共に定着していましたが、民活法、リゾート法などの成立で第3セクター方式の事業に対し、税金の免除や無利子融資など各種優遇処置が実施され、バブル経済と共に拡大されて来ましたが、事業内容は必ずしも住民の欲求に結びつくものばかりではなかったと考えます。その後バブル経済の崩壊と共に、第3セクターも破綻が急増しております。破綻の原因は幾つかあろうと思いますが、総じて官と民の特性を生かしきれずに、自治体の度重なる補助を受けることとなり、そのあり方が問われることとなったと考えます。第3セクターの失敗を教訓に、民間主導で社会資本整備をやろうという「PFI」の導入について、これまでも知事は、導入についての考えを述べられておられますが、いよいよ地方分権と共にその気運が高まった現在、改めて知事の所見をお伺いします。
 また、地方分権の推進と共に、地域での政策立案能力が、求められています。その為には自治体と企業と大学との、つまり産学官の連携が必要と考えます。知事はこれまでも産学官の連携については度々触れられていますし、産業界においては、それなりに産学官の交流も行なわれていますが、これらもようやく始まったと言っても過言ではないと思います。産業界との交流の促進は勿論でありますが、これからは、行政の政策立案や環境、福祉等の分野でも企業や大学との連携が必要と考え、今後の取り組みに期待します。

 以下具体的な質問を致します。
 最初に、保健福祉問題(健やかで心安らぐ社会の構築)についてであります。
 まず、介護保険の実施に当たってであります。「九州経済白書2000」によりますと、日本の高齢化には三つの特徴があると言われています。
一つに高齢化の速度が速いこと、二つに後期高齢者(75歳以上)の割合が高いこと、三つ目には独居老人が多いことであります。全国の高齢化率は2025年に27.4%,2050年には32.3%に達すると言われています。大分県は1999年3月現在で20.7%と九州では鹿児島についで2番目となっています。65歳以上の者のいる世帯は41.1%(1995年6月現在)と佐賀、熊本についで3番目となっています。また厚生省の調べでは65歳以上の要介護者は65歳以上人口全体の12.4%に達していると報告しています。高齢者を介護している主な介護者を見ると、沖縄県の調査ですが、配偶者・嫁が約43%、これに娘を加えると6割を超えていて家族への負担がいかに大きいかが分かります。そこで社会で支える新しい制度として「介護保険」が4月から実施される事となりました。1999年版の厚生白書によれば「1.利用者本位の介護サービスシステムを構築すること、2.老人福祉と老人医療とに分かれている介護サービスを一元化し利用者負担の不均衡や手続きの相違を是正すること、3.在宅サービスを充実させること」により、一般病棟への長期入院(社会的入院)の解消を目的としています。また、介護保険には経済効果やボランティア活動等による、まちの活性化への期待もあります。
そこで幾つかの質問をいたします。まず4月実施の介護保険は大分県においてのグループは広域連合4グループ、一部事務組合5グループ、機関の共同設置1グループで要介護認定作業を行ない、保険料徴収などの運営主体は市町村でありますが、大分県全体で要介護者の数はどのようになっていますか。その数は現時点では対象と思われる者全員と考えてよいですか。また、その実施主体毎つまり市町村間でサービス、保険料に格差が生じていると思いますが、現実はどのようになっていますか。新たな財政負担(介護保険市町村負担分)により財源不足などの不公平は生じませんか。また、自立と認定された老人のその後のフォローはどのようにされていますか。お伺いします。
 

 次に、今議会に敬老年金の廃止と敬老祝金の新設が提案されていますが、敬老年金廃止の理由は、「国の年金制度が充実したこと、他の都道府県は廃止の方向であり、現在80歳台から支給しているのは7県となっていること。」等でありますが、廃止に至った考え方のついて説明をお願いします。

 次に少子化対策についてお伺い致します。
安心して子供を産み育てられる社会の実現が急がれます。まず子供を産む事に関してはそれぞれの生活観もあろうとは思いますが、子育てに関わるもろもろの事柄に対する不安も見逃せないと思います。経済的な不安、教育に対する不安、社会環境に対する不安、もろもろあろうと思いますが、少なくとも行政が取り除ける不安については、取り除く努力が必要と思います。その中に「地域における子育て環境の整備」がありますが、どのように対応しようとしているのかお伺いいたします。

 次に精神障害者のケア対策について伺います。
最近の殺伐とした社会環境のもと、心に痛みを持った生活者が増えていると言われています。今回策定した「おおいた新世紀創造計画」では「精神障害者の社会復帰施設の整備や人権に配慮した処遇の向上など施設サービスの充実を図るほか、障害を早期に発見し早期に療育する為の体制整備等を進める。」とありますが、今後ますます重要な施策の一つになると考えます、具体的な施策についてお答え下さい。
 

 次に健康づくりと医療サービスの充実についてうかがいます。
 健康づくりについては、食生活の乱れもその要因の一つと考えます。行政指導のもと無農薬食品の奨励をはじめ、健康を阻害する食品の締め出し、非買運動など県民の健康を守ための取り組みを提案しますが、ご所見をお伺いします。
 医療サービスの充実についてでありますが、子育てとも関連し、とくに地域医療(僻地医療)の充実と夜間などの時間外医療の実施、また救急医療の整備を急がねばと考えます。具体的な施策について伺います。
 

 二つ目に環境問題(豊な自然と共生し安全な生活環境の創出)について伺います。
国内の環境問題の流れは、はじめに生命の問題(つまり公害問題)、次に健康の問題(生活環境の問題)を経て快適性(自然環境の問題)と進み、今後は美しい町づくり、自然豊かな国土の回復を求めるようになるであろうと言われております。
 また、環境問題構造として、