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MASTERPIECE

「夢より苦しく」  山本達彦 
 「天下の名演」第2回目です。
 第2回目は・・・
 「夢より苦しく」山本達彦
 山本達彦という人は、やはり80年代を語るときにはずせないアーティストです。
 細野さん曰く、

「YMO以降、80年代に日本におこった現象は、『日本全国の東京化』だった」
 

 そんな世情のなかで、都会的な音楽がどんどん流布していたのは事実です。
 その筆頭だったのが、この山本達彦という人だったのではないでしょうか。
 男前がピアノを弾くというシチュエーション。その甘いルックスも相まって、都会の音楽として時代の要請に応えて行くことになっていきます。
 実際、達彦さんご自身がSTEELY DANフリークだということもありますが、好きな音楽と表現しうる音楽のギャップが少ない世界で上質の都会的なサウンドを作っていくことになります。
 で、今回の「夢より苦しく」ですが、名演、です。
 何がすごいかと言ったら、椎名和夫の編曲。
 当時、アレンジャー、スタジオミュージシャン、達郎バンドのギタリストとして活躍していた椎名和夫。
 ジャズ的なアプローチ、その分厚いギターワーク故にムーンライダーズを辞めることになった椎名和夫のギターが脚光を浴びるのは、まさに80年代でした。素人の私めが言うのも何ですが、『音楽をよく知っているギタリスト』という匂いのギターです。
 

 この「夢より苦しく」、誰が目立っているというアレンジではありません。トータルで押してくるリズム隊が山本達彦流ダンディズムを彩っているといった感じです。
 面々は、難波弘之、新川博、数原進、伊藤広規、山木秀夫。広規さんのベースに山木秀夫さんというコンビネーションはあまりありませんが、このあまりない組み合わせがこの曲の文字通り心臓になっています。青純さんとの「ドスッ!」としたビートではなくて、山木さんらしい「スタッ!」って感じの仕上がりです。
 しかし、伊藤広規という人に、こういうミディアムの渋めをベースを弾かせるということがすばらしい。
 達郎さんのバックとは違った音の広規ベースも、魅力です。
 写真は、収録されているアルバム「MUSIC」のものですが、シングルがでた当時のジャケットはコンピレーションアルバム「ROMANTIC VIEW」のそれと同じでした。その他、ベスト盤に入っているときもあります。お探しください。


 香り立つダンディズム。「旋律の貴公子」山本達彦の「らしい」1曲です。(「戦慄の貴公子」はプリンスですが(笑))