安部友恵選手の100km世界最高記録は何故素晴らしいか?

男子と女子の記録を単純に比較することはできないが、この差をもたらすものがいくつかあるであろう。

(1)男女の生理学的、身体的要素の差
(2)競技が確立してからどれだけの年月たつのか、あるいは競技として成熟しているか、いまだ発展途上でまだまだ記録の限界から遠いのか?
(3)男あるいは女側に、飛び抜けたアスリートが存在し飛び抜けた記録を残している場合。

さて、今年2000年素晴らしい記録が生まれた。それは安部友恵選手(旭化成)の100km女子世界最高記録である。次の表でわかるように現在ほとんどの競技で男女の記録の差は10〜12%といったところである。その中で安部選手の6時間31分11秒は男子の最高記録から遅れること僅か5.6%。あらゆる競技の中で最も男子に近い素晴らしい記録なのである。

2つの可能性をここに見ることができる。
(1)男子の100km記録はまだまだ発展途上であり、今後再び男女の差は開いていく可能性。
(2)100kmなどの超長距離では実は男子より女子の方が優れているかもしれないという可能性。

もし、(2)が正しいなら(私はその可能性をマラソンの最近のレースから感じているのだが..)、21世紀初頭に100kmで男女の記録が逆転するレースを見ることになるかもしれません。

そんな可能性を予感させる安部選手の世界最高記録だった。

種目
女子記録
 
年度
男子記録
 
年度
100 m
10.49
FG Joyner (米国)
88
9.79
M Greene (米国)
99
7.2
200 m
21.34
FG Joyner (米国)
88
19.32
M Johnson (米国)
96
10.5
400 m
47.6
M Koch (ドイツ)
85
43.18
M Johnson (米国)
99
10.2
400 m ハードル
52.61
K Batten (米国)
95
46.78
K Young (米国)
92
12.5
800 m
1:53.28
J Kratochvilova (チェコ)
83
1:41.11
W Kipketer (デンマーク)
97
12.0
1000 m
2:28.98
S Masterkova (ロシア)
96
2:11.96
N Ngeny (ケニヤ)
99
12.9
1500 m
3:50.46
Q Yunxia (中国)
93
3:26.00
H Guerrouj (モロッコ)
98
11.9
4 x 100 リレー
41.37
東独
85
37.4
米国
92
10.6
4 x 200 リレー
1:27.46
米国
00
1:18.68
米国
94
11.2
4 x 400 リレー
3:15.17
ソ連
88
2:54.20
米国
98
12.0
4 x 800 リレー
7:50.17
ソ連
84
7:03.89
イギリス
82
10.9
5000 m
14:28.09
J Bo (中国 )
97
12:39.36
H Gebrselassie (エチオピア)
98
14.3
10,000 m
29:31.78
WJunxia (中国)
93
26:22.75
H Gebrselassie (エチオピア)
98
11.9
               
               
1 マイル
4:12.56
S Masterkova (ロシア)
96
3:43.13
H Guerrouj (モロッコ)
99
13.2
2000 m
5:25.36
S O'Sullivan (アイルランド)
94
4:44.79
H Guerrouj (モロッコ)
99
14.3
3000 m
8:06.11
WJunxia (中国)
93
7:20.67
D Komen (ケニヤ)
96
10.3
20,000 m
1:06:48.8
真木 和泉 (日本)
93
56:55.6
A Barrios (メキシコ)
91
17.4
25,000 m
1:29:29.2
K Szabo (ハンガリー)
88
1:13:55.8
瀬古俊彦 (日本)
81
21.0
30,000 m
1:47:05.6
K Szabo (ハンガリー)
88
1:29:18.8
瀬古俊彦 (日本)
81
19.9
               
ハーフ・マラソン
66.43
千葉 真子(日本)
97
59.06
P Tergat(ケニヤ)
00
12.9
マラソン
2:20:43
TLoroupe(ケニヤ)
99
2:05:42
K Khannouchi (米国)
99
12.0
100km
6:31:11
安部 友恵(日本)
00
6:10:20
Don Ritchie(イギリス)  
5.6