陸上記事に限らず、英語の新聞やウェブページを読むことはやっかいなことです。 特に陸上記事には独特の用語や言い回しがありますから、余計に難しさが増します。
しかしこれも慣れてしまえば毎回々々、同じ言い回しの繰り返しであることに気づきます。英語陸上記事には比較的単純な表現が多いのです(日本のスポーツ新聞と同じ)。 英語であっても陸上ファンにとってはおなじみのアスリートの名前があちらこちらに出てきますし、また記事の核になるのは数字であり、それがキーワードになることが多いのです。例えば、27:30であれば男子10000mの結果 だなとわかります。表現さえ慣れてしまえば、陸上に興味がある人にとってはむしろ読みやすいと思います。当たり前ですが、政治、経済記事のようにむつかしいものではありません。

さて、問題は独特の用語、言い回しに絞られます。独特の用語の数は実はそう多いものではありませんが、辞書を引いてもピンとこない用語も多いので、ここにまとめてみました。このリストは通 常の「英和辞典」ではありません。経験的に私なりに「超訳」しているものが多いかもしれませんが、より実際の表現に近いものになっていると考えています。 「英語陸上記事」→「日刊スポーツ」のように直截的な訳です。 たとえば、「中山スタート直後に飛び出し、一人旅の優勝」「30km過ぎで、激しいゆさぶりの結果 、メコネン脱落」「あと2km地点で、瀬古一瞬の隙をつきスパート」「鼻の差でテルガト優勝。ゲブル惜しくも2位 。」といった感じでまとめてみました。

国内情報だけでは飽き足らない、最新のレース結果を知りたい。あるいは陸上記事で読むことで英語に慣れ親しみたいと思われる方のために...........

世界のマラソン情報リンク集はこちら............

 
 

見出しによく見られる表現

duel  対決、一騎打ち。本来は「決闘」の意味

In the men's 1500m, the duel was between two superb exponents of middle distance running Hicham El Guerrouj and Noah Ngeny.
男子1500mでは、卓越した中距離ランナー、エルゲルージュとノア・ゲニーの対決がみられた

競技への参加を表現する

squad  選抜チーム(少人数)。

squadは陸上ニュースでは必須の単語なんです。それほどよく見ます。
マラソンの3人などに使う。スポーツ新聞では「日本マラソントリオ」などに相当。もっとぴったりなのは「日の丸飛行隊」などの隊。 もともと軍隊用語で小隊の意味。
''Romania has managed to put together a good and balanced squad, able to get 3-4 medals in Sydney, including one or two golds. Szabo will lead the squad,'' FRA general secretary Nicolae Marasescu said.
「ルーマニアはバランスのとれた良いチームを作ることができた。シドニーでは 3-4 個のメダル が可能であり金メダルも1つ2つはいけそうだ。ザボーがチームをまとめてくれるだろう。」とルーマニア陸連のNicolae Marasescu は語った。

compete in  参加する
preparation  準備
qualify  参加記録をみたす、正規に参加を認められる
ratified  公式記録として認められる
berth  on the berth   キップを手にいれる (これもよく見る)

heat  予選
final  決勝
selection 選考会
trial
  選考会

Edwards withdraws from British Olympic trials エドワーズ、英国オリンピック選考会を欠場

the turn around point 折り返し点

Soon after the turn around point, Sasaki passed Ryan. 折り返し直後、佐々木はライアンを抜いた。

steeplechase  3000m障害の「障害」。3000scと書かれることが多い。

記録を表現する

performance 記録 
career best  自己最高記録

clock  記録する、計時する。

Austria's Stephanie Graf left her sprint late, edging past a tiring Formanova in the last few metres of the race to clock 1:57.34. 後半スプリントにまさるオーストラリアのグラフは疲れのみえるフォルマノワを最後の最後でかわして1:57.34を計時

lower  記録を更新する、短縮する。shortenと書かれることは少ない(?)。

レースの動きを表現する

to go 「あと何キロ地点で」「あと2周の時点で」などの「あと」と訳す。

Mourhit was still leading, but with 200 metres to go, Gebrselassie made the decisive acceleration. ムーリトかわらずトップを続けるがあと200mのところでゲブルが仕掛けペースをあげた。
Ngeny decided to make his move with about 1 and a half laps to go. (ノア)ゲニーはあと一周半のところで仕掛けた。

lap 一周。一区間。

時間の単位ではなく距離の単位であるとの認識が大事。競技場では400mだし、道路では例えば5km。 final lapといえば最後の一周のことであり、最後の一周にかかった時間のことではない。日本語になると後者のニュアンスがあるが、ちょっと違うように思います。
Ngeny decided to make his move with about 1 and a half laps to go. (ノア)ゲニーはあと一周半のところで仕掛けた。

surge 「ペースを動かすこと」。非常によく使われるが、日本語にしにくい。

場合によっては「ゆさぶり」がふさわしい。それまでの安定したペースが一転して波が寄せたり引いたりするように動き出す状態。

They both tested each other out by exchanging minor surges.
お互いに前に出たり引っ込んだりして相手の調子をうかがった。

pack  集団

break away from the pack (先頭)集団から抜け出す

front  先頭集団  frontよりpackの方がよく使われる

lead group 先頭集団
leading pack 先頭集団。 第二集団はsecond pack

stitch

move  飛び出す、抜け出す、仕掛ける、動く

類似の表現
make the decisive move (このdecisiveという単語は非常によくお目にかかる)
make the decisive acceleration
make one's bid for: 勝負にでる、賭に出るというニュアンス。本来「競りに出す」の意。

Mourhit was still leading, but with 200 metres to go, Gebrselassie made the decisive acceleration.ムーリト かわらずトップを続けるがあと200mのところでゲブルセラシエが仕掛けペースをあげた
As O'Sullivan made her bid for victory on the back straight, it seemed that the Irishwoman's sprint might prove decisive. オサリバンがバックストレートで勝負にでた時、このアイルランド選手のスプリントは決定的に見えた。

decisive 

もともとは「決定的」の意味。スポーツ新聞的には「ここぞとばかり」...がピッタリ!あるいは「一瞬の隙をついて」がよろしいかも。レースの最終局面 、周りの選手との駆け引きの中でいつ仕掛けるか?、今か、いや待て。今か、いや待て、よし今だ!........

break  飛び出す、抜け出す

unleash  抜け出す。それまで我慢していた状態から解放されるように........

chase  先頭を追いかける

edge  かわす、鼻の差で逃げる、接戦をものにする。辞書には「辛勝する」とあるが.......

Austria's Stephanie Graf left her sprint late, edging past a tiring Formanova in the last few metres of the race to clock 1:57.34. 後半スプリントにまさるオーストラリアのグラフは、疲れのみえるフォルマノワを最後の最後でかわして1:57.34を計時

curb 縁石。車道だと道路の端にあるコンクリートの低い盛りあがりのこと。
    競技場では第一コーナーの内側。

At the bell, it was Radcliffe and Loroupe who had the pole position with O'Sullivan just behind and Szabo, boxed into the curb.
あと一周の鐘が鳴り、ラドクリフフ、ロルーペが好位置、やや後ろにオサリバンが位 置取り、サボーは(3人と縁石に)閉じこめられた格好。

気象を表現する

humid  湿度の高い

headwind  向かい風

Stewart and other runners said they expect to face a headwind as they run the 26.2-mile course from Hopkinton.向かい風が予想される

degree 気温

米国は華氏だから摂氏に直すには32を引いて5/9倍する。従って次の記事では気温18度ではなく零下7.7度になる。
She said she has run in even colder weather, including one New York Marathon when the temperature was just 18 degrees.