『百姓マレイ』について

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( これから読む人は、以下、ネタ
ばれの箇所(
の箇所)に注意!) 


     

< 概要 >
短編。
オムスクの共同監獄にいた29歳のわたし(ドストエフスキー)、9歳の時のある出来事が記憶に思い浮かんできた。当時父の領地を訪れて滞在していた9歳のわたしは、ある日、領地の林で一人で草や枝だなどを採って遊んでいたところ、「狼がくる」という声を不意に耳にして、横の草地へと飛び出し、そこで土を耕していたマレイ(領地内の50歳代の男の百姓)の懐に飛び込みしがみついた。彼は、なにもこわがることはない、キリスト様がついていて下さるから十字を切りなさいと言ってわたしを安心させてくれた。そのあと、そこを立ち去っていくわたしに対しても、ずっと自分がお前を見ていてやると、しばらくそこでほほえみながらわたしを見送くれた。わたしはすっかり恐怖心が消えてしまい、無事家に帰り着くことが出来たのだった。以上の形で語られた回想小説の形の小品。
※、「作家の日記」に一つの信仰告白となる出来事として掲載された短編。

《所収》
河出書房版全集(巻14)
筑摩版全集(巻13)
新潮社版全集(巻18)
後期短篇集、                           青空文庫(全文)