a  (ロシアの貨幣)
ルーブル(ルーブリ)、コペイカ(カペーカ)
紙幣、銀貨・銅貨・金貨

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当時の貨幣としては、
紙幣銀貨・銅貨・金貨
があった。

当時は、
1ルーブル=100コペイカ

紙幣としては、
以下のように色分けした六種類の紙幣があった。

1ルーブル紙幣 (黄色)
3
ルーブル紙幣 (緑色)
5
ルーブル紙幣 (青色)
10
ルーブル紙幣 (赤色)
25
ルーブル紙幣 (灰色)
100
ルーブル紙幣 (虹色)

当時の1ルーブル紙幣
(
写真:SEKINEさん提供)

銀貨・銅貨・金貨としては、以下などがあった。

ルーブル銀貨
(
.5ルーブル銀貨・1ルーブル銀貨、など)
コペイカ銀貨
(50
コペイカ銀貨・25コペイカ銀貨・20コペイカ銀貨・15コペイカ銀貨・10コペイカ銀貨・5コペイカ銀貨、など)
コペイカ銅貨
(20
コペイカ銅貨・5コペイカ銅貨・3コペイカ銅貨・2コペイカ銅貨・1コペイカ銅貨・1/2コペイカ銅貨・1/4コペイカ銅貨、など)
ルーブル金貨
(5
ルーブル金貨・3ルーブル金貨、など)

※、金貨は、ドストエフスキーの小説では、ほとんど出てこない。
※「ロシアコイン集
(
裕さんのページ)

※、
当時、ルーブル銀貨は、ルーブル紙幣(お札(さつ))に比べて、3倍から4倍程度(3.5倍とする見方もあり)の価値があった。
銀貨2ルーブルと紙幣1ルーブルでは、およそ計8ルーブルとなる。
ことわらなければ、1ルーブルと言えば、ふつう、紙幣を指す。



当時の1ルーブル(1コペイカ)は、現在の日本では

だいたい2000円台半ば(20円台半ば)

にあたる。

※、
江川卓氏は、『罪と罰』(旺文社文庫1966年初版・江川卓訳)の解説で、当時の1ルーブル(1コペイカ)は、当時(1960年代半ば)の日本では、1000(10)と換算している。
1960
年代半ばに比べての現在の物価を考慮して換算するなら、現在では、だいたい、上記の換算になる、とのこと。(現在日本では1ルーブル=約10000と換算しているお方もあるようですが、上記の換算が妥当とのことです。)


 



b  (
人物の姓名・呼称)

名・父称・姓、愛称・卑称。

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ロシアの小説を読む場合、ややっこしいのが、登場人物の名前の区別。名前自体が長い上に、正式に呼べば名が三つ並び、また、地の文と会話文とでは呼び方が異なることが多くて、覚えたり区別したりするのに、読者は、始終、閉口・苦労する。
出てくる各登場人物の名を小用紙にメモしつつ、本にはさんでおいて、適宜見つつ確認しつつ読みすすめていく、というのも、一方法。


ロシアでは、名前は、

名前全体を言う正式名としては、
名・父称・姓
の三つを、この順に並べて言う。
例:
アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフ(←カラマーゾフ
(
カラマーゾフ家のフョードルの息子アレクセイ、の意。)

=両親が自分の子供につける呼び名。
ロシアでも、名はキリスト教の聖人や天使などに由来するものが多くて、大半はポピュラーなものがつけられる。
例:
イヴァン(イワン)←聖書の使徒ヨハネ
ピョートル←使徒ペテロパーヴェル←伝道者パウロ
アンドレイ←イエスの弟子アンデレミハイル←大天使ミカエル
ニコライ←ギリシャ語のニコラウス
名は、
男なら、ボリス、ミハイル、セルゲイ、ウラジミール、ニコライ、ユーリー、アレクサンドル、
女なら、ナターシヤ、カチューシヤ、ニーナ、ガリーナ、エレーナ、タチヤナ
などが有名。

父称=父親のから自動的につくられるもの。
息子なら、「〜▲ヴィチ(ヴィッチ)」など、娘なら、「〜▲ヴナ」など、となる。
(
はオ列音になる。)
例:
ドストエフスキーの場合、父親の名は「ミハイル」だから、「ミハイロヴィチ」となる。

=家系の呼び名。「ドストエフスキー」は、名でなくて、姓である。
「〜スキー」「〜▲フ」(「〜▼フ」(▲はオ列音、▼はエ列音)の形がポピュラー。
姓は、キリスト教やロシアにおける聖人・王の名や地名から出来たものが多い。
)
ペトローフ←使徒ペテロ
ドストエフスキー←初代の先祖が住んだ土地の村名ドストエーヴォ

女性の場合、「姓」の語尾は、「〜ワ」の形などになる。
例:
ソーフィヤ・セミョーノヴナ・マルメラード(←マルメラード)

愛称、卑称

愛称=肉親や親しい友人の間だけで使われる呼び方。

の語尾を、「〜ー△ャ」「〜ー▽チカ」「〜ーニャ」などに変えて、呼ぶ。
(
△はイ列音、▽はエ列音になる。)
例:
アリョーシャ(←アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフ)
ロージャ(←ロジオン・ロマヌイチ・ラスコーリニコフ)
ソーニャ、ソーネチカ(←ソーフィヤ・セミョーノヴナ・マルメラードワ)
ガーニャ(←ガヴリーラ・アルダリオーノヴィチ・イヴォルギン)

の最初の部分を抜かして呼ぶ愛称もある。
例:
ミーチャ、ミーチカ(ミートリイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフ)
ドゥーニャ、ドゥーネチカ(アブドーチヤ・ロマノヴナ・ラスコーリニコワ)

卑称(蔑称)=相手をやや軽蔑した呼び方。

父称抜きで、名の語尾を「〜ンカ」などに変えたり、名の最初の部分を抜かしたりして、呼ぶ。
例:
ガンカ(←ガヴリーラ)ヴァンカ(←イヴァン)


〇種々の用い方

親が子を呼ぶときや、夫婦・兄弟姉妹・親友どうしなどのようにごく親しい間柄で互いを呼ぶときには、だけで呼ぶが、その場合、たいてい愛称を用いる

親しくても目上の人や遠慮をおいて話す間柄の人を呼ぶ時は、はつけず「名・父称」で呼ぶのがふつう。
):ロジオン・ロマヌイチ(←ロジオン・ロマヌイチ・ラスコーリニコフ)

小説の中では、作者が、地の文で登場人物について述べる時には、「」、時に、「名・父称」で示す。
例:
ラスコーリニコフ(←ロジオン・ロマヌイチ・ラスコーリニコフ)
ナスターシヤ・フィリポヴナ(←ナスターシヤ・フィリポヴナ・バラシコーワ)
(
※、邦訳の日本語表記としては、「ナスターシャ・フィリポヴナ」としているものもあり。)
パーヴェル・パーヴロヴィチ(←パーヴェル・パーヴロヴィチ・トルソツキー)




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