どの小説から読んだらいいか、どのテキストで読んだらいいか、についての案内   ( 更新・13/05/27 )               http://www.coara.or.jp/~dost/BT-2.gif    
             


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            最初に読んだらいい小説としては、   
              
                 
長編『罪と罰』、中編『貧しき人びと』、長編『カラマーゾフの兄弟』

               を、すすめます。
                 ( 読んで多くの読者の期待を裏切らない小説は、
                  『罪と罰』『貧しき人びと』『死の家の記録』あたりでしょうか。
                  『カラマーゾフの兄弟』早い時期にじっくり読むことを、すすめます。
                  『地下室の手記』『悪霊』などは、内容に少なからず毒気があるので、
                  のちに読む
ことを、すすめます。)

             読んでいく順番としては、
           
           
       長編『罪と罰』  →  長編『カラマーゾフの兄弟』  →  長編『死の家の記録』 →
                     中編『貧しき人びと』 → 長編『虐げられた人びと』  →  長編『白痴』  → 
                       中編『地下室の手記』  →  長編『未成年』  →  長編『悪霊』 
 
               といった順を、すすめます。
          
              そのほかとしては、最初に読む三作として、  
        
                ・長編『罪と罰』 → 中編『貧しき人びと』 → 長編『カラマーゾフの兄弟』 
                ・中編『貧しき人びと』 → 長編『罪と罰』 → 長編『カラマーゾフの兄弟』
                ・中編『白夜』 → 長編『罪と罰』 → 長編『カラマーゾフの兄弟』
                ・長編『カラマーゾフの兄弟』 → 長編『虐げられた人びと』 → 長編『罪と罰』
                ・長編『死の家の記録』 → 長編『カラマーゾフの兄弟』 → 長編『罪と罰』  

              などの順は、どうでしょう。 

      
     
    
            テキストの案内、内容のミニ案内

                
( →   )として記したテキストは、手頃に入手できる、おすすめの邦訳テキスト。
                 ▲を付した分は、現代口語訳で読みやすいテキスト。aを付した分が、おすすめ。
                ・bを付した本は、現在市販中のもの。          
                ・「=」は、同テキスト。

                  〇三つあるドスト氏全集の分については、訳文を比較すると、
                    ・新潮社版の分は、各訳者が平易な口語訳を心掛けていて現代の若者には読みやすい。
                    ・米川正夫個人訳の河出書房新社版の分は、文語調・漢語調の箇所が含まれていて、
                     文語調・漢語調の文を読み慣れていない読者にはやや読みづらいかもしれないが、
                     そのぶん、格調のある訳文体になっている。各登場人物の会話文は、その登場人物
                     にふさわしい言い回しにしている。
                    ・小沼文彦個人訳の筑摩書房版の分は、文体にくせがなくて、比較的、すらすらと読み
                     やすい。訳注は、比較的、豊富。
                   などが言えるでしょう。
                             

              a. 長編『罪と罰』 ( → 新潮文庫(二冊)b▲=新潮世界文学巻10b▲、
                            a岩波文庫(新訳版の江川卓のぶん・三冊)b▲、 
                           a光文社古典新訳文庫(三冊)b▲。
                          新潮文庫の分(工藤精一郎訳)・岩波文庫の分(江川卓訳)は、どちら
                          も、甲乙つけがたい名訳。
                          岩波文庫の分(江川卓訳)は、訳がやや荒削りでくせがあるかもしれ
                          ないが、『罪と罰』の小説世界の雰囲気をうまく伝えている。
                          新潮文庫の分(工藤精一郎訳)はくせがなく、すらすらと読みやすい。
 
                          光文社古典新訳文庫の分(亀山郁夫訳)は、新訳として、平易な口語
                          訳を心掛けていて、すらすらと読みやすい。割注はなし。
)
                 … ドスト氏の小説の中で最もポピュラーであり、ストーリーの面白さ・興奮・感銘ともに非凡
                   な傑作から入ってみたい人に。


              b. 長めの長編『カラマーゾフの兄弟』  
                  ( a新潮文庫(三冊)b▲=新潮世界文学(一巻本)b▲、a岩波文庫(四冊)b
                     a光文社古典新訳文庫(五冊)b▲。
                     新潮文庫の分(原卓也訳)は、平易な口語訳を心掛けていて、すらすらと読み
                     やすい。割注が多く付されている。
                     光文社古典新訳文庫の分(亀山郁夫訳)は、新訳として、平易な口語訳を心掛
                     けていて、すらすらと読みやすい。割注はなし。訳者の間では少なからずの誤
                     訳があるという指摘もあり誤訳を正した今後の改訂版の刊行が待たれている。
                     岩波文庫の分(米川正夫訳)は、文語調・漢語の箇所があり、そういった文体に
                     慣れていない読者は読むのに苦労するかもしれない。そのぶん、訳文には格
                     調はある。各登場人物にふさわしい話体にしている。テキストは、活字がやや
                     薄くて、そのぶん、やや読みにくい。
                     品切れ中ながら、中央公論社文庫の分(池田健太郎訳)も、労作の名訳。 
)
                 … ドスト氏の総決算としての、最後の円熟した大作からいきなり入って、ドスト氏の最後の造型
                    になる典型的な登場人物たちや、ドスト氏の「人間苦と愛とゆるし」の宇宙に、どっぷりと浸(
                    た)りたい人に。

              c. 中編『貧しき人びと』 ( a新潮文庫(木村浩訳)b▲、光文社古典新訳文庫(安岡治子訳)b )
                 … 初老の独り者の男と若い女性の間で取り交わされる往復書簡体小説を読んで見たい人に。
                   氏の処女作にして出世作をまず読んでみたい人に。

              d. 長編『死の家の記録』 ( a新潮文庫(工藤精一郎訳)b▲、光文社古典新訳文庫(望月哲男訳)b▲ )
                 … 実録体験記を好む人に。4年間にわたるシベリア流刑中のドスト氏の囚役生活のことを
                   詳しく知りたい人に。
 
              e. 長編『虐げられた人びと』 ( → 新潮文庫(小笠原豊樹訳)b▲ )  
                 … ドスト氏の小説としては思想的な面があまり出ていない、善玉悪玉がはっきりしていて、
                   読み手の袖(そで)を絞(しぼ)る通俗風の家庭・恋愛小説を好む人に。
               
              f. 中編『白夜』 ( a角川文庫(小沼文彦訳)b▲、講談社文芸文庫(井桁貞義訳)b )
                 … 夢想家の青年を主人公にしたメロドラマ風の純愛ものを好む人に。
           
              g. 長編『白痴』 ( a新潮文庫(二冊)b▲=新潮世界文学(一巻本)b▲、岩波文庫(二冊、米川正夫訳)。 
                          新潮文庫の分(木村浩訳)は、読みやすい名訳。)
                 … 善意の青年を主人公にした悲劇的恋愛小説を読んでみたい人に。

              h. 長編『悪霊』 ( a新潮文庫(二冊)b▲=新潮世界文学(一巻本)b▲、
                           a岩波文庫(二冊、米川正夫訳)ba光文社古典新訳文庫(三冊)b▲。
                          新潮文庫の分(江川卓訳)は、当時の発表では削除された章「スタヴローギン
                          の告白」は、各版の本文の異同を明示して、末部に独立させて置かれている。
                          新潮文庫の分(江川卓訳)は、ステパン氏の会話文の中のフランス語の箇所は、
                          すべてカタカナ書きにしている。
                          岩波文庫の分・光文社古典新訳文庫の分は、章「スタヴローギンの告白」を
                          第8章と第9章の間に入れて通読できるようにしている。
                          岩波文庫の分(米川正夫訳)は文語調の箇所があり。
                          光文社古典新訳文庫の分(亀山郁夫訳)は新訳としてすらすらと読みやす
                          い。別巻で章「スタヴローギンの告白」の異なる本文の異同を確認できる。
)  
                 … 社会革命活動へと走る当時の青年群像たちを中心とした、ドスト氏の世界の一極たる無神論
                    的(人神論的)喧噪(けんそう)の世界に触れたい人に。

         
              i. 長編『未成年』 ( a新潮世界文学(一巻本、工藤精一郎訳)▲=新潮文庫(二冊)▲、
                           岩波文庫(三冊、米川正夫訳。199912月に重版。)。 )
                 … 離れ離れに暮らしていた実父のことを知るべく、ペテルブルグに乗り込んだ青年の、
                   都会での一年半余りにわたる種々の体験記(回想記)を読んでみたい人に。 


              j. 中編『地下室の手記』 ( a新潮文庫(江川卓訳)b▲、光文社古典新訳文庫(安岡治子訳)b▲、
                                 集英社(亀山郁夫訳)▲ )
                 … 中年の主人公が独白する人間論・文明批判(1)や、青年期の回想話(2)
                   耳を傾けてみたい人に。

          
              k. 長めの短編『おかしな人間の夢』 ( → ちくま学芸文庫『作家の日記4』(小沼文彦訳)▲ )
                 … ドスト氏のエッセンスが凝縮されているような短編をまずんでみたい人に。SF的な小説を好む人に。

             l. 短めの中編『おとなしい女』 ( → aちくま学芸文庫『作家の日記3』(小沼文彦訳)▲、
                                    講談社文芸文庫(井桁貞義訳)b )
                 … 短編『おかしな人間の夢』と相並ぶドスト氏の短編の代表作であり、妻を支配下に置こうとする寡黙
                   な中年男とその若妻との、夫婦生活における相互の心理的葛藤の跡を回想する告白記を読んでみた
                   い人に。


             m. 中編『永遠の良人』 ( → 新潮文庫(千種堅訳)b▲ )
                 … 妻を寝取られた男とその寝取った男の間に展開する、ドスト氏的と言える風変わりな復讐話を読んで
                   みたい人に。

 
             n. 長めの中編『二重人格(分身) ( → 岩波文庫(小沼文彦訳)b▲ )
                 … 職場での出世争いに敗れていく下級官吏の悪戦ぶりに付き合ってみたい人に。 
      
        
             o. 〔 その他の分は、のちに追加記入します。〕 



        
〇《参考》ドスト氏の小説の分類例            ドスト氏の全小説一覧     ◇発表時期別・主要小説一覧

        
            
ドスト氏の知られた代表的な二大小説
                 … 『罪と罰』 『カラマーゾフの兄弟』
            ・自他とも認めるドスト氏の芸術・思想の集大成としての(未完ながらの)最高傑作
                 … 『カラマーゾフの兄弟』
            ・ドスト氏の五大長編小説(発表順に)
                 … 『罪と罰』 『白痴』 『悪霊』 『未成年』 『カラマーゾフの兄弟』
            ・『罪と罰』『カラ兄弟』以外で、多くのドスト氏研究者に芸術的に傑作と評されている小説
                 … 『悪霊』 『白痴』(悲劇のラストシーンは秀逸)、『永遠の夫』
            ・一部のドスト氏研究者が傑作と評している小説
                 … 『未成年』(傑作でありながら、五大長編の中では知名度が低く影が薄い小説)
                    『死の家の記録』 『地下室の手記』
            ・読者には比較的親しみやすい小説
                 … 『貧しき人びと』 『白夜』 『虐げられた人びと』 『白痴』
            ・ドスト氏研究者や内外の作家の中で愛読している人が多い小説
                 … 『白痴』 『死の家の記録』 『貧しき人びと』 『カラマーゾフの兄弟』
                    『キリストのヨルカに召されし少年』  
            ・ドスト氏の一面(暗黒や悪の方面)の才能が発揮されていて、思想面で毒気を含む問題小説
                 … 『悪霊』 『地下室の手記』
            ・発表時のロシアの読書界で歓迎され熱心に読まれた小説
                 … 『罪と罰』 『虐げられた人びと』 『カラマーゾフの兄弟』 『貧しき人びと』
            ・ドスト氏研究者に欠陥やあらが見える作・失敗作と指摘されている小説
                 … 『白痴』 『二重人格』 『虐げられた人びと』
            ・ドスト氏自身、出来具合において不本意なものとしていた小説
                 … 『死の家の記録』(当局の検閲を考慮し、抑えて書いている)
                   『白痴』(言いたいことの十分の一も言えなかった。)
            ・未完に終わっている小説
                 … 『カラマーゾフの兄弟』 『ネートチカ・ネズワーノワ』
            ・ドスト氏自身が愛していた小説
                 … 『貧しき人びと』 『白痴』 『カラマーゾフの兄弟』 『初恋(=小英雄)』 『百姓マレイ』
            ・内容の大半がドスト氏の体験を描いている実録小説
                 … 『死の家の記録』 『賭博者』         
            ・小説の手法において注目されている小説
                 … 『悪霊』 『未成年』 『おとなしい女』
            ・意表をつく斬新な内容や展開で注目される小説    
                 … 『おかしな人間の夢』 『二重人格』 『ボボーク』 『鰐』
            ・ユーモラスな場面が多い、軽い喜劇ふうの小説(知名度の低い、中期の二大中編小説)
                 … 『スチェパンチコヴォ村とその住人』 『伯父様の夢』 
            ・ドスト氏の三大短編小説とされている小説
                 … 『おとなしい女』(実際は中編小説)、『おかしな人間の夢』 『ボボーク』  


           ちなみに、   
             ○ページへの来訪者による「人気投票・ドスト氏の小説では、現在、以下の順位です。
                            〔 (  )内の点は、投票による得点。2012/11/24現在での結果。〕
 
                     (1位)  『カラマーゾフの兄弟』 (131点)  
                     (2位)  『罪と罰』 (89点)
                     (3位)  『白痴』 (51点)
                     (4位)  『悪霊』 (41点)
                     (5位)  『地下室の手記』 (17点)                 
               
          



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