支え合って生きる姿     13年5月       

世の中には、目の見えない人の方が、目の見える人より美しい世界を見ることができる、と よくいいます、今日はある人から、伺った、心温まる、お話をいたしましょう、

それは其の方が東京にゆかれて、電車に乗られた時のことです、その電車の中で出会った、目の不自由な親子についての、お話です。

白い杖をついた四十歳ほどの女性がシルバー・シ−トに座りました、

その時、其の女性を介護するかのように、小学校三年生くらいの男の子と、小学校にあがったばかりの男の子、そして、三つくらいの男の子が「大丈夫」と優しい言葉をかけ、女性の裾の乱れをなおしているのでした、私は、ようやく、その女性が、男の子三人の母親であることを理解し、彼らを見守るように、扉の側で立っている朴訥とした父親の存在にも気づきました、

母は母で、一番年少の子が、椅子に膝を立てようとすると「お行儀悪いわよ」とたしなめ、兄も弟を正しているのでした。

いくつかめの駅で、子供たちは、母の荷物を持ち、また「大丈夫」と声をかけて先導しながら

父母といっしょに降りてゆきました、

私は、互いに、いたわり合う言葉をかけながら、去っていった一組の親子に、清々(すがすが)しさを感じました。

このお話を聞いて、 元気な者たちが、お互いに競争するように生きることの多い中、障害をもつ親子が、支え合って生きていることに感動しました、そして、あの子供たちが成長して大人になったとき、彼らは自分の母を恥ずかしい、などとは微塵も思わない、母を誇りに思う大人になっていくだろう、そうあったほしいと、 私は、祈りました