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10月5日(日)

リシケシ滞在最終日、アシュラム内のテンプルで私たち一人一人のために特別に行って下さるプージャを受ける。プージャ(Puja)は礼拝、儀式という意味のサンスクリット語。プージャでは私たち個々の願いが叶えられるようにお祈りしてくださると言われていたので、事前にその願い事を何度も心の中で繰り返しながらやや緊張しつつその時を迎えた。願い事を紙に書いて、儀式を行うスワミジに手渡している人もいた。(日本の仏教で行う護摩炊きのような祈願・祈祷も、その源を辿ればインドのプージャがもととなっているとも言われている。)夕方5時、私と姉を含む8人が参加。テンプル内の日ごろは立ち入る事が中々出来ない奥の祭殿に周りを取り囲むように座し、プージャを執り行って下さるスワミジのマントラ(真言)の響きの中、花、ミルク、水、蜂蜜などが、神さまに絶え間なく捧げられていく。スワミジに促されつつ、儀式に則り、見よう見まねで参加しながら、厳粛な思いでひたすら頭を垂れ、眼を閉じ、静かに神に祈り続けていた。

そ、その時であった。な、なんと水やミルクが流される排水口から突然黒い物体が躍り出て、座していたみんなの足の上を駆け抜けて行ったではないか。げぇ〜!ネズミだぁ!一瞬悲鳴!しかしなんせ厳粛な儀式の最中ゆえ、それはあくまで一瞬の悲鳴で終わったのだが。ネズミの出没など日常茶飯事なのだろうか、スワミジは大きな眼を一瞬つぶり、ニッコリと微笑んだ後、何事もなかったかのように儀式を続けられた。

「しかしでかかったよね。足にドーンと当たったもん。」プージャ終了後、スワミジを囲んでそれぞれ写真に納まりながらも、招かざる客の話題に盛り上がる。牛や犬、猿に加えてネズミもインドではお友達!?そういえばニューデリーの駅にも一杯いたなぁ。線路に散乱するゴミの間を、足の踏み場もないほどにごった返したホームでも、黒々と肥った?ネズミが元気に走り廻っていたっけ。

なんでもありのインド。少しずつ慣らされていく。いや慣れなければ暮らせない。

翌日は朝8時、2台のバスに乗り込み、次の訪問地ウッタルカシへ。ウッタルカシとは「ガンガの上流にある霊的な光溢れる町」という意味だと言う。昔からたくさんの修行者がこの地を訪れたと言われている。ほとんど7時間以上バスは走り続け、夕方4時、やっとウッタルカシにあるシヴァナンダ・アシュラムに到着。リシケシとは違って、ガンガの河沿いに立つとてもアットホームなこじんまりとしたアシュラムで、到着早々行われた歓迎会では、子どもたちの歓迎の踊りと歌の後、聖者スワミ・プレナンダジから温かい歓迎のお言葉をいただく。アシュラム内では10人しか宿泊できないため、その他の人たちはガンガ沿いのロッジ(と、いっても水も出ない状態だったとか)に移る。私たち高齢者?はアシュラム内の部屋ではあったが、トイレ&シャワーは共同ゆえ、かなり身体的(生理的)にはしんどい日々を過ごすことになる。

夕食から私たち専属の料理人が作る食事となる。昨日までの味気ない食事に辟易していたので、これが全て野菜だけで作ったの?と信じられないほど、バリエーションもゆたかで、しかも美味しい料理に何度もお替りして、久しぶりに満腹!幸せな満腹!

アシュラムを出て右に曲がり降りるとすぐにガンガと出会う。ウッタルカシのガンガは流れが急で、河の真ん中では大きな渦を描き、雄々しい姿で流れていた。講義の合間、河原の石の上で瞑想をする。ガンガの渦をじっと見つめ、眼を閉じてその渦巻くガンガを思い描く。私の体がガンガの流れに包まれる。温かい光に包まれる。すーっと体が軽くなる。そして私は体を離れ私の心だけになる。

「世の中のものを捨て去ると神さまのものが降りてくる。 根本を素直にやりなさい。例えば呼吸を見つめる。ガンガを見つめる。ひとつのものに集中すればその他の不要なものが自ずと消え去っていく。 自分を見つめなさい。自分というものが解れば、全てのものが解る、見えてくるのです。」(プレマナンダジの講話より)

至福のひと時。河原で石を拾う。丸い小さな石に白い線が輪のように入っている。丸い輪は宇宙を意味するという。この石は自分へのお土産。大切にしまう。

「Live in present・・・今を生きなさい。未来も過去も捨てて、今を、今あるこの全てを受け入れることです。 そうすれば不平不満もなくなり、憂えず、心配することもなく、また未来に対して計画をしたり、準備をする必要もなくなります。これら全ての心の動きは無用のものです。」(プレマナンダジの講話より)

与えられる言葉を一つ一つ心の中で反復する。この地、インドで、その深い意味を果たして私は気付き体感する事が出来るのだろうか?未消化ながら旅はまだまだ続く。

帰国から1週間が経った。やっと風邪も治った。でも夜中は相変わらず突然の咳に襲われて目覚める。そして気付く。「あぁ、ここは日本だ!」私の心は未だインドを旅しているようだ。風邪は治ったけど、インド病はまだまだ暫く治りそうにはない。




▲プージャ終了後、儀式を執り行って下さったスワミジと一緒に。このプージャのために購入した真っ白のパンジャミ(シャツ、パンツ、スカーフの3点セット)姿の私。似合ってる?!願い叶いますように。でもネズミは嫌いです。 ▲ウッタルカシの聖者、スワミ・プレマナンダジ。歓迎会での一こま。その温かいお心がお会いした瞬間にストレートに響いて来て・・・「ハハハ・・・」と豪快に笑い飛ばしながらのウェットに富んだお話。大好きなスワミジの一人です。 ▲ウッタルカシから専属の料理人軍団がずっと一緒に旅を続けました。彼らが作る料理はどれも最高に美味しかった!野菜だけどこれほどのレパートリーと味が出せるなんて!チャパティとご飯と野菜のカレーとオクラの炒めもの。食後はチャイで。
▲食堂はもちろん戸外のテラス。雨よけのテントの下で、野鳥や虫の音を聴きながら、時には蝶の舞を眺めながら。そして星空は最高でした。あれほど一杯の星を見たのは生まれて初めて。決して忘れないよ。 ▲夜8時頃から始まるサット・サンガ。神を讃える子どもたちの歌は感動でした。意味はわからないけれど、一緒に真似して歌っていると心がどんどんと弾んでいく。で、夜が深けるほどに、最後はいつもこんな感じで踊り出す。どんどん歌はエキサイトして、エンドレスで続いていく。気が付けば既に夜10時過ぎ。しかしみんな元気!いつまでもいつまでも踊り続ける。
                                                             
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