第1章 偽りの兄妹

 「克也! 毎日家にいるんだから、夕食ぐらい作ってよね」
 幸恵が通勤服からラフなシャツとパンツに着替えをしながら、ぷりぷりと腹を立てている。そんな膨れた顔が可愛い。ぼくは心の中でそう思って、思わずにやりと笑った。
 「何がおかしいのよ! わたし、怒ってるんだからね」
 両手を腰にあててすくっと立ち、幸恵はぼくを睨み付けた。ぼくは肩を竦めていつもの言い訳をする。
 「そんなこと言ったってさあ。俺、料理なんてできないからさあ」
 幸恵から発せられる怒りの視線から逃れるため、ぼくは、モニターの画面に目を戻した。次のプロットは・・・・。
 「やる気がないから、何にもできないんでしょう? 朝から晩まで、パソコンに向かってておかしくならないの?」
 ぼくの肩に手を乗せて、幸恵はぼくの顔を覗き込んできた。
 「これが仕事だから・・・・」
 ぼくは鳳ソフトエンジニアリングというソフト会社に属している。属しているって言っても、ほとんど会社に行く必要なんてない。ファックスかEメールで仕事の概要が送られてきて、それを要望通りに仕上げて、Eメールで戻すだけだ。
 ぼくが頼まれる仕事は、医療関係の仕事が多い。大学などに勤める医者は、年に数回学会発表に出かける。そのスライド作りを頼まれるのだ。医学用語をある程度知らないと校正ができない。ぼくは、学生時代から医者相手のスライド作りをやっているからかなり詳しいのだ。春や秋の学会シーズンになると、結構忙しくて、寝る暇もないことがある。しかし最近は、医者も経費削減とかで、自分でスライド作るようになって、仕事は以前に比べてずいぶん減った。
 会社からぼくに支払われる給料は、完全出来高払い制だから、仕事が少ないとその分実入りが少ない。仕方なく、あまり好きではない、ホームページの製作などをやっている。そんな仕事も、最近減ったようだ。皆さん、勉強されて、自分でホームページを作るようになったからだ。
 ぼくは、暇に任せて自作の小説などを書いている。今日も、思いついたプロット作りに夢中になっていて、幸恵が帰ってきたのにも気がつかなった。ぼくがお帰りのひと言も言わなかったものだから、幸恵が臍を曲げているというわけだ。
 「もう少し、きちんと給料をくれるところはないの?」
 「こんな仕事でも、ないよりましだよ。俺の同級生なんて、未だにプー太郎しているやつが多いんだから」
 「今だって、プー太郎みたいなものでしょう?」
 「そんなことないだろう? 少しは稼いでるんだから」
 「わたしの方が多いじゃないの。先月なんて、たったの5万円しかなかったくせに。それも、全部通信費に消えてしまって・・・・」
 「通信費は必要経費だよ」
 「仕事以外のことにインターネットしてるんじゃないの?」
 「そ、そんなことないよ」
 幸恵がいない間に、エッチ画像を見ているなんて事は大っぴらにはできない。勿論調べられてもいいように、ダウンロードした画像はデスクトップに中には置いていない。MOに保存して、仕事用のMOの中に紛れ込ませてある。
 「エッチ画像でも見てるんでしょう?」
 幸恵がぼくの目を覗き込む。幸恵に睨まれると、ぼくは蛇に睨まれた蛙だ。嘘なんてつけない。
 「・・・・たまにはね。たまには息抜きしないと・・・・」
 「いつも息抜きばかりしてるんでしょう?」
 「馬鹿言うなよ。ちゃんと仕事してるさ」
 そう答えたが、あんまり胸を張って主張できないのは確かだ。
 「生身のわたしがいるのに、どうしてそんなもの見たがるの? ほんと、男って、イヤね」
 「うるさいなあ。自分の金で何しようと勝手だろう?」
 「何よ。わたしが稼いだお金で暮らしているくせに」
 そんなことを言われれば、返す言葉もない。しかし、ぼくはむっと来て、幸恵の顔を振り向いて睨んだ。
 「ご、ごめん。言い過ぎたわ。・・・・でもね、わたしだって仕事で疲れて帰ってるんだから、夕食くらい用意して欲しいのよ」
 今日はいつになく殊勝だ。いつもなら、ここで切れたような喧嘩になるのに、今日は幸恵の方から折れてきた。ぼくはちょっと不思議な気がした。
 「だからさあ。俺は料理なんてできないって、言ってるだろう?」
 ぼくは語気をやや弱めて、ふてくされたようにそう言った。
 「集会所で、男子厨房に入ろう会と言うのをやっているのを知ってる?」
 「男子厨房に入ろう会? 知らないよ。それって、男が料理するやつか?」
 「そうよ。結構たくさん人が集まっているって、聞いたわ」
 「・・・・俺に料理を習えっていうのか?」
 「そうしてくれると助かるかなって思ってさあ」
 笑みを浮かべた悪戯っぽい幸恵の目に、ぼくは同意せざるを得なかった。ここで拒否したら、今晩幸恵が付き合ってくれなくなるからだ。
 「分かったよ。どうすればいいんだ?」
 「ちょっと待って」
 嬉しそうな笑顔になって、幸恵は寝室にショルダーバッグを取りに行った。
 「これが申込書よ」
 バッグの中から、再生紙にコピーされた申込書を引っぱり出してきた。何度もコピーされたらしく、かすれた枠に中に、住所、氏名、生年月日、家族欄などを書くようになっていた。
 ぼくはパソコンの上に置いてある鉛筆ケースの中からボールペンを取り出して、必要事項を書き始めた。
 「あっ、克也!」
 「なんだ?」
 「いつものように書いておくのよ」
 「分かってるよ」
 ぼくは、家族欄に橋谷幸恵と書き込み、続柄を妹にした。幸恵とぼくは、れっきとした夫婦だけど、幸恵は結婚していることを職場にもご近所にも隠している。
 夫たるぼくの稼ぎが少ないから、『女のわたしに養ってもらってるなんて思われたくないでしょう』と言うのが、表向きの理由だ。
 ほんとの理由は? 独身だと言っていた方が、男たちにちやほやされるからだ。と、ぼくは思っている。女はいつも男の視線を浴びていたいものだ。

 独身で通している幸恵は、仕事場である銀行の同僚に誘われて、よく飲みに出掛ける。浮気してるんじゃないかと心配になって、酔って帰ってきた幸恵を介抱しながら、男の痕跡を探してみるけど、そんなことはないようだ。
 普通は酔って帰ってきた夫を、妻が介抱しながら、口紅は付いていないか、香水の臭いはしないかと心配するものだが、ぼくたち夫婦は、まるで男と女の立場が逆だなと、幸恵を介抱しながらいつも思う。
 浮気しているのを気付かれないようにしているかも知れないって? そんなことはない。幸恵はセックスには淡白な方で、普段自分の方から求めてくることはない。ぼくの方が、雰囲気を盛り上げていって、やっと幸恵はその気になる。週に3回は幸恵を抱いているから、外で浮気などするわけがない。
 ただ、酔って帰ってきたときだけはちょっと違う。シャワーも浴びずに、ぼくに迫ってくるのだ。
 それなら、酔ってるときに浮気してないかって? それもないな。シャワーも浴びないで迫ってくるって言っただろう? だから、男の臭いがあれば絶対分かるんだ。汗やアンモニアの臭いがしても、コンドームやザーメンの臭いがしたことは一度もない。

 「これでいいかい?」
 「ちょっと待って、お料理、こげちゃうから。テーブルの上に置いておいて」
 「ここに置いておくよ」
 ぼくに文句を言った割には、幸恵は、エプロンをして台所で何か料理を作っている。この申込書を書かせる口実か。そうに違いないとぼくは思いながらモニターへ向かった。

 「できたわよ。こっち、来て」
 30分ほどして、幸恵が飯を茶碗によそいながらぼくを呼んだ。
 「待って、すぐ行く」
 書きかけの原稿をセーブし、パソコンをサスペンドにして、ぼくはテーブルに付いた。
 箸を動かしながら、幸恵は左手に持った申込書を点検している。
 「これでいいわ。これ持って、明日の午後3時に集会所に行ってね」
 「明日!?」
 あまりの性急さに、ぼくは驚いて箸を止めた。
 「善は急げよ。毎週水曜日と土曜日に集まっているらしいからね」
 「毎週水曜日と土曜日か・・・・」
 「愛するわたしのために、お料理を作ってくださいな」
 悪戯っぽく、幸恵がぼくに微笑んだ。ぼくは、ちょっと口を尖らせて、仕方ないなと呟く。
 「ところで、何、書いてたの?」
 「何って?」
 「さっき、モニターに出てたやつよ。留学とか麻薬組織とか端に書いていったでしょう?」
 「見たのか?」
 「目に入っただけよ」
 野菜炒めを口に放り込みながら、幸恵はすましてそう言った。ぼくも箸を動かしながら、答える。
 「小説でも書いてみようかと思ってね」
 「小説!?」
 「そう」
 「どんな? どんな小説?」
 「内緒、内緒」
 ぼくは言わなきゃよかったと、少し恥ずかしげに下を向いた。
 「教えてよ」
 ぼくの顔を覗き込みながら、幸恵が聞いた。
 「できたら、最初に見せてあげるよ」
 「まだ見せられないの?」
 「ぜんぜん。今は話しの筋道を立てているだけだからね」
 「そうなの。分かった。できあがったら見せてね」
 「はい、はい」
 そう答えたが、ほんとは見せたくなかった。性的表現の入った小説なんて書いているのを見せたら、幸恵に軽蔑されそうな気がしたからだ。しかし、できあがったら、見せざるを得なくなった。ま、いいか。幸恵が男を知らない処女だって言うんじゃないからな。そう納得させて、ぼくは箸を置いた。

 「美味かった。ご馳走様」
 「明日が楽しみ」
 幸恵が立ち上がったぼくを見上げて微笑んだ。
 「えっ!? 何て言った?」
 「明日が楽しみって、言ったのよ」
 「どう言う意味?」
 ぼくは首を傾げる。
 「あら、言わなかったかしら? その男子厨房に入ろう会で作った料理をみんな持って帰るのよ。夕食として」
 「夕食として!?」
 「そうよ。だから、楽しみって言ったの」
 「なるほどねえ。だけど、美味いものができるのかねえ」
 「結構美味しいものができるって、佐々木さんの奥さんが言ってたわ」
 佐々木さんというのは、このアパートの隣の住人だ。旦那は何処かの商社に勤めているらしい。一戸建ての家を建てているらしく、もうすぐこのアパートを出ていくことになっている。
 「へえ、そうなの?」
 「克也がひとりで作るって言うんだったら、何ができるか分からないけど、みんなで協力しあって作るから、美味しいものができるそうよ」
 「あ、なるほどね」
 「料理の仕方を覚えたら、家でも作ってくれるといいわね」
 「俺に主夫しろって言うんだな」
 「稼ぎが増えるまではね」
 「仕方ないな」
 ぼくは軽く溜息をつく。

 食事の後片づけを始めた幸恵の後ろ姿をじっと見ていた。確か生理は今朝で終わると言っていた。一週間待ったを食わされて、ぼくは自分の欲望を抑えられなかった。生理じゃなかったら、幸恵が許してくれるのなら、毎日でも幸恵を抱きたいと思っているんだから。
 ぼくは、そっと立ち上がって、幸恵の後ろに廻って腰を抱いた。
 「克也! 止めてよ。お皿を落とすところだったわ」
 「可愛いよ」
 ぼくは、幸恵の首筋に軽くキスした。
 「分かってるから、片づけが済むまで、ちょっと待ってよ」
 「・・・・早くしろよ」
 ぼくは、ちょっとふてくされて、テーブルに戻って幸恵が入れてくれていたお茶をすすった。
 片づけが終わって、すぐにぼくのそばに来るのかと思ったら、米をとぎ始めた。明日の朝食の分だ。早くしてくれよ。そう思いながら、ぼくは勃起しているペニスで膨らんだ股間を恨めしげに眺めた。
 キッチンからバスルームへ幸恵は消えていった。バスルームから、ざあざあと言う音が聞こえ始める。風呂に入るつもりらしい。くそ! ぼくは股間のやんちゃ坊主をなだめるのに四苦八苦していた。
 「ずっとシャワーだけだったから、綺麗にしておきたいの。克也もその方がいいでしょう?」
 待たせているのが悪いと思ったのか、申し訳なさそうに幸恵が言った。
 「そうだね」
 ぼくは肩を竦めてそう答えた。汗だけなら、結構燃えていいんだけど。生理が終わったばかりだもんな。いくらなんでも・・・・。
 「克也。久しぶりに一緒に入ろうか?」
 ブラジャーを取りながら、幸恵が裸の上半身をリビングに見せてぼくに尋ねた。今日は幸恵の方がそれとなく誘っているようだ。
 「す、すぐ行く」
 お茶の残りをグッと飲み干して、ぼくはバスルームへ直行した。裸の幸恵の後ろ姿が、バスルームへ消えた。ぼくは大急ぎで着ているものを脱いだ。やんちゃ坊主は天を向いている。ちょっと恥ずかしくなって、両手で押さえて中に入った。幸恵は体を洗っていた。
 「先に暖まって。もうちょっとの辛抱よ」
 そう言いながら、幸恵はぼくの股間を見てにっこり笑った。ぼくは、股間をお湯でさっと流すと浴槽にざぶんと飛び込んだ。
 湯船の中から、幸恵が体を洗う姿をじっと見ていた。首筋、乳房を石鹸の付いたタオルが動く。
 「克也あ。そんなに見ないでよ。恥ずかしいじゃないの」
 ぼくは黙って見つめ続けた。
 「克也のばか」
 洗面器に入ったお湯を頭からかけられた。ぼくはぶるぶると顔を洗う。幸恵はぼくに背中を向けて、体を洗い続ける。なんだよ。自分から誘ったくせに。ぼくはちょっと膨れた。
 幸恵と付き合い始めて8年。結婚して2年になるけど、今でもどうも女の気持ちが分からない。ぼくは股間をいきり立たせたまま、幸恵の背中をじっと見つめていた。
 「さあ、交代よ」
 促されて、ぼくは浴槽を出て体を洗った。勃起したペニスが石鹸で刺激されて痛い。
 「何見てんだよ」
 「決まってるでしょう?」
 「恥ずかしいから見るなよ」
 「さっきはわたしのこと、見てたじゃないの」
 そう言われて反論できずぼくは黙り込む。少し萎えてきたような気がする。洗い終わって、体の石鹸を流した。
 「綺麗になった?」
 「ああ」
 幸恵が浴槽から出てきた。アッと言う間に、ぼくのペニスに食らいついた。
 「ここでするのか? 幸恵」
 何も答えず幸恵は続ける。爆発しそうになる。
 「幸恵。ベッドに行こう」
 幸恵が悪戯っぽく顔を上げた。
 「そうね。口の中より、わたしの中に出した方がいいんでしょう?」
 「当たり前だろう?」
 そう答えたが、本心は違う。幸恵の可愛い口の中に出したかった。しかし、出ないのだ。これまで、幸恵にそうされて、何度か出そうと試みたことがある。しかし、いくら頑張ってもどうしても出せないのだ。
 スポーツ新聞や雑誌に載っている、その手の記事にはフェラチオされて口の中に出す記事が一杯載っている。しかし、ぼくはだめだ。ぼくの心の奥底に、そんなところに出しちゃだめだという罪悪感があるのだと思う。
 体を拭いていると、幸恵がまた食らいついてきた。こんなことは初めてだ。気でも違ったのではないかと疑ってしまう。
 「幸恵。ベッドでしよう」
 「うふふ。可愛いわ」
 「ええっ!? 何だって?」
 決して小さくはないと思っているのに・・・・。
 「可愛いってどういう意味だよ!!」
 ぼくは憮然としてそう言った。幸恵は言い訳じみた返事をする。
 「小さいって言う意味の可愛いじゃなくてね。・・・・とにかく可愛いのよ。大好きよ」
 訳が分からない。ま、いいか。こんなこと詮索しても仕方がない。気を取り直して、ぼくは幸恵を抱き上げてベッドルームへ運んだ。
 幸恵はぼくのペニスにむしゃぶりついたまま、いつまでも舌を使っている。心地よいのは確かだが、出ない以上、中途半端な気持ちは変わらない。
 「幸恵。交代、交代」
 まだ離さない。仕方なくぼくは、幸恵の腰に手を回して引き寄せた。幸恵がぼくのペニスから手を離さないと言うのなら、こうするしかない。
 シックスナインの体勢になって、ぼくは幸恵の股間に舌を這わせた。そこは凄いことになっていた。幸恵の排出した愛液で、べたべただったのだ。ぼくはそれをすすった。しかし、あとからあとから沸いてくる。
 幸恵がとうとうぼくから離れた。今度はぼくが幸恵を攻める番だ。
 クリトリスと襞を舐め回しながら、両手で両方の乳首を抓んだ。幸恵はのたうち回り、声を上げる。
 「隣に聞こえるよ」
 「聞こえたって、いいわ」
 「俺たちは兄妹って事になってるんだよ」
 「だって、気持ちいいんだもの」
 「少し声を小さくしろよ」
 「分かってるわ。克也。もう来て」
 「まだだ」
 「意地悪! 早く来てよ」
 ぼくはまだ行かない。うんと焦らしてやる。ぼくはサディスティックな喜びを感じながら、幸恵が感じて体を捩るのをじっと見ていた。
 「もうだめ。早く、早く」
 「そんじゃ、いくぞ」
 ぼくは幸恵の唇を吸いながら、ゆっくりと腰を沈めた。幸恵が締め付けてくるのが分かる。いつもより随分興奮しているな。そう感じた。
 「もっと、もっと衝いて! もっと激しく!!」
 ぼくは腰を激しく動かした。幸恵は、シーツを握りしめ、声にならない声を上げる。ぼくの興奮も最高に高まってきた。今日は、一緒にいけそうだ。
 「ううっ!」
 「来てえ!!」
 「ぐふぁっ!!」
 ぼくのペニスがぼくの欲望のすべてを乗せて、幸恵の中に熱いほとばしりを送り込んだ。その瞬間、幸恵の体が硬直し、ぼくの腕の中でがくがくと痙攀した。
 「ああうっ!」
 ようやく幸恵が声を出した。そして、ぼくの胸に顔を押しつけ、ぼくの背中を抱きしめてきた。
 ぼくと幸恵は同時に達したようだ。今日は最高だった。
 「よかったよ」
 「・・・・」
 「幸恵? どうした?」
 「・・・・もう。聞かなくても分かるでしょう?」
 「ごめん」
 「あ、まだじっとしていて。あなたを感じていたいの」
 ぼくはまだ幸恵の中にいる。時々、ぎゅっと締め付けてくるのが分かる。幸恵は余韻を楽しんでいるのだ。
 5分もそうしていただろうか? ぼくは萎えてきたのを感じた。ゆっくりと幸恵の中から抜け出してくる。
 幸恵は快感で眠り込んでしまった。ぼくは、仕方なく後片づけをした。可愛いな。幸恵のそこを見ながら、そう思った。そのとき、幸恵がぼくのペニスに向かって可愛いと表現した意味が分かった。そう言うことか・・・・。
 寝息を立て始めた幸恵の隣で、ぼくも眠りに落ちていった。