洋治は壮一の背中を足で踏みつけて動けないようにしてから足の手錠を外し、後ろ手に手錠を掛けなおした。それからダイニングから持ち込んできた椅子の上に背もたれに向かって壮一を座らせたあと、両足を椅子の脚に縛り付けた。
そうしてからいったんバスルームから出て行き、しばらくして素っ裸になって戻ってきた。その手には、濁った液体の入ったイリゲーターと呼ばれる容器とそれに繋がるゴム製の管、そして鋏を持っていた。
「さあ、始めようか」
「わまら(やめろ)」
口の中の異物のせいで言葉が言葉にならない。
「おまえにマゾの喜びを教えてやる」
洋治は壮一の後側に跪いて壮一のはいていたショーツの股の部分を切った。
「わまら(やめろ)」
「ふん。いい加減に黙っていろ」
露わになった壮一のアヌスに洋治は石鹸を付けた指を差し込む。
「ぐぐぐ・・・・」
「さすがに処女だ。締まりが違う」
そんなことを呟きながら、指を何度も出し入れした。指を引き抜くと、洋治はゴム管を壮一のアヌスに挿入した。その先端から30センチばかりの位置から出ている細い管を手に取り、注射器で空気を入れ始めた。
「壮一、ゴム管が抜けないようにしてるんだ。もう少し待ってくれ」
洋治は薄笑いを漏らした。壮一は肛門の中で何かが膨らむのを感じていた。
「さあ、準備完了だ。壮一、今からおまえが大好きなものを入れてやるからな」
洋治は、イリゲーターから出ているゴム管の途中にあるバネを外した。イリゲーターの中にある濁った液体が壮一の中に注入されていった。
「あぐ、あぐ、あぐ」
「最初はこれくらいかな」
イリゲーターの半分ほどの液体が入った。壮一の腹の中で液体が暴れ始めた。壮一は喘いだ。
「さあ、苦しめ。苦しんだ分、あとの快感が大きいぞ」
「あう、あう、はあ、はあう、くくくくく・・・・」
「出したいか」
壮一は首を横に振る。他人の見ている前で排泄などできない。
「出したいと言っても出させてはやらん。まだまだだ」
居ても立ってもいられない。走り出してしまいそうだ。壮一は歯を食いしばって我慢した。しかし、もう耐えられない。意識が消えそうになる。
アヌスの中の緊張が急に消えた。アッと思った瞬間には、壮一は排泄を始めていた。止めようと思うのに、止められなかった。
「いっぱい出ているぞ。どうだ? 排泄するという快感は? 我慢したかいがあっただろう?」
恥ずかしさと屈辱で涙を流しながら、壮一は首を横に振った。排泄が終わると、洋治はイリゲーターの中に液体を追加した。そうして、もう一度ゴム管を壮一のアヌスに挿入して液体を注入し始めた。
「今度は、700くらい入れるかな?」
そう言いながら、タイルの上にホースで水をまき、汚物を洗い流した。
「さあ、これくらいだ」
再び、痛みとの戦いが始まった。そして、排泄。再び注入。こんどは1000CCだった。ほとんど失神しそうになりながら、壮一は排泄を続けた。
「綺麗になったようだな」
洋治が呟いた。ぼんやりと見る足元の汚物は、ごく薄い黄色に変わっていた。
それから壮一は、足を固定されていた縄を解かれ抱き上げられてベッドルームに運ばれた。壮一は排泄後の虚脱感でもはや抵抗するどころではなかった。丁度地下室から床下に出てきたばかりのような状態だった。
ベッドの上にうつ伏せに投げ出された壮一は、アスファルトの上にたたきつけられた蛙のようにぐったりとしていた。
「ぐふっ!」
アヌスに異物感を覚えた。洋治が壮一のアヌスに指を入れたのだ。今度はゼリーを指に塗っていた。何度か出し入れしたあと、入れる指を二本に増やした。
壮一は逃げるような仕草をしたが洋治によって簡単にうつ伏せに戻された。
「どうだ? 感じるだろう?」
こんなことをされてどうして感じるのだろうかと壮一は不思議に思いながら、沸き上がってくる快感に酔い始めていた。
洋治は、男を喜ばせたことはなかったが、前立腺あたりが感じることは知識として知っていた。だから、壮一が感じて悶えているのを面白がって見ていた。
そうするうちに、洋治のペニスは怖いほどいきり立ってきた。久しぶりにこれほど興奮するなと思いながら、壮一の横顔を見た。
壮一の顔は絵理子そのものだ。どうやって作ったのかはわからないが、大きな乳房もブラジャーからこぼれ落ちそうになっている。うつ伏せだから、醜いペニスも睾丸も見えない。見えるのはもはや受け入れの準備が整った壮一のアヌスだけだ。
洋治はいきり立っているペニスを壮一のアヌスにあてがった。壮一は、何をされるのかわかってはいるようだが、抵抗する素振りを見せなかった。イヤ、抵抗できる状態ではなかった言う方が正しい。
「グウ・・・・」
洋治のペニスの先端が壮一のアヌスに刺さった。壮一は思い出したように抵抗する。しかし、上から洋治に身体を押さえつけられてどうにもならない。
(肛門は締まると聞いていたが、絵理子の膣もこれくらい締まっていたな。絵理子は素晴らしい女だったのに・・・・)
そんなことを思いながら、ギュッギュッと壮一のアヌスが締め付けるのを洋治は楽しんでいた。
ゆっくりと出し入れすると、壮一のアヌスは洋治のペニスを飲み込んでいった。まるで膣を使ってセックスしているかのように、粘液がペニスの周りから溢れ出てくるのを、洋治はちょっと感慨深げに見ていた。
一方壮一の方は、感じまいとしているのに、嵐のように押し寄せてくる快感に身を翻弄されていた。
口に咬ませられているギャグボールの間から、唾液が流れ出てシーツを濡らした。快感による嬌声と悲しみよる泣き声が一緒になって壮一の口から漏れた。
洋治は両手を壮一の腋のあたりに突いて腰を動かし続けた。
(いつもの絵理子との風景と同じだ)
そんなふうに洋治は思っていた。壮一が身体を痙攀させ始め、洋治も上り詰めてきた。
「壮一! イヤ、おまえは今日から絵理子だ! おまえはわたしのものだ!!」
洋治が壮一の中でその思いを吐き出したとき、壮一は全身を硬直させた。
思い出すたびに壮一は涙を流した。忘れようとしてもアヌスの痛みがあの屈辱を壮一に思い出させた。
(男に犯され、しかも感じてしまうなんて・・・・)
洋治は部屋の中には居ない。会社に出かけたのだ。壮一は、洋治が出かける前に再び椅子に縛り付けられていた。昨夜と違うのは、背もたれに背中を向けたふつうの座り方で縛られていることだ。
洋治の縄の縛り方は年季が入っているようで、いくら足掻いても緩まなかった。緩むどころが動けば動くほど締まってくるのだった。昼近くになって、壮一はとうとう諦めて椅子の上でぐったりとなって眠った。
ドアの開く音で壮一は目を覚ました。洋治はその手に大きな袋を抱えていた。
「大人しくしていたか? 絵理子」
洋治は、壮一のことを絵理子と呼んだ。ずっと絵理子の代わりをさせるつもりだ。おぞましさで壮一は身震いした。
「腹が減ったろう? 飯を食わせてやる」
飯を食わせてやると言われて、壮一の腹がクウと鳴った。
「縛ったままでは食えないから、縄を解いてやる。ただし、これを付けて貰うぞ」
洋治は袋の中から何やら取りだした。それはステンレスのような素材でできた首輪だった。太いチェーンも付いていた。
抵抗しようとする壮一の首に、洋治は首輪を填めて真鍮製の鍵をかけた。壮一を抱き上げてベッドルームに戻りベッドの上に壮一を置くと、チェーンの端をベッドの金属枠にこれも鍵で固定した。
「さあ、これでよし。戒めを解いてやるからな。大人しくしていろよ」
縄が解かれ、ギャグボールが外された。洋治に飛びかかって鍵を奪おうと思った壮一だったが、半日縄で縛られていたせいで、手足がしびれて動けなかった。
洋治は、チャーハンとスープの載ったトレーを壮一のそばに置くと、少し離れた場所に座って壮一を見つめた。
「ホントに、絵理子がそこにいるようだ。・・・・その似つかわしくないものがなかったらな」
鋏で切られたショーツは取り去られたらしく、壮一は何も穿いていなかった。ネグリジェとブラだけだった。壮一は思わず、ペニスと睾丸を手で隠した。
「さあ、食べるんだ。それとも、ハンガーストライキでもするつもりか?」
もう一度腹が鳴った。壮一はゴクリと唾を飲み込んだ。
「いつまでこんなことをするつもりだ?」
「いつまで? ふたりを死が分かつまでさ」
壮一はぞっとする。
「あんなことをして、どこがいいんだ。あんたは気が狂ってる」
「おまえにはまだ理解できないだろうが、そのうち自分からそうしてくれと言い出すようになる」
「そんなことは金輪際ない!」
「ふふ。まあ、強がりを言ってろ」
「こんな鎖、引きちぎって逃げ出してやる!」
とても引きちぎれそうにはなかった。しかし、あの地下室から逃げ出せたという自信が壮一にそう言わせたのだった。
「逃げ出す? 逃げ出してどうするんだ?」
「警察に行って、ボクが無実だと言うことを訴えるんだ。岡崎常務を殺していないし、ボクの身代わりも殺してはいないって」
壮一は胸を張る。
「それを信じてもらえるかな?」
「信じるさ」
「ずいぶん自信があるようだが、おまえが岡崎を殺したというのは動かせんぞ。わたしには完璧なアリバイがあるし、おまえには指紋というう確たる証拠があるからな」
「あれは、人工皮膚で作ったって言ったじゃないか」
「その証拠は? それに人工皮膚を作れるのはおまえしかいないのではないか?」
「絵理子がいる」
「その絵理子は、もう口をきけない。死人に口なしだ」
そう言われて壮一はハッとする。
「岡崎の殺人と替え玉殺人だけじゃないな。田倉壮一というアイデンティティーを失ったおまえは、絵理子になりすますために絵理子を殺したのだ。その罪も加算される」
「絵理子を殺してなんかいない。絵理子は自分で死んだんだ」
「そうか? あんなところに閉じこめられれば、誰だってあの穴から逃げ出そうとする。脱出しようとしたら穴が崩れるように細工して、絵理子を殺したのだ」
「そんなことはしていない。あれは事故だ」
「それを誰が証明する? それに細工をしていなかったとしても、ああなることは十分予想できたんだ。未必の故意というヤツだ。絵理子の死におまえは責任があるんだ」
壮一が脱出するとき、あの穴が崩れ、危うく窒息するところだった。絵理子があの穴をもう一度掘ろうとすれば、崩れて埋まる可能性はあったのだ。絵理子に対する恨みから、そうなることを予想しながら放置したのかもしれない。絵理子の死は壮一に責任があるという洋治の言葉に、壮一はもはや反論できなかった。
「田倉壮一に戻れば死刑だ。おまえは田倉絵理子として生きるしかないんだ。田倉絵理子として生きると言うことは、わたしの可愛い奴隷になると言うことだ。わかったか!!」
「いやだ!」
「イヤだと言っても、他に選択枝はないのだ。おまえは絵理子になるんだ。田倉壮一と言う名前はもう忘れろ。さあ、黙ってそれを食え!」
涙がこぼれた。壮一はどこで間違いを犯したか考えてみた。しかし、どう考えても、現状を回避できなかった。結局、こうなるのが壮一の運命だと結論せざるを得なかった。
壮一は、スプーンを手に取ってチャーハンを食べ始めた。洋治は、そんな壮一の様子を満足そうな笑みを浮かべて見ていた。
午後の仕事のために洋治が出かけていったあと、壮一はもう一度考えた。壮一の無実が証明できなければ、死刑は免れないだろう。ならば、絵理子として暮らすことを選択した方が良さそうだ。しかし、洋治のおもちゃとして生きる必要はない。何とか逃げ出そうと決めたのだった。
逃げ出したとき、洋治が壮一のことを密告する可能性があることには、壮一は気づいていなかった。ただ、あの屈辱を二度と経験したくないと言うそれだけだった。
逃げ出すために、壮一は首に継がれたチェーンを切ろうと奮闘した。しかし、チェーンはあまりに太く、とても人力では切ることはできなかった。
壮一は、鍵に注目した。鍵は真鍮製のシリンダー錠だった。ピッキングという技術が使えるタイプだったが、壮一はそんな技術は持っていなかった。結局、自由を手に入れることはできなかった。
壮一はベッドの上に移動して天井を見ながら考えた。
「こうなったら、叔父の言うことを聞く振りをして首輪を外させるようにするしかない。そのためにはしばらくの間は、あの屈辱を我慢しなければならないだろう」
自由のためには困難が存在する。それが壮一の出した結論だった。
午後7時過ぎ、洋治がマンションへ帰ってきた。
「食え!」
ハンバーガーと牛乳のパックを壮一に差し出す。体力だけは落とせないと、壮一は黙ってそれらを受け取って食べた。
食べ終わる頃、洋治が縄やろうそく、電動のディルドーなどを持って壮一のそばに戻ってきた。
洋治を油断させて鍵を奪うという計画を実行するためには、大人しくしていた方がいいのだろうけれど、急に態度を変えれば怪しまれてしまう。壮一は迫ってくる洋治に力の限り抵抗した。洋治に何をされるかわからないという恐怖もあったのだ。
「近寄るな! この変態!!」
そんな壮一を、洋治は獲物を捕まえた猫のように、楽しみながら迫ってきた。壮一の反撃をかわして頬をたたき、蹴りをかわして足を持って床にたたきつけた。
ちょっと油断した隙に壮一は腕と足を縛られてしまった。
「糞!! 止めろ!」
「はっ、はっ、はっ。もっと抵抗しろ。はっ、はっ、はっ」
縛られた足をばたばたさせていると、その足も動かせないように固定されてしまい、壮一は両手は背中で縛られ、膝を胸につけて丸くなった状態で芋虫のように床の上に転がされた。
「止めろ! 止めろ! 止めろ!!」
「うるさい!! 女の癖して、そんな声を出すな」
ギャグボールを咬ませようとするので歯を食いしばっていると、洋治は壮一の鼻を摘んだ。息ができずに苦しくなって息をしようと口を開いた瞬間、ギャグボールを押し込まれてしまった。
「うわうえろ(やめろ)!」
「なに? はめろ? そうか、これが欲しいか?」
洋治は、黒光りする電動のディルドーを手にした。壮一は慌てて首を振ったが、洋治はわかっていてやってるのだ。そんな壮一の願いは当然のごとく無視した。スイッチを入れると先端がウイウイと音を立てて回った。壮一は息をのんだ。
逃げようにも身動きできなかった。洋治は、薄笑いを浮かべて壮一の顔を覗き込みながら、アヌスに何やらベタベタしたものを塗り込み指を差し入れた。
「ぐうう・・・・」
「気持ちいいか? こいつはもっと気持ちいいぞ」
ディルドーを壮一の目の前に差し出す。洋治のペニスよりも太いように思われるディルドー。壮一は絶望的な気分になった。
アヌスにヒヤリとした感触がした。ゆっくりと回すようにしてアヌスに押しつけられた。いくら足掻こうとも逃げられない。壮一は覚悟を決めた。
「グググウウウ・・・・」
激痛がアヌスから骨盤全体に走った。アヌスが激しく痙攀した。締め付けるたびに痛みが走った。壮一は、口を開いて力を抜く努力をするが、その痛みは一向に治まらなかった。
洋治は、ディルドーをゆっくりと前後させる。
「ういつあい、ういつあい(いたい)」
しばらくすると、あれほどの激痛は弱まり、わずかな痛みとともに何とも言えない快感が沸いてきた。壮一にはその事実が信じられなかったが、本当だった。
「ふああ、ふあああ、はふあふあ・・・・」
壮一の発する不鮮明な言葉が変わってきたのを察すると、洋治が壮一の顔を覗き込みながら嘲笑するように言った。
「気持ちいいだろう? おまえはこんな太いものを入れられて悶えているのだ。ほら、見ろ。おまえのペニクリが勃起してきたぞ。はっ、はっ、はっ」
見えないけれど、ペニスから痛いような緊満感が伝わってきていた。こんなことをされて感じている自分が情けなかった。
それから洋治は、ディルドーを動かす手を離して、細いヒモでディルドーが抜けないように固定した。
「さあ、もっと気持ちよくさせてやるぞ」
「はふうう・・・・」
頭にガツンと激しい刺激が伝わってきた。周期的に刺激が繰り返される。ディルドーのスイッチを入れたのだ。壮一は喘ぐ。その様子を洋治は、少し離れた位置でにやにやしながら見ていた。
(どうして? どうしてだ?)
壮一は上り詰めようとしているのに気がついた。
(嘘だ! こんなオモチャで行くはずがない。嘘だ! 嘘だ!!)
そんな壮一の思いとは裏腹に壮一は絶頂を迎えようとしていた。
(イヤだ、イヤだ。イヤだ・・・・)
ペニスがビクビクと痙攀し精液を吐き出し始めた。それに合わせて壮一の身体も痙攀を繰り返した。
「はっ、はっ、はっ。行ったぞ。ついに行ったぞ。絵理子、気持ちがいいか?」
洋治は大袈裟に両手を叩く。壮一は悔しさに涙を流す。ペニスの先からはもはや精液は出ていなかった。しかし、痙攀は続き、そのたびに壮一は快感を覚えていた。
意識が朦朧となり、壮一は涎を流し続けた。20分以上もの間、治まらない興奮に身体を痙攀させ続けていた壮一は、とうとう意識を失った。
壮一が目を覚ましたのは、それから1時間ほどたってからだった。ギャグボールは外され縄は解かれて、首輪がつけられてベッドの上に転がされていた。
「気がついたか?」
壮一は返事をしなかった。
「飲むか?」
洋治がコップに入ったウーロン茶らしいものを差し出した。それを見て、壮一は喉がカラカラに渇いているのに気がついた。コップを受け取り、アッという間に飲み干した。
「絵理子、明日は何をして欲しい?」
「ボクは絵理子じゃない! 壮一だ!!」
「その名前は忘れろと言っただろう? 今度またその名前を口にしたら、舌を引っこ抜いてやる。わかったか!」
その恐ろしい剣幕に、壮一は思わず息を飲んだ。