第51次教育研究大分県集会(2001年11月17,18日)



 今年の集会は稙田東中学校で行われ、“自然への興味・関心を高めるための教材・教具の工夫”というテーマで足立司先生が今まで研究してきたことを発表しました。
 発表の内容を、概要報告で紹介します。



1.はじめに
 臼杵市には6つの中学校があり、その多くは海岸部や山間部など豊かな自然環境の中に立地している。また、市街地にも緑が多く残されており、市内中心部から周辺の海や山へ出かけることも容易である。しかし近年は、臼杵市においても自然体験の極端に乏しい生徒が目立つようになってきた。
 身近にある自然の豊かさを知らせることで、自然への興味・関心を高めたい。生活の中にある不思議さに気づかせることで、自然への驚きや探求心を呼び起こしたい。そう考えて、この主題を設定し、身近な自然を授業に取り入れるための工夫や効果的な教材・教具についての研究を行ってきた。

2.研究内容
 ☆授業研究
 (1)題材「背骨のある動物たち」

 「たのしい授業」の授業書に基づいた実践である。前時の授業プリントには、生徒の手で動物の名前がびっしりと書きこまれ、意欲的な活動のようすが感じられた。教具として、多数の大判カラー写真が使われ、効果的だった。生態写真を見ながら、自分なりの観点で分類を行う活動に、どの生徒も楽しそうに取り組んでいた。授業に必要な写真カードは後述の「臼杵理科サークル」のwebページからダウンロードできる。

 (2)題材「力の合成と浮力」
 「排水口に押し当てた硬質スポンジは浮き上がるか?」をメインの課題として授業を行った。浮力の性質と原理の理解を「ねらい」に、クイズ形式で小さな課題を提示しながら展開した。小さな課題として提示したのは、水中でもはたらく重力の大きさが変わらないことを示す実験と、深い場所ほど大きな水圧がはたらくことを示す実験である。実験の結果に驚きがあり、生徒の集中力を持続させることができた。

 (3)題材「直列回路と並列回路の電流と電圧」
 演示用の大きな実験器具を用いて授業を行った。電流や電圧のようすを、電球の明るさの違いとして直感的にとらえさせる事ができた。また、電力の概念を生徒に発見させる上でも効果的だった。3時間目にもかかわらず回路図を正確に描けたり、手慣れたようすで実験に取り組めたりしていたのは、指導者が技術科の授業も担当しているからであった。授業内容の精選や合科の観点からも参考となる点の多い授業だった。

 ☆教材データベースの作成
 教師が必要とする教材を迅速に得るためのデータベースとして、スクールネットシステムの活用が有効であると考えた。第47次教研で報告した「教材地図」をはじめ、各自が持ち寄った自作の教材・教具や指導案などのデータをwebページとして閲覧できるように構成した。ユニークな教材や素材を入手したいときの販売店の紹介など、より便利なものとするために、項目の追加と内容の充実を行っている。

3.研究の成果と課題
  • 身近な素材を使って作成した教材・教具を用いることにより、生徒の興味・関心を引き出すことができた。
  • 生活体験や既習の学習内容をもとに仮説を立てるなど、活動の場を取り入れた授業展開によって生徒は意欲的に学習に取り組むことができた。
  • 各自の考えをグループや学級の中で出し合い、議論するなかで、相互理解が深まり、協力して学習にあたろうとする態度が生まれた。
  • 会員が各自で持っていた教材や資料を持ち寄り、データベース化する取り組みは、お互いの刺激となり、研究への意欲が高まった。
  • 地域の自然や身近な素材を生かした教材・教具の開発・工夫とともに、それを授業の中でどのように活用していくかについて、さらに研究を深めていく。
  • 授業の中では生徒が活動する場面を設定し、それに必要な時間を十分に保障できることが望ましい。時間の制約がある中で実践を進めるために、授業内容の精選と課題の吟味を進める。
  • データベース化にあたっては、特定の個人に頼っているのが現状である。負担軽減のために、他の会員の技量を向上させる。



 お疲れさまでした。代表は佐伯支部の池見竜治さんが発表した“「自分で考え自分で進める理科学習」のあり方”に決まりました。池見さんには全国大会でがんばってきてほしいですね。

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