ソフトパークのI.S.S.は
        ハイパーコアラのベース基地

 新しい基地ができた。  わんぱく盛りの頃、段ボール箱や板っきれを集めて“基地”を作ったものだ。リア ルの目で見ればみすぼらしく頼りない戯れの空間であっても、当人にとってはそこは ピーターパンの木の洞窟になったり宇宙基地になったり、と、バーチャルな夢溢れる 空間であった。  今、次の世紀を目前にして、ネットワーク空間、サイバー空間に誰もがわくわくと 夢膨らませているし、世界のあちこちでそこへの出入口を作ろう、さらには空間を広 げる基地を作ろう、と、一斉にあのわんぱく的フロンティア精神が老若男女を問わず 巻起こっている。  そして、いち早く大分に基地ができてしまった。  ここからサイバー空間に飛び立つことができる。  それを利用して友だちを作り、知識欲を満喫させたり笑ったり泣いたり怒ったり、 、、リアル社会での生活や仕事の役に立てたり、さらにはベンチャービジネスに発展 させたり、と、それを使うことの夢を腹一杯膨らませることができる基地。考えよう によってはわんぱく“基地”以上に楽しそう。  この基地は、今までのニューCOARAとそれを研究対象としてきたハイパーネッ トワーク社会研究所が合体同居したもので、まさに「ハイパーコアラ」と呼べる処だ ろう。  何しろ日々刻々変化・進化するネットワークは研究抜きには維持さえできないだろ うし、逆にやってみなければ研究の問題点を明確にし難く、まさに走りながら考える 柔軟性がなければネットワークは造ることも維持も研究も難しい。  例えば県民、市民、産、学、官、ネティズンの賛同を得て、NTTのマルチメディ ア実験を契機にハイパーネットワーク(注1)を創ろう、と、スタートしたのが平成 6年2月(注2)。それから二年が過ぎたが、その二年の間にネットワークの作り方 も、ダウンサイジング、分散化等の大潮流があったとしても、再度の集中化と大規模 化が起こっている。  公文俊平所長の方針を受けて当初は、 「これからはセンターと呼ばれるような一極集中のネーミングはインターネットの分 散多極指向には似つかわない。マルチメディア実験のサーバー設置場所は、“サーバ ーセンター”というよりも情報(Information)をサービス(Service)する基地(Station )として考えて、それらはあちらこちらに設置しよう。  光ファイバー引き込みカ所が20カ所あるならば、少なくとも20のI.S.S.が できることになる、と、考えよう」 とスタートしたが、時代を先取りする通産省の先進的アプリケーション整備事業を突 き進めれば進めるほど、ビデオメール等を実現させる最先端高機能のマシン集積が必 要となり、センター的な機能が求められてしまった。それだけではない。インターネ ットの暴発はコアラ入会者の数の暴発になって大量の利用者に耐えうる設備や事務局 を要することとなってしまった。まさにネットワークの“センター機能”が求められ ている。  でも、ここはせっかくだ、センターと呼ばず、I.S.S.グループ群の基幹機能部 分を受け持つということで“ベース基地”と呼んではどうか。  つまりは、「ソフトパークのI.S.S.はハイパーコアラのベース基地」となる。  ここに、わんぱくのワクワク気分に応えられるように300ギガを越すサイバー大 空間を設置し、誰でもフラッと来てその空間出入りができるネットワークブースとし て用意しよう、市民・県民が使える簡単なデジタル加工機器も準備しよう、あっちこ っちのI.S.S.で起こるであろうサイバーエネルギーをうまく統合したり再構築す るための専門的ディジタル工房も要員も用意しよう。  さらには、ネットワーク利用の勉強会や研究会、相談会を行って広く県民、市民、 企業、行政などに役立つような場所としよう。  いや、ハイパーネットワークで何かをやってみたい、ネットワークで未来を見てみ たい、何か面白いことをやりたい、と考える人達が集う基地になってくれればもっと いい。  そう、大分はリゾート地がいっぱいだ。  リアル社会で大分外に住む人達にとって、バーチャルで知る大分をリアルに確かめ る場であったらいい。大分に住むネティズンが、県外ネティズンの皆さんをホストと して迎える場であってもいいな。  とにかく「何かが始まる基地」であって欲しいなぁ。 (注1)ハイパーネットワークは、情報化委員会準備会(公文俊平会長/ハイパーネ ットワーク社会研究所が事務局/将来は準備会から本委員会へ改組される予定)が中 心になって、ニューCOARAや豊の国ネット等をベースに、平成7年度以降に実施 されようとしている、NTTマルチメディア実験、通産省「先進的なアプリケーショ ン整備事業」、郵政省「地域・生活情報通信基盤高度化事業」、文部省「へき地学校 高度情報通信設備活用研究事業」等の事業を通じて、順次構築整備されていくネット ワーク群の総称で、特に、中心施設はコアラの機能や会員をベースにしていることか らまさにハイパーコアラと呼ぶべきでしょう。 (注2)平成6年1月12日NTT児島社長の実験構想発表に応じて大分では、大分 県、ハイパーネットワーク社会研究所、ニューCOARA、大分県地域経済情報セン ター、大分商工会議所、大分経済同友会、大分県工業団体連合会、大分県ソフトウェ ア協会、大分青年会議所の連名でNTT実験大分誘致期成会(準備会)として実験地 たらんと立候補した。