日時:平成14年2月13日(水)午後1時30分
場所:第一応接室

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■平成14年度当初予算案知事査定結果について
 私から来年度の予算案について、3点コメントをいたします。
 歳入の方を見ていただくと、税収が大幅に減少いたしておりますし、国からの交付税もカットされております。
 また地方財政計画で公共事業のカットということにもなってます。小泉首相の構造改革ということで、公共事業のカット、交付税のカット、県財政の収入の大幅減、しかも県の財政健全化の2年目でございますので、引き続き県債発行を抑制するということで、昨年に比べて県債の発行を減らしております。
 そういう中で超緊縮型の予算で昨年に引き続き対前年比マイナス、4.9%減という予算になっております(資料「平成14年度一般会計当初予算案(知事査定結果)部局別内訳」参照)。
知事写真
 
 
■雇用対策・景気対策
 その中で最も中心的にやろうと考えた第一番目は、雇用対策及び景気対策であります。
 まず雇用対策は、お手元に資料をお配りしていますが、「平成14年度緊急雇用創出特別基金事業一覧表」、ここに書いたいろんな事業全部に国から来る雇用交付金を前倒しで充てまして、いわゆるセーフティーネット、失業者の方を半年間雇用することができます。
 県分としては43事業で、約12億円、1,155人の雇用、市町村分に12億円、1,500人の雇用、合計2,655人の雇用を創出するということになります。
 さらにその下に書いてありますように、中小企業の経営者の方でこうやって臨時雇用した人をさらに常用雇用する場合には、一人当たりに30万円ないし50万円の奨励金を出すということで、この支援対象者数は30人。
 それから新しく労働の移動性を高めるための職業訓練。これをトライアル雇用とか、IT、福祉の職業訓練、また女性を対象としたパソコン講習等の雇用訓練、高等技術専門校の訓練といったもので、支援対象者数1,334人。全体を足すとだいたい4,000人ぐらいの雇用、または職業訓練というものに対応できるというものであります。
 ご存じのように一番新しいところで、有効求人倍率は全国が0.51でございますが、大分県はこれまで全国の有効求人倍率を上回っていましたが、最近は0.48ということで全国の平均を下回っております。九州は全体の平均が0.40で、大分県は、九州の中では一番高いんですが、全国平均を下回っておりますので、こういった2,655人、約2,700人ぐらいの雇用を創出いたしまして、全国平均の0.5ぐらいのところまでは何とか失業者を雇用していきたいということであります。
 つぎに景気対策ですが、やはり地方においては公共事業の景気浮揚効果というものが非常に高いわけですが、公共事業は国全体がカットした予算になっております。
 そこで、13年度の補正予算、これはもう国会を通りましたが、補正予算の中には公共事業がかなり入っておりますので、これを受け入れて、この補正予算と今度のこの14年度の予算とで、いわゆる15ヶ月予算。これにより、公共事業の量としては昨年の13年度の実際に実施した公共事業の事業量と比較して0.9%増えると思いますが、事業量を確保する15ヶ月予算を考えております。
 補正を入れて、全体で1,149億程度の公共事業予算になると思います。
 こういった在来型の公共事業と、もう一つ、いわゆる光ファイバー、超高速ギガビットのネットワークを大分県全体に張り巡らす予算。国道の下に情報ボックスを作って、その中に光ファイバーを埋めていく。これは一つの公共事業で、地元の業者にもできる仕事でありますから、こういった光ファイバーの超高速のネットワークの事業、これが補正予算で12億円。また地域内でLANを作るとか、こういったいわゆる情報化投資も5.5億円。こういうものを新しい形の公共事業として行う。
 また日豊本線の高速化、これが3億円。13、14、15年度の3年間かけて日豊本線の線路を改修し、スピードアップ化する事業。こういった新しい事業も入れまして、公共事業としてもまず13年度と同じぐらいのことを考えられるということが第一点であります。
 
■3H予算
 第二番目は私が年頭に言いました今年は午年、ホースということで3H予算。「Hope;希望」と、「Heart;愛する心」、それから「Hospitality;おもてなし」という予算で3H予算です。

 まず「Hope」というのは、新しい希望予算。「平成14年度一般会計当初予算案」にありますが、商工労働観光部関係の予算の中にTLO、 テクノロジー・ライセンシング・オーガニゼーション((注)Technology Licensing Organization;技術移転機関)の設置等についての調査研究等を行う「大学等技術移転促進事業」。いわゆる起業家、民間の起業家が新しいアイデアで商品化をする。アイデアを大学に持って行くと、大学がこれを技術的に考案して、新しい特許が出ればそれを登録する。また、大学で開発した新しい技術を使って民間で新しい商品を作っていく。今度大分大学の学長になられた内藤(喜之)先生は東京工大の前学長さんで、全国のTLOの協会の会長もやっておられます。東工大ではすでに民間の企業の人と大学との間にチームを作っていて、民間の企業の方からいろんな商品化のアイデアをもらって、大学がその技術を作り上げて、それをまた民間の人が使う。特許が1年間で169件出たという報告がありました。
 大分の民間の企業と大分大学の工学部、それに県の産業科学技術センターの産学官が一緒になって、そういった企業から出てくる商品化のアイデア、シーズ((注)seeds:種)といいますが、それを技術化し、新しい特許を作って、それでまた新しい製品を作る。こういうことをこれからぜひ本格的にやりたいと思っています。
 もう一つその下に「ナノテクノロジー調査研究事業」。ナノというのは10億分の1、10のマイナス9乗ということです。10億分の1のマイクロチップとか、10億分の1の光センサーとか非常に小さな、超微細技術を開発すると、大きな半導体工場を作らなくても、5ミリ四方くらいの工場、マイクロファクトリーの中で全部、超小型のマイクロチップが出来るというところまで行くのだそうでありまして、今度、液晶を開発したシャープ元副社長の佐々木(正)さんを大分県・産業技術総合研究所(ナノテクノロジープロジェクトオフィス)の顧問に迎えてナノテクノロジーの調査研究に着手をいたします。
 金額はそう大きくありませんが、将来に向けて非常に希望の持てる技術が大分に定着する。  それからその下の「豊の国技能後継者育成支援事業」。豊の国マイスター、大分県の宮大工さんとか、それから鏝絵の職人とか、襖張りの職人、こういった伝統的なものづくり。「ものつくり大学」という大学ができましたけども、これからはこういった旧来の伝統的な職人、こうした人をもっと養成して行く必要があります。
 住宅建設、それからお宮の建設、こういった人を「豊の匠塾」という塾を作って、「豊の国マイスター」というものに認定して、こういう技術を大分の職人に覚えてもらおうということであります。
 特にこのホープ、新しい希望予算として、私が一番激賞し、知事査定で初めてのアイデア賞を出した項目があります。
 それは林業水産部の一番下、「緊急雇用創出竹で干潟のパワーアップ事業」。竹を活用したアサリ等の増殖場の造成。これはご存じだと思いますが、大分県は竹の産地で非常に竹が多いんですが、最近は需要が非常に少なくて、竹が密生して竹藪になってしまっています。そうすると竹というのは60年か何年かに白い花が咲いて絶滅してしまうということで、特に竹の利用というのが一番大切になっております。
 この事業は、中津から香々地までの豊前海の干拓地の干潟に10万本の竹を一定の間隔に植えます。すると稚貝が海流に乗って寄ってきて、1本の竹の下に1万個ずつの稚貝が沈殿する。竹をずっと立ててその下にプラントを造りますから、船で入って密漁で持って行くというようなこともできません。非常に自然環境にもいいし、密漁も防止できて、しかも10万本の竹を植えるわけですから竹の消費拡大にもなる。10月頃から植えて翌年の4月頃になると、その竹の下に稚貝が発生する、こういう竹を活用して、しかもアサリも増殖する。
 今までは母貝団地を造るのに非常に予算を要しましたが、これは竹10万本ですから、国東の竹藪から、竹を全部無償提供か、買っても非常に安く調達できる。竹の消費にもなるし、新しい稚貝の養殖ができるということで、これに4,000万円。  こういった将来に希望の持てる技術を実用化していく予算というのを組んでおります。

 つぎは「Heart」、ふるさとを愛する、人を愛する、愛の心予算であります。
 まずふるさとを愛する県産品愛用、特に大分県のこれから一村一品の野菜、果物、魚、こういった農水産物を地産地消運動で消費拡大を図ろうということで農政部の下から二番目、「輝けおおいた農村女性起業家支援事業」
 いま大分県は農村女性でアンテナショップ。国東の「ゆめ咲茶屋」とか、県内各地の農村の女性が、みなさんそれぞれそこで採れた一村一品を道の駅、里の駅のお店にたくさん出してあります。本県のそういった農村女性の起業家数は全国で3番目です。非常に多い。生産高も非常に多いということで、今度、大分駅のコンコースのところで年4回、それぞれブロック別の特産品を並べ見本市をして皆さんに見てもらう。見本市による販路開拓ということで、こういった起業家の支援事業。
 それからその二つ上の「むらづくり営農組織活動支援事業」。日出町ほか3町にそれぞれに直売場を作って売る。一方、それに合わせて生産者側で特にいま国際競争力が問われている白ねぎ、生シイタケ、こういったものについての国際競争力の強化事業というものをして、大分県で安全、安心の食品をみんなに供給するということで農産物の消費拡大を地産地消運動、ふるさとを愛する運動ということで進めていきたい。
 もう一つ、これから男女共生社会ということで条例も出来ますので、男女共生に対する勉強、そしてまたドメスティック・バイオレンス、子どもの引きこもり対策、こういった予算。これは生活環境部の二番目に「男女共生おおいた推進事業」「女性に対する暴力防止対策事業」、また福祉保健部にある「配偶者暴力相談支援センター設置事業」、こういったことで男女がお互いに愛の心で男女共生型社会を作ろうという予算を計上をいたしております。
 それからやはり、ふるさとを愛する人材の育成ということで、林業水産部の上から三番目、「「豊後やる木塾」設置事業」
 林業基本法で林業についての所得補償制度、デカップリング制度というのができまして、「平成14年度一般会計当初予算案」の林業水産部の一番上に「森林整備地域活動支援事業」、森林の所有者に1ヘクタール当たり1万円ずつ交付金を渡すという所得補償制度ですが、大分県の場合不在地主もおりますので、ただお金だけあげてもいけませんので、それぞれその地域、山毎に施業計画をして、その計画をやった森林所有者にその施業計画を実施するための交付金として1万円を出すということになります。その裏側として、これから新しい中核林業者を育成する「豊後やる木塾」。
 これから漁協も合併をいたしますので、これからの新しい漁業を作るための「「豊の浜塾」設置事業」。豊後牛飼い塾は去年作りましたが、畜産の人材養成の予算。
 こういったことでふるさとを愛する人材、ふるさとの農業を育てる人材、林業・漁業を背負う人材の育成というものをやっていきたいと思っております。

 最後は「Hospitality」、おもてなし。いわゆる観光立県、観光交流の予算で、これはすでに総務部長査定結果から出てますが、ワールドカップの準備、来年100万人の来場を見込んでいる「全国都市緑化おおいたフェア」の準備予算。それから2008年に行われる国体に向けての準備予算。ワールドカップで世界から人が集まってくるわけで、また今度の緑化フェアも日本中の人が見学に来ると、こういう観光と交流予算ということでホスピタリティー、おもてなしの予算。
 この3つが来年度予算の中心になっております。
 
■財政健全化
  第三番目は、財政健全化ということで、この「平成14年度一般会計当初予算案」に県債が860億と出ております。
 昨年の当初の県債が953億ですから9.8%、約1割のカットということになっております。
 出来るだけ県債の発行を抑制して、県債全体の名目的な残高は1兆円を下回って9,800億となります。その中の60%は交付税として措置されますので、実質的な県債の発行残高は3,800億です。
 ただ借金は借金ですから、その名目的な残高も1兆円を超えないようにその抑制をいたしております。
 特に、今度PFI方式で大分県女性・消費生活会館(仮称)を作りますが、来年度以降においても、いろんな事業について民間の資金で、プライベート・ファイナンス・イニシアティブ(Private Finance Initiative)でやっていく。そういう研究会を立ち上げることにいたしております。
 したがって、これからとも財政健全化についてもいろいろと勉強してもらって、やっていきたい。そういうことで額は小さいですが、新しく予算の財政健全化に資するようなプロジェクトの予算も計上してあります。
 
■語呂合わせ
 最後に、恒例によって語呂合わせであります。  
 今度の予算は一口に言うと、「麦まき予算」。
 農村に行くと麦を播いた後、麦踏みといって一生懸命足で踏むわけです。一粒の麦は、踏み固めて非常にコンパクトにしておくと大きな実となって実っていくわけであります。
 したがって来年度の予算は6,672億6,700万円でありますから、「(6)麦播かん、(6)麦それ(7)何度(2)踏まれても、(6)向かう春には実の(7)成る予算」という。
 極めて小さな、一粒の麦を踏み固めておくと、将来、先ほどのナノ予算とか、PFIの予算とか、今度新しくやるアサリの増殖とか、こういった新しいアイデアで、小さな予算の中にそういう将来大きな実のなる予算がコンパクトに包まれている。今後成長する種をまいてある予算、「麦まき予算」であります。
 

≪資料≫
   ・平成14年度一般会計当初予算案(知事査定結果)部局別内訳
   ・平成14年度一般会計当初予算案(知事査定結果)部局別事業内訳
   ・平成14年度緊急地域雇用創出特別基金事業一覧表

 
※知事発言内容については、単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理のうえ、作成しています。
[記録作成:企画文化部広報広聴課]

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