地域間交流を進め「一村一品」から「九州一品」へ

田辺 「地方の時代」といわれて久しく、それぞれの地域では、豊かで活力のある経済社会を目指してさまざまな活動が展開されています。ここ九州においては、道路・鉄道・港湾・空港等の整備はもちろん、アジアを視野に入れた産業の育成と地域の国際交流が進められています。
 平松知事は、「一村一品運動」を軸にものも豊か、心も豊かという活性化策を進めると同時に、アジアに向けてのローカル外交にも積極的に取り組んでいますね。

平松 「一村一品運動」もさることながら、九州各県の市町村では、地域おこしの元祖みたいなものがいくつも生まれています。地域づくりは、都市部であろうと過疎地域であろうと、「やる気」が一番大切なことなのです。これからの九州の地域づくりを考えたときに、地域間交流・連携ということが大きなキーワードとなるでしょう。そのためにも、九州は、循環交通体系の早急な整備を進めていく必要があります。
 笑い話ではないのですが、これまで九州では、隣の県に行くよりも、東京や大阪に行く方がはるかに近かかったため、東京、大阪の市場を相手に商売していたわけです。しかし、九州で循環交通体系が整備され、ボーダレスになれば、九州内で生産されたものを九州内で消費するという、ひとつの経済圏を構築することができるのです。そして、九州の市町村が持っている情報・技術の連携を積極的に進めることによって、「一村一品」ではなく、「九州一品」といった生産物が生まれることが期待できますし、産業・農業技術開発、新規産業の育成等を促していけるのではないでしょうか。

安藤 九州のひとつの問題として、福岡一極集中ということがあげられます。情報や商業等、何でもかんでも福岡に集中するというのは、九州全体の活性化を考える上でも好ましいことではありません。そして、福岡においても過密都市としてのひずみが生まれ、環境問題等さまざまな問題が生まれてきます。その意味でもこれからは、九州全体で調整を取り、どのようにして各都市を成長させていくのかということを考えることが、豊かな生活環境をつくる地域振興策として必要になってくるのではないでしょうか。

瓦田 確かに、福岡一極集中を進めるのではなく、福岡の集積力を九州全体の吸収力として生かしながら、他都市もその機能を活用していくことが有効だと思います。そのためにも、広域連携ができるシステムづくりを目指し、ハード、ソフトの整備を早急に進めていくことが大切です。
 第3次産業の勢いから見ても、九州をひとつの経済圏と捉えることによって生まれるポテンシャルの大きさは、一目瞭然です。だからこそ、力を合わせ一体となって地域づくりを進める広域連携が求められているのです。

安藤 地域間交流を進めていくためにも、九州にとって一番大切なことは、循環交通体系を早急に構築することです。熊本・宮崎・鹿児島の3商工会議所では、「南九州商工会議所交流会議」を発足させ、積極的な活動を展開していますが、われわれ商工会議所では、交通網の整備により広がっていく地域連携に大いに期待を寄せています。

平松 大阪湾においては、明石海峡大橋ができ、今度は紀淡海峡を結ぶ橋の建設へ、四国においては、来春しまなみ海道(尾道・今治ルート)ができ、さらに豊予海峡道路が全国総合開発計画で打ち出されています。このように今、循環交通体系をもとにした新たな経済圏の構築が進んでいるのです。九州が21世紀において繁栄していくためには、経済圏の構築なくしてはありえないのです。
 今、公共事業は無駄だという声が首都圏から多く発せられますが、地方では、公共投資によって、将来への夢が生まれてくるのです。われわれが声を大にして経済圏の構築というのは、そういうことを意味しているのです。

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