アート・トップ 166より

限りなく大分を愛する

大分県知事 平松 守彦


 高山辰雄先生は、ふるさと大分をこよなく愛されている。大分市生まれの先生は、東京美術学校に入学されるまでの多感な青春時代を大分で過ごされた。高崎山、久住高原、最近つとに有名になった湯布院に屹立する由布岳など、大分の自然を画材にリトグラフを出版された。
 題名は『限りなき大分』。
 「絵の具と実際の色は違う。あれもこれもと迷い妥協すると、何も物をいわない弱々しい色しかならない。腹を決めると、自分の意志は通じるものだ。いいか悪いかの責任は全部自分に戻ってくる。これには勇気がいる。勇気は自分を愛することではなく、他を愛することで湧いてくるんだね」
 先生とは何度となくお会いし、成城の自宅にも幾度か訪れ、新制の作品を前にして「決断力」「実行力」「勇気」など県政を担当する私にいただいたアドバイスも多い。
 大分を愛される先生は、大分からのお願いごとを快く聞いてくださった。大分県立病院の中央待合ホールに、患者の心を癒すようにお願いして製作していただいた『豊の国の朝』(陶板、3.5X20.4メートル)が掲げられ、別府市にある国際コンベンションセンターのレセプションホールにも、新しい試みでスタッコ壁画の『別府湾』(スタッコ壁画、4.5X19メートル)を製作していただいた。
 「ふるさと大分を限りなく愛しているよ」「ひと山越すと、またふた山、三山とあるものだ。若者たちに、『大きな夢に向かってコツコツと努力して欲しい』と伝えてください」
 先生にお目にかかると、いつも元気づけられる私である。

(ひらまつ・もりひこ)