五 県政を進める基本的な姿勢

 最後になりましたが、これからの県政に当たって、昨日、新入職員の訓示式をしました。私は新任職員に三つのことを要望しました。そのことは、これから私が県政を進める基本的な姿勢でもあります。
 第一番目は、新入職員の諸君には、信頼される行政官になれ、「信なくば立たず」。県民に信頼される県政でなければなりません。昨年は公金の不適正支出の問題がありました。この問題について、襟を正す意味で、これからの予算の厳正、適正な執行、またそれをやれるような体制をつくらなければならないと思います。これまで予算の項目と実態の間に乖離があった。旅費・庁費にしても実態に即した旅費を支給しなかったため、食料費から流用した例もあります。従ってこうした制度上の是正措置もして、適正厳正な執行を行い県民に信頼される県政をやっていかなければなりません。
 第二番目は、各職員は、プロに徹しなければなりません。県病の看護婦さんは、患者に信頼される看護婦さんにならねばならない。今度看護科学大学をつくりましたが、これからは看護科学を勉強してプロに徹しなければなりません。農業改良普及員は農業のプロに徹することです。
 第三番目は、それぞれ生活者の視点を持つことです。全部役所の官庁機構は皆、供給側に立つものです。農政部は、農業生産を振興育成する。福祉保健部は福祉施設をつくって福祉サービスを提供する。施設の提供また人員の確保、それに受ける側、患者さん側また農産物を消費する消費者の立場、こういった立場が行政機構としては、これは国の行政機構もそうですが、十分でない。従って各部は生産者の立場のみならず、消費者の立場でもって生活者の視点でやっていかなきゃなりません。そういう意味では現場主義に立つことが必要です。最近、住宅金融債権管理機構の社長になった中坊公平さんという方がおります。この方が今、住宅専門会社の債権取り立てを仮借なく行い、刺激的な行動をとっておられる方です。この方の本を最近読みましたが、「現場にすべての宇宙が宿る」と書いておられる。自分は弁護士であるが、裁判の弁護をするときに、公判記録だけを読んで弁護してもいい弁護はできない。殺人者の弁護なら殺人の現場に一回は行ってみる。産業廃棄物の問題が起こったときには、あの方は、香川県まで出かけて行って何回も現場を見て、現場からの発想でこの問題についての弁護を考えていくということを今までやってこられました。「現場には神が宿る」という言葉もありました。今度この方に、今年度に初めて実施する「公務員倫理研修」に講師として来ていただくことにしています。私もこれまで以上に現場主義に徹した行政を進めたい。今度の新入職員にも新しい介護研修センターで介護の技術を勉強してみる。また農業の原点は米でありますから、田植えも自分でやってみる。私も一緒に新入職員とやろうと思います。現場主義に立った県政を進めていかなければならない。「具体的なものに強い」「細かいところに強い」行政を進めていかなければならないと思っております。大変厳しい中ですが、これから二十一世紀に向けて「適正共生社会」実現に向けて、勇気と元気とチャレンジと、この三つの精神でやれば、この不況の時代を脱却し、新しい大分の国土づくり・地域づくりができるだろうと、こう思って努力をしてまいる所存です。皆様のより一層のご協力をお願いして私の話を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)

-- 戻る --