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 Intolerable Cruelty
   

 「オーブラザー!」のコーエン兄弟最新作「Intolerable Cruelty」は、離婚問題専門の凄腕弁護士と、美人女結婚詐欺師が繰り広げるラブ・コメディーである。主演にジョージ・クルーニー、キャサリーン・ゼタジョーンズ。

一癖も二癖もあるストーリーと、キャラクターの個性を十分に活かした脚本を書く事で定評のあるコーエン兄弟。今回は弁護士VS女詐欺師のロマンスを独特のユーモアと皮肉を交えて描いて見せてくれる。必見は映画の冒頭タイトルシーンである。可愛らしい?!「恋のキューピッド」達が次々と男女を恋に落としていく様子をアニメで描きつつ、スタッフロールが始まるという仕組み。いかにもコーエン兄弟らしいブラックユーモアがそこに見る事ができる。しかも、その前のオープニングシーンは、大物TVプロデューサーが、自分の妻の浮気現場を発見して、妻と間男を銃で追い掛けまわすシーンから始まるので、「恋」そして「結婚」がいかに大変なシロモノかと臭わせながら、それでも人は「恋」をしてしまう事を意味深に見せていく仕掛けなのである。

今回の主演は「オーブラザー」以来、コーエン兄弟作品二回目の出演となるジョージ・クルーニー。コーエン兄弟の手にかかってしまうと、二枚目俳優もコメディー役者に変身してしまうから不思議なものである。そして、ニクイ事に美女キャサリーン・ゼタジョーンズを大胆にも結婚詐欺師役に使ってしまうのだから非常に贅沢なキャスティングだと言える。脇を固めるのも、ビリー・ボブソートン、ジェフリー・ラッシュとこれまた豪華である。

さて、ここから本題なのだが、この映画面白いのかどうかというと話は別であるようだ。どんなことをしても相手を離婚させるスゴ腕弁護士であろうが、人生に必要なのは「お金」と信じて次々と男を騙す女詐欺師でも、結局一人で生きられない事、人は「恋」せずにはいられない事をこの映画では描いてみせるのだが、果たして観客にそれが伝わってくるのかは疑問である。これは、恐らくコーエン兄弟が放つ「ブラックユーモアの「毒」が強すぎて、見ている観客がマヒしてしまうせいなのかもしれないのだが、設定は面白いが、結末を焦り過ぎているところに問題アリの映画だったと言える。

映画を見終わって、何も東京を舞台にしなくても、英語が通じない世界の首都(上海でもソウルでも)を舞台にすればよかったのではないかと思えたが、映像的に「都会の孤独」や「人間の暖かみのない都会」が必要だとしたら、東京は世界でも最も適している場所なのかもしれないと感じてしまった。


今回の評価100点満点中、60点。
(恋のマジックをかけるように、挿入曲も「愛」だ、「恋」だと歌ったものばかり。でも、かなり皮肉に聞こえてしまうのがこの映画の特徴であり、現実世界なのかもしれません。)
   
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