コアラシネマ
シネマ予告編 シネ・リーブル博多駅1・2 大分のシネマ 掲示板
シネマコラム シアターサイト リンク
シネマコラム
 
 City of God
   

 ブラジル発、衝撃の映画「City of God」は、実話を題材にしたハードバイオレンス・ドラマである。今回のアカデミー賞でもノミネートされ全米でも話題になった作品であり、日本ではすでにビデオレンタル化されている。

遅ればせながら、「六本木ヒルズ」内にあるバージンシネマで見た作品である。しかも、プレミアシート席でありながら千円で見る事ができた。「City of God」の内容をとやかく言うよりも、まず百聞は一見にしかず、見て頂いた方がいいのかもしれない。「衝撃」作品とキャッチコピーが付く程の作品だから、どのくらい「衝撃」的なのかというと、子供同士が拳銃を持って殺戮し合うシーン満載で、見る者を思わず画面から避けさせてしまうくらい「衝撃」的である。おまけに、これが実話を元にした映画だから、なおさら「衝撃」度は大きい。もちろん、残酷なシーンばかりではなく、ギャグあり、人間ドラマありのしっかりと構成された作品なので、スプラッター映画ばりの映画が苦手な人でも、安心して見る事ができる。しかも、画面、物語はハリウッド映画以上に洗練されており、ブラジル映画とは言え、決して侮ってはいけないのである。

この映画を見て思い出されるのは、深作監督の「バトルロワイヤル」である。こちらはあくまでもフィクションであり、現代日本を生きる10代の若者を痛烈に風刺した作品であるのに対し、「City of God」はノン・フィクションであり、死に急ぐ若者と、混乱した社会を真剣に生き抜こうとする若者とを対象的に描いて見せてくれる。両作品とも共通してハードバイオレンスが描かれるものの、暴力の空しさを訴える点では「City of God」の方がよくできているのかもしれないと感じた。

今回の映画を見て、歯止めが効かなくなった大人社会の悪影響が、間接的にも多くの子供に影響を与えている現実社会をまざまざと見せられたような気がした。変わらなければならないのは社会よりもまず先に大人自身なのかもしれないと思わず考えさせられてしまった作品であった。

映画を見終わって、何も東京を舞台にしなくても、英語が通じない世界の首都(上海でもソウルでも)を舞台にすればよかったのではないかと思えたが、映像的に「都会の孤独」や「人間の暖かみのない都会」が必要だとしたら、東京は世界でも最も適している場所なのかもしれないと感じてしまった。


今回の評価100点満点中、75点。
(暗い内容の映画にも関わらず、劇中にブラジルらしい明るいサンバ調の音楽が流れているのを聞いて、ブラジル人特有の感性を垣間見た気がした。)
   
天神コアラ 大分コアラ