コアラシネマ
シネマ予告編 シネ・リーブル博多駅1・2 大分のシネマ 掲示板
シネマコラム シアターサイト リンク
シネマコラム
 
 ロスト・イン・トランスレーション
   

 本年アカデミー賞脚本賞を受賞したソフィア・コッポラ監督作「ロスト・イン・トランスレーション」はアメリカから来日中の映画俳優と、夫をカメラマンに持つ女性が東京のホテルで織り成す物語である。主演に米コメディー界の大御所、ビル・マーレー、スカーレット・ヨハンソン。

感想を言うならば、「地味ながら味わい深い作品」だと言える映画である。巨匠フランシス・フォードコッポラを父に持つソフィア・コッポラ監督は、単純に言ってしまえば、「親の七光り」で監督になった人であり、いわゆる叩き上げで鍛えられた職人監督の気質は持ち合わせていない監督である。だが、今回の作品で女性監督らしい視点と、独特のアイデアで、わずか二作品目で見事に脚本賞まで取ったのであるから、映画がヒットする要因は全くわからないものである。

今回の映画は日本の東京が舞台だと聞き、少し「ウサン臭い」ところを感じて見たのだが、やはり、相変わらずアメリカ人監督が描く日本は何年たっても「不思議な国 日本」なのは変わりないようだ。だが、この映画はアメリカ人の目から見た「奇想天外な日本文化」をただ強調するのではなく、結婚し子供がいる中年男性と、結婚してまだ二年目の女性の満たされない「心」のコミュニケーションがメインとして描かれているので、切ない恋愛映画として見る事が出来た映画であった。

必見なのは、主演のヒロインを演じるスカーレット・ヨハンソンの透明感のある演技である。このヒロインのモデルはもしかしたらソフィア監督自身ではないかと思えるほど、丁寧に描かれていた。また、ビル・マーレー演じる、中年男性が話す「結婚前」と「結婚後」の違いの話は、結婚を考えている人には是非一度耳に入れておくべき話だと言える。

映画を見終わって、何も東京を舞台にしなくても、英語が通じない世界の首都(上海でもソウルでも)を舞台にすればよかったのではないかと思えたが、映像的に「都会の孤独」や「人間の暖かみのない都会」が必要だとしたら、東京は世界でも最も適している場所なのかもしれないと感じてしまった。

今回の評価100点満点中、70点。
(出演している日本人俳優で唯一名前が分かったのが、藤井隆さんだけだった。DVDでは映像特典として、藤井隆さん演じるDJの音楽番組全編が見る事ができた。その中で、ビル・マーレーがウナギを触ってビックリするシーンは映画以上に最高に面白かったですよ。お楽しみに。)

   
天神コアラ 大分コアラ