4ヶ月になる息子がいます。検診で私がHTLV-1のキャリアであることが判明し、人工栄養にするようにアドバイスを受けました。少しでも子供に感染しないように、つらい決断でしたが、完全人工栄養を選択しました。完全人工栄養でも100%子供に感染しないとは言い切れないということです。どれぐらいの割合で子供には感染する恐れがあるのでしょうか。子供に感染しているかどうかは、いつ頃どこで検査したらよいでしょうか?また、検査するべきでしょうか?

 

 

「HTLV-1」は「成人T細胞白血病(ATL)」という白血病の一種の原因となるウイルスです。ATLはHTLV-1を体に持っている人(キャリア)の約5%に発症し、発症年齢が40歳以上(主に60歳以上)のため「成人」という名前がついています。輸血、性交、母乳哺育により感染すると考えられていますが、ATLを発症するのは基本的には母乳哺育により乳幼児期に感染した場合のみです。

キャリアの母親が通常の母乳哺育を行うと、約20%の赤ちゃんにHTLV-1が感染するため、予防のため完全に人工栄養(ミルク)を行うことが勧められます。出産時に感染することもわずかながら(3%程度)あるため、人工栄養でも感染を完全に防ぐことはできません。しかし、キャリアからの発症率が低いため、人工栄養児のATL発症率は0.2%以下になると考えられています。
母乳を一旦-20℃に凍らせて一晩保存し、その後に飲ませることでも、人工栄養と同程度に感染を防ぐことができます。

生後6か月まで母乳哺育をし、以後は人工乳にする「短期母乳哺育」という方法もあり、感染率は7%程度と、長期母乳哺育よりは少なくすることができます。

感染したかどうかの判定は、お子さんの血液にHTLV-1に対する抗体ができているかどうかで判断します。感染している場合、1歳で80%、2歳で90%が抗体陽性となり、3歳までに抗体が陽性にならなければ以後の感染はほとんどないと考えられています。

感染していれば、お子さんが将来ATLを発症したり、パートナーへの感染の危険があったりという心配がありますので、検査は受けた方がよいのではないかと思います。検査については、出産した産婦人科か、総合病院の小児科で相談するのがよいと思います。


徳永洋一 


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