3ヶ月になって、風邪をひき、小児科を受診した際に心雑音があり、検査の結果、心室中隔欠損、肺動脈狭窄、僧帽弁狭窄、肺高血圧と診断され、毎日飲む薬、ジゴシンが、処方されています。生活は普通でよく、2週間おきの経過観察といわれました。悪化すると、手術が必要かもといわれましたが、いまはわからないとのこと。治るのでしょうか。

 

 ご質問に挙げられた心臓の異常はそれぞれ以下のようなものになります。

「心室中隔欠損」:左右の心室の間の壁に穴があいているもの(心室は血液を送り出すポンプ作用を持つ部分で、肺に血液を送る「右心室」と全身に血液を送 る「左心室」に分かれている)。左心室から全身に送られるはずの血液の一部が右心室に流れ込むため、右心室の負担が大きくなる。

「肺動脈狭窄」:右心室から肺に血液を送る「肺動脈」の一部が狭くなって血液が流れにくくなっているもの。

「僧帽弁狭窄」:肺から戻ってきた血液が入る「左心房」とポンプである「左心室」の間の逆流を防ぐ「僧帽弁」が開きにくくなり、血液が流れにくくなっているもの。

「肺高血圧」:心室中隔欠損を通して右心室から肺に流れ込む血液が増えるため、肺の血管にかかる圧力が高くなり、肺に負担がかかること。

これらの心疾患の治療としては、内服治療や手術が行われます。治療は、中隔欠損や狭窄の場所、程度などによって変わってきます。

すぐに手術をするほどの状態でない場合や、体が大きくなるまで手術が難しい場合には、内服治療で経過を見ます。成長につれて穴がふさがってきたり、狭窄の程度が軽くなってくる場合もあります。「心室中隔欠損」は穴が小さければ50-60%、穴が大きくても5-10%に自然閉鎖があり得ます。「肺動脈狭
窄」も体が大きくなると程度が軽くなることがあります。

自然閉鎖や狭窄改善をしやすいかどうかも、それらの場所や程度によって変わってきます。心臓の状態の評価は、レントゲン、超音波、心臓カテーテル検査などによって行っていると思いますので、現在の状態で、どの程度自然に改善する可能性があるのか、あるいは手術になる可能性がどれくらいあるのか、主治医の先生によく説明してもらうとよいのではないかと思います。

また、内服治療を始めたばかりでは、まだ見通しが立ちにくいこともあります。2週間おきの受診で、体重の増加、心エコー検査での心機能の改善の程度などを見ながら、薬を追加、変更等していくと思います。その都度見通しを聞かれたらよいと思います。内服により心機能が落ち着いて、体が徐々に大きくなっていくようであれば、しばらくは手術をせずに見るのではないかと思います。心室中隔欠損などがある時には、「感染性心内膜炎」といって、心臓に細菌感染をおこす病気にもなりやすいので、発熱時の注意などもよく聞いておかれるとよいでしょう。

                     徳永洋一 


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