4歳になる男の子です。陰嚢水腫と診断されました。手術をしましょうと先生から言われました。急ぐ手術ではないと言われたので、まだ手術の予約はしていません。これから先、治る見込みが期待できないと言われたのですが、ただ水が溜まっているだけで、痛くもなく、悪化しないのなら、このままにしていたらいけないのでしょうか?片一方の大きさが違うだけという事なら、わざわざ全身麻酔をかけての手術をする気にならないのですが。全身麻酔に対してとても不安を感じています。

 

 胎生期(赤ちゃんがお母さんのおなかの中にいた時期)には睾丸は赤ちゃんの腹肛内(おなかの中の腸がある部分)にあり、生まれてくる頃までにそけい部(足の付け根の部分)を通って陰嚢内に降りてきます。このとき睾丸が通ってきた道は自然に閉じてしまうのがふつうですが、それが完全に閉じずに睾丸の周りに水がたまったのが陰嚢水腫です。

 新生児期に出てきた陰嚢水腫は、1歳までに吸収されてなくなってしまう場合がほとんどです。1歳すぎて残っているものは手術を考えます。また、1歳すぎてから陰嚢水腫が出てくる場合も自然には消えにくく、手術の適応になります。3,4歳頃までは自然に消えてくる可能性もゼロではないため、そのころまでは様子を見ることも多いと思います。実際の手術は、小学校に入る前が休みも取りやすいことから、幼稚園の時期に行うことが多いようです。

 手術は、睾丸の通り道の残っている部分を糸でくくってしまう、「高位結紮」という「そけいヘルニア」の時と同じ手術をします。この手術は体に与える負担が非常に小さく、入院期間も短くて済みます。麻酔については、小児の手術に慣れた施設で行えば十分安全に行えますが、具体的なリスクなどについては、主治医の先生に十分に説明してもらう必要があると思います。

 陰嚢水腫にはそけいヘルニアが合併することがあったり、一方に陰嚢水腫がある場合に反対側にそけいヘルニアを発症することもあります。また、成人期まで残っている陰嚢水腫は精巣を圧迫し、造精能を低下させることも数%にあるといわれています。成人期の陰嚢水腫に対しては、睾丸の周りに残っている袋のような組織を切り取って縫い合わせるという、乳児期よりは複雑な手術になるようです。もちろん、成人の陰嚢水腫でも、小さい場合には手術をせずに様子を見ます。

 以上のようなことを考えた上で、もう一度泌尿器科や小児外科の先生と、手術の要否や手術時期、手術の方法等について説明していただいてはどうかと思います。

そけいヘルニア、陰嚢水腫については

おチンチンの膨れ
http://www.coara.or.jp/baby/dr/1999/26.html
陰嚢水腫
http://www.coara.or.jp/baby/dr/1999/105.html

も参考にしてください。

 

               徳永洋一 


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