3歳8ヶ月の男の子です。
3歳児健診で不明瞭な言葉が多く、言語聴覚士から「先天性鼻咽腔閉鎖機能不全症ではないか」と言われました。聴力と知能の検査では問題なく、口蓋裂も ありません。現在のところは指導を受けて家でバ行の発音練習をしていますが、「いずれリハビリが必要かもしれない」と言われています。内反足の治療 で生後すぐから通っている療育センターの整形外科の医師からは、「バ行の発音の練習をするくらいならリハビリは必要ないかもしれない」と言われました。医師と言語聴覚士の意見が違いますが、今後のリハビリはどのように進められるのでしょうか。

また、赤ちゃんのときに飲んだミルクがよく鼻から大量に噴き出ていましたが、最近も飲んだ牛乳が鼻から少し出ています。これも鼻咽腔閉鎖機能不全症の症状なのでしょうか?

ご質問の「リハビリ」とは、施設内で特殊な器具などを使って専門家が行う行 為を指していると思いますが、言語療法士の指導を受けて自宅で行う発音練習も、立派なリハビリです。年齢が低く器具類を用いたリハビリが難しいときは、日常生活や遊びの中で訓練が進めていく方がむしろ普通です。

 運動機能のリハビリをメインとしている療育センターでは整形外科医しか常勤していないこともあります。言語や社会性なども含めた総合的な発達は小児科 医が診ることが多く、整形外科医しかいない施設では、小児神経科医が定期的に診察に訪れたり、小児科のある総合病院と連携して診療を行っていると思い ます。整形外科の先生は、ふつう、言語の専門家ではありませんから、一般的な医学知識から「リハビリはいらないのではないか」と言われているものと思 います。

 療育センターとは別個に言語療法士にかかっているようですので、施設間の連 携が不十分なのかもしれません。言語療法士は医師の指示によらずとも自分で患者の状態を把握して適切なリハビリを処方しますが、総合病院などでの検査
結果がリハビリの組み立てに役立つこともあります。必要であれば、診察を受けた小児科か耳鼻科で診察所見や検査結果をお手紙に書いてもらった上で、普段かかっている言語療法士の先生に相談されたらよいと思います。

 なお、「鼻咽腔閉鎖機能不全」は、何らかの原因で発音時に口の中と鼻の中を隔てる機能が不十分な状態を言います。口の中の空気が鼻の方に抜けてしまう ため、発音がはっきりしなくなります。哺乳時にミルクが鼻に抜けるのも症状の一つと考えられます。
 「口蓋裂」が原因の場合がよく知られていますが、その他の原因で発音時に口と鼻の間を隔てる筋肉(「口蓋咽頭括約筋)の動きが不十分な場合にも起こり ます。

 口蓋裂によるものの場合は早期に口蓋裂の手術を行いますが、手術後にも発音の異常が残り、訓練が必要なこともあります。

               徳永洋一 


*このページで掲載している内容については、一般的なことをお答えしております、具体的な事柄の判断や決定にあたっては、かかりつけ医等に相談して下さい

徳永せんせいへの質問を受け付けています。
 お子様の年齢と質問したい内容を具体的に記入して、電子メールにてお送りください。
 送られてきたメールから、毎月4つの質問を選んで、Q&A形式でこのページへお答えを掲載
 いたします。(お答えできるメールは4つのみとなります)
 【 送り先電子メール:mipori@fat.coara.or.jp 】

過去のQ&Aへ