豊の国の美食図鑑

素材豆腐

『竹田茶寮』

大分県竹田市竹田2420 0974-63-3261【豆腐田楽】

  女性を中心に豆腐の話題が目につくようになりま  した。  「食べながらやせたい」「食べても太りたくない」  という願望を、やわらかく、四角い、白肌の豆腐が  くすぐるのかもしれません。竹田市に古くから伝わ  る豆腐田楽を、『竹田茶寮』で食してきました。  「ウーン、これはみごとな風景だ」  高台にある『竹田茶寮』のお座敷に立つと、思わ   ずつぶやいてしまう。はるか久住の山々がかすみ、  眼下に竹田の市街地の屋並みが望まれ、さわやか   な風が吹き抜けていく。   ここ『竹田茶寮』は昭和十年建築というから約  60年の歴史をもつ老舗。初代の家原守人さんは自  ら板前修業に励むほどの風流人だったということ  が、この屋敷の位置、造り、離れ座敷、庭園など  を見るとたちまち納得できる。   豆腐田楽は遠く中川公の時代から文人たちが竹田  と京都を往復するうちに伝わってきた。「竹田の田  楽は京都のながれをくむと言われています」と女将  の家原澄江さんは語る。  当時は漆塗りの田楽火鉢を用いて、お座敷で焼きな  がら食べたという。また、竹田では一般庶民にも家  庭料理として親しまれ、瓦のような素焼きの田楽火  鉢で焼いていたとのこと。   豆腐はもちろん竹田の名水で作られている。固  すぎず、やわらかすぎず。そして、秘伝の味噌ダ  レ。   ずっと家伝としてその味を頑固に守ってきた味  噌は、赤みそ、白みそ、八丁みその三種類。  「これに四種類の調味料を加えてよくこねるんで  す」と、ここまでは教えてくれた。  この味噌ダレを軽く焼いた豆腐に落とし、  ゴマ、しょうが、みょうが、ユズ、シソ  などその季節の風味をパラリと添える。   やんわり口にふくむと、淡泊な豆腐と  味噌の絶妙な味のからみあい。  これはまさにヘルシー。色合いといい、  形といい、手作りの竹串といい、見た目  にも美しい。女性客が多いというのもう  なずける。   横に出された見事な料理は、もうひとつの竹田  名物・頭料理。アラ、ハタなど深海魚の内蔵から  頭までをことごとくさばき、湯引きして三杯酢で  いただく。日本酒にピッタリの味だ。豆腐田楽と  ともに、竹田を訪れた際はぜひとも召し上がって  いただきたい。
                            情報提供:CONKA