本当の『友情』が存在した

「白血病に冒された少年が抗癌剤の副作用で髪が抜け落ちてしまうけど、クラスメイトたちが少年と同じように皆スキンヘッドにして少年を迎え入れた、というCNNニュースは、偶然、私も見ていました。」
 映画『友情』で、白血病におそわれた14才の少女を演じた三船美佳さん、あの三船敏郎の愛娘である。
 インターナショナルスクールに通っていることもあってか、15才とは思えない程はっきりと言葉を伝える。

 「日本の女の子たちは、みんなと同じ格好をしたがる、オリジナリティがないんです。人よりちょっと頭がいい、スポーツができる、例えば女優になる、と言っただけで友だちは離れていく・・・。いじめや様々な問題もそこに原因があると私は思っています。今のインターナショナルスクールでは、私を1人の女の子として見てもらえるのです。それぞれが夢を持っていて、それぞれが認めあっているんです。」
 オーディションで選ばれたこの映画の出演者の少年少女たちは、1つのものを作りあげていくうちに気持ちがひとまとまりになり、もうひとつのクラスメイトになった。彼等は充実感に満たされたと言う。
 「この映画は、あゆみを囲む人たちが主役なんです。両親、先生達、クラスメートがあゆみを思って話し合うのです。自分だけを見るのではなくて、周りを見つめることのできる気持ちを持っているのです。」
 そして、この映画の中で、24人の少年少女を含め、彼女自身も髪をスキンヘッドにした。
 髪は女の命というけど?という問いに、
「女の子がこんなに短く髪を切ることってなかなか無いから、逆に面白かった。」
 と、15才の笑顔で答えた。

 映画が公開されるにあたり、福岡市で『【友情】をささえる会』がうまれた。
 福岡市の中学校に通う林奈々子さん(14才)は、あゆみのクラスメイトとしてこの映画に出演している。
 5/15、福岡教育委員会のシンポジウムに各中学校から林さんを含め4人づつ参加し、「【友情】を見て、今、中学生は何を考えているのか」を話しあった。
「こんな友情が本当にあるのかと思っていました。でも、映画を作った仲間達と一緒の部屋で生活した何日間は、忘れられない思いでと繋がりが生まれました。」

 映画【友情】は、6/25(月)より、国内21館にて全国一斉公開する。
 「この映画を見て、こんな思いやりが本当に存在したのだということが多くの方に伝わることを願っています。誰でもいい、何でも話せる人を見つけて欲しい。きっと、自分のことだけでなく、他人のことも考えることができるようになるから。」
 世界的な俳優を父に持つことのプレッシャーは大きいが、与えられたチャンスは本気で自分のものにしてゆきたい、と情熱溢れる思いを語った。 


Photo by Seiji S.
Reported by Miho Tomonari