2004.9.10


 

順位をも超える本能 〜食欲の秋〜

<担当>角 健吾
◆『食べたい!』本能全開の秋

 秋、いろいろ美味しいものが出回る実りのシーズンです。そして、なんといっても食欲の秋です。草原に吹く爽やかな秋の風は、当園の動物たちの旺盛な食欲を呼び起こします。今回は動物たちの食欲の秋についてお話します。


◆無駄な争いをしないライオン社会

 先日、ライオンがエサを取り合うシーンを撮影に行きました。ライオンは百獣の王といえども、ライオン同士の力関係はしっかりとあります。ジャングルバスにおやつを食べに来るライオンもしっかりと順位があります。

たとえば子どものライオンがおやつを食べ過ぎていると力の強いライオンがおしおきをします。それは「エサを食べるのにも順番があるんだぞ。お前少し食べ過ぎてはいないか?」という意味を込めているのです。またカップルのライオンがジャングルバスにやってくると、右側か左側かどちらを必ず独占します。他のライオンはこのカップルがいる側にいくことはありません。それはメスを守るオスライオンがいて、必ず争いになるからです。

野生のライオンも無駄な争いはしません。体力の消耗や傷ついてしまい自分の命すら危うくなるためです。そのためけんかをしても長く激しい戦いはしません。




普段はおだやか…でも秋になると??




◆順位社会のライオン

 大きな骨付きの肉を投げ、ライオンが取り合うシーンを撮影しようとしました。二頭の雄が取り合うシーンなので簡単に撮影できる予定でした。しかし、予定通りにいかないのが動物の撮影です。一頭のライオンがエサをくわえて撮影現場から去っていったのです。持っていってしまうと取り合うことすらできません。

次は持っていくことができないほど大きな肉を投げてみました。すると一頭のオスライオンが走りだし肉を確保しました。近くにいた他のオスも狙っていたのですが、そのオスが取ったのを見るとすっと肉を取るのをやめました。肉を確保したライオンは、現在一番力の強いライオンだったのです。


◆危険をおかしても『食べたい!』食欲の秋


 取り合いもなく終わるかに見えたのですが、今は『食欲の秋』ただで終わるはずがありません。『食欲の秋』はライオン社会の順位すらわすれてしまうほど、いやそんな順位などものともせず『食べたい!』という本能が目覚めています。

おいしそうに食べる肉を子どものライオンや雌のライオンが狙います。真正面からは近づくことに気付かれてしまいます。後ろから少しずつ少しずつ近づき、すきさえあれば奪ってしまおうと狙っています。まるでその様子は『だるまさんがころんだ」状態です。ライオンたちはもしそのオスの怒りをかえば怪我するのはわかっています。でもその肉を食べたい欲求には勝てません。秋は脳より胃袋が主導権を持っているようです。

 

メールアドレス   lion@africansafari.co.jp



アニマルトピックスは、アフリカンサファリスタッフが動物達との触れ合いや不思議な習性などを自分達の視点からレポートしているものです。(※今後の定期的な更新はありません)