2004.7.2


 

野生の動物も歯が命

<担当>角 健吾

◆野生動物は歯が命

 今回は動物の体の一部で生存していくために重要な歯についてお話したいと思います。「芸能人は歯が命」というコマーシャルがありましたが、野生動物ほど歯が命なことはありません。

もし、ライオンの牙がなくなれば、即食物連鎖の頂点から転げ落ち補食される立場になるでしょう。


◆食べ物で大きく違う歯の構造

 動物にはライオンのように肉だけ食べるものもいます。そして、馬のように草だけ食べるものもいます。食べ物の種類や食べ方によって歯の形は変わっています。




ライオンの頭の骨 ぎざぎざの歯!




ライオン(肉食)と馬(草食)の歯は食べ物が違うので構造はおのずと違います。草食動物は草を食べますので、草をすりつぶし、繊維を細かくするために臼歯(きゅうし)という小麦粉を作る臼(うす)の様な奥歯が発達しています。もちろん草や葉は消化しにくいので、胃や腸にも消化しやすい特徴があります。

肉食動物は肉をさいたり骨をかみくだいたりするために、すべての歯が鋭くとがっています。トラやライオンなどの肉食動物が何より草食動物と違っているのが牙(犬歯)が大きく発達していることです。トラの牙は犬の10倍ほどの大きさがあります。




大人の手で持ってもこんなに大きい牙



◆ゴクンの肉食・モグモグの草食

 最近、トラの骨格標本から牙の型をとりました。実際に見るトラの牙、とにかく鋭く太く感じました。肉食動物は、歯の性質上、肉をゴクンと丸呑みのような感じなのです。

それと対称的に草食動物は、消化しづらい草を食べることから草をすりつぶし、より消化しやすいよう長い時間噛んでいます。
草食動物はよく観察するといつも口をモグモグさせています。




ゾウの「あ〜〜〜ん」 口を開けてもらっています



 草食動物のゾウは、歯が一生に6回生え変わり、最後の歯が磨耗して使えなくなると、その寿命が終えるといわれています。



この洗濯板のようなのがゾウの歯です



◆動物は虫歯になるの?

 「よく動物は虫歯になるの?」という質問がありますが、野生動物はまず虫歯はありません。しかし、人間に飼育されている動物やペットなどの間には虫歯になる傾向が見られます。餌の関係で虫歯になったり、肥満になったりとさまざまです。そのため動物の健康を第一に考えて飼育していかなくてはなりません。

動物も私たち人間も、生きるためにはまず食べなければなりません。その食べ物を食べるために必要なのが歯です。この歯こそ動物の生きるため大切なもののひとつなのです。

 

メールアドレス   lion@africansafari.co.jp



アニマルトピックスは、アフリカンサファリスタッフが動物達との触れ合いや不思議な習性などを自分達の視点からレポートしているものです。(※今後の定期的な更新はありません)