2004.6.25


 

季節によって変わるグループ

<担当>角 健吾
◆季節によって生活が変わるシカ

 前回はアメリカンエルクという大きなシカのお話を致しましたが、今回はファローディア、日本シカのお話をします。


◆メスに持てる基本は角にあり

 今の季節シカのオスたちは、角を育てることに一生懸命です。そのためオスはほとんどといっていいほど争いをしません。それは、今の時期シカの角は成長段階(袋角)にあり、傷つきやすいからです。
かっこいい角を生やしたオスがメスにもてるためなのか、傷つけないように大切に育てています。




この季節だけ?まどろむ牡鹿達



ところがそれでも時には我慢ならないことがあるのでしょう!オス同士けんかをすることがあります。しかし、角はオスにとってなにより大切です。そのためけんかをする時は、角を傷つけないように立ち上がってボクシングのように前足をばたばたとさせてけんかをします。
今、オスたちは9月、10月頃の発情期へ向けて角を育て上げてます。そのため少しずつとオスだけの集団を形成しています。

◆シカの保育園

 最近は次第にメスはメスで集まっているのですが、それは出産を控えたメスたちがグループを作って集まっているのです。
メスは、子どもを生んだ後もたくさんの栄養を取らなければなりませんが、子どもと一緒に行動をすると外敵に襲われる可能性が高くなります。生まれてから2ヶ月までは、母親が授乳の時に子どもの所にもどってくるいがいはあまり一緒には行動しません。




メスや子供達はのんびり…



 しかし2ヶ月も過ぎると、その時期に生まれた子どもが集まり、それぞれの母親が保育士になって順番に子どもの面倒をみるといった『シカの保育園』を形成します。
母親は安心して今まで以上に遠出して、たくさんの草を食べることができます。またこの保育園夕方には、子どもたちがあっちへ行ったりと、今度はこっちに走ってきたりと集団で走り回る『運動会』を繰り広げています。



子供が育ったら、また恋の季節がやってくる



◆季節ごとに観察する視点が変わる

 子育てがある程度落ち着く時期は秋、恋の季節です。
この頃には立派な角をもった力の強いオスがハーレムを作ります。オスとメスが一緒に行動するようになります。

このように、シカは季節によってさまざまのグループ、パートナーをつくり生活していくのです。季節ごとに観察する視点が変わります。
このことを頭のすみに置いて、観察すると面白い発見があると思いますよ。

 

メールアドレス   lion@africansafari.co.jp



アニマルトピックスは、アフリカンサファリスタッフが動物達との触れ合いや不思議な習性などを自分達の視点からレポートしているものです。(※今後の定期的な更新はありません)