2003.11.21


 

改めて知る動物の本能(前編)〜食べ物への執着〜

<担当>角 健吾

 野生動物は、自分で食料を探しに大移動をします。時にはエサが取れないときもあります。

当園の動物たちも、食料をあげているとはいえ、草原の青草を食べたり、ジャングルバスにおやつをもらいに行ったりとそのエサを求める能力は変化する事はありません。

能力の一つ『嗅覚』は、外敵のにおいをいち早く察し、自分と安全な距離をとるために必要ですし、食べ物の場所を確認しありか察して、エサを確保するという大切な働きをします。特に動物の嗅覚は人間の数十倍といわれています。


かつてのボス「モーロ」


先日久々にクマセクションの四輪駆動車に乗車しました。

同ゾーンには『モーロ』と言うクマがいます。全盛期の頃、力の強さでは他のクマも一目置いていました。最近は老化が目立ち、他のクマの集団とは別にはなれて生活しています。座っている『モーロ』の傍に車を停め、運転席から「久しぶり、元気だったか?」と声をかけました。車越しで久しぶりの会話です。

ボスの座に君臨していた名残かケンカをして少し切れている耳を傾けて私を見つめています。あの頃の顔よりも、ずっと穏やかになっていました。力が弱くなった『モーロ』は群れの中でエサを取り合うことはできません。他のクマに見られないように少しパンをあげてから、私は『モーロ』から離れました。



美味しいパンの匂いに引き寄せられて…

一時して、「カチカチ」小さいな音がどこからか聞こえてきます。
「何の音だろうか」と運転席の窓からみるといつのまにやら運転席側に『モーロ』が座っ
ているではありませんか。
一生懸命に歩いてきて、パンをくれという合図でしょう。車のドアを爪で叩き片手を挙げてアピールします。

おやつを『モーロ』にあげ、前方を見ると1頭のクマがジグザグに動いているの見えました。クンクンと鼻をならし、一度は立ち止まり、また鼻でにおいを嗅ぎ方向を決めて動いています。確実にこちらに近づいています。 そのクマの名はヒマラヤグマの『エイチ』です。

決して見えるようにパンをあげていたわけではないのですが、60メートルも離れている場所からパンのにおいに反応して近寄ってきたのです。
                                   つづく

 

メールアドレス   lion@africansafari.co.jp



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