2003.11.14


 

育児は愛情(後編)

<担当>角 健吾

 ライオンには重要な二つの挨拶があります。
それは群れで生活する為には覚えなくてはならない大切なものです。

その一つがじゃれるように子どもが大人の頭を軽くなでます。これはあなたを尊敬していますと言う合図。もう一つがオスの成獣の首下をくぐる事。あなたに敵意はありませんという示しなのです。

ところが人工哺育で育てられた赤ちゃんで
あまり可愛がりすぎてしまうとライオン自身が『自分を人間だ。』と勘違いをしてしまうのです。そして群れに帰った子どもは、
自分はライオンではないと言う気持ちのまま成獣のいるセクションにでます。


コミュニケーションが大事


力の強い成獣のオスの前でも、挨拶もせず力加減も知らずに、成獣のオスに向かっていくのです。もちろん成獣からは手荒い洗礼を受けます。 

力強いパンチを受けた子どもは、むち打ち症のような状態で下を向いたままうなだれて帰ります。スタッフは無線で他のライオンスタッフにこう伝えます。「ほら、あの子どものライオンは反省して帰っているぞ。」とまるで早く群れの挨拶を覚えろよという愛情を込めて。
そういう洗礼を何度もうけながら、群れのルールを覚えていくのです。

動物は可愛がるだけではいけない理由がここでわかります。
最初の子育ての間違いが、のちのち大人になったときに相手への接し方が分からないようになってしまいます。

私はこのアニマルトピックスを書くにあたって私が皆さんにお伝えしたい大きなテーマがあります。それは、『動物も人間も同じ』と言うことです。



社会に溶け込む


 人が動物をそだてることは、自然界ではまずありません。動物園は生を受けた動物たち全てが、成長して欲しいと望みます。
動物の子育ては、いのちを育む(保育)、育てる(ルールや教育をする)、群れや親に帰す(社会復帰)など、様々なプロセスを自然の法則を学びながら実施していくものです。

 動物園では時には人間か動物を親に代わって育てなければならないことがあります。
ただでさえ親変わりをするのは大変難しい事です。テクニックや経験(マニュアル)だけでは大きくする事はできても、本当の意味で育てる事にはなりません。

最も大切な事は人間同様に『愛情』なのではないでしょうか?  

 

メールアドレス   lion@africansafari.co.jp


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