2003.9.12

 

くつろぎの証明  〜テリトリーを手に入れる為に〜

<担当>角 健吾

 動物は縄張り(テリトリー)をもっています。私たちが自宅や行きつけの場所(くつろげる場所)を持っているのとおなじような場所の事です。
動物も同じで種の違う動物はもちろんの事、同じ種でもそれぞれにもっています。

 各々の動物は他の動物のテリトリーには近づかず、自分のテリトリーに他の動物が近づいた場合は攻撃を仕掛ける場合もあります。

 山岳動物セクションでは『ムフロンシープ』は岩山の下で、『バーバリーシープ』は岩山の頂上付近、アメリカンエルクもアメリカクロクマ、ヒマラヤグマもそれぞれのテリトリーで生活しています。それは力関係であったり、日当たりや風の流れなどでも動物の定位置が決まります。

 その日は太陽の日差しも強く最高気温30℃でとても暑い日でした。
セクションの動物たちは思い思いの方法で居心地の良い場所を探し、暑さをしのいでいました。泥浴びをしたり、岩場の影に身を潜めたり、池の中に入ったりと様々です。

 そんな中、いつもクマが水遊びをしている池に近づく動物がいました。『アメリカンエルク』です。数匹のクマが水遊びをしているのを遠目から見ています。


クマが1頭だけの時を見計らって、池に入るエルク

 少し時間が経過し、1頭のクマだけ池に入っているのを確かめ、アメリカンエルクが池に中に入っていきました。通常、他の動物のテリトリーなどにはあまり足を踏み入れないのですが暑さの為、危険を覚悟でやってきたようです。
あたりをうかがいながら少しずつ池に向かって進みます。水面から近い位置を見つけ、そこから池に入っていきます。警戒をしつつも気持ちよさそうです。
ところが、池に入っていたのは好奇心旺盛の『ラッキー』というクマでした。
エルクの存在をもちろん見逃すわけがありません。エルクに近づいていきます。エルクも気付いて、逃げようとしますが逃げ道はちょうど『ラッキー』にふさがれています。
 
  緊張の一瞬です。お互いじっと目を見ています。先に動いたのは『ラッキー』でした。
大きく手を横に振りかぶってエルクめがけて攻撃を仕掛けてきました。
エルクは二本の脚で大きく立ち上がり威嚇をしています。


威嚇をするエルク

 しかし次の瞬間、逃げ道が開いたのを確かめ飛び上がって池から立ち去っていきました。エルクの大きな巨体が立ち上がることでさらに大きく見え、ラッキーにとっては脅威となったでしょう。

 クマとエルクのこんな場面も、『水』がある場所(テリトリー)を手に入れる為の行動です。

 危険を冒してでも『水場』を手に入れようとする『エルク』の行動はそのテリトリーが『くつろげる場所』である証明かもしれません。  

 

メールアドレス   lion@africansafari.co.jp


アフリカンサファリの獣医・神田先生のインタビューをコアラTVで見ることができます。月に一度インタビューするのでそちらもお楽しみに。
(コアラTVはADSLの方対応です。視聴するにはRealPlayer か Shockwaveが必要です)
第一回目の放送はコチラから>>  第ニ回目の放送コチラから>> 


アフリカンサファリさんの協力で動物の最新情報をお届けするアニマルトピックス。毎週月曜日に更新されますのでお楽しみに!