2003.6.20

 

優しい嘘 〜病気の予防・回復の為に〜

<担当>角 健吾

 飼育スタッフの仕事は動物に『嘘をつく』ことも必要です。

 スタッフの仕事は、ケガを事前に防いだり・病気にならないように毎日の健康管理を行います。それでもケガや病気をするものもいます。  
その時はもちろん早期発見・早期回復を目指します。動物は嗅覚などが発達しているため薬などを飲ませようとしても、そのままでは飲みません。そのためエサに混ぜて処方します。まぜるエサもその個体の好物であればなお効果的です。

 以前、ケガをした『クマ』にみかんの実の中に化膿止めの錠剤を差し込んであげたことがあります。ミカンは『クマ』の好物です。勢いよく食べてくれました。
しかし時には、外見からは全く見えないはずなのに飲んだかと思った矢先、「ぷっぷっ」と錠剤だけ吐き出す器用な『クマ』もいます。『気付くなよ。飲んでくれよ。』と思っていた私の気持ちを敏感に察したのでしょうか?

 この方法も草食動物など個体数が多い場合はそうはいきません。


えさに薬を混ぜて

 先日、草食動物の体内にすむの寄生虫の駆虫を行いました。その方法は草食動物の場合フレーク(とうもろこしと固形飼料を混ぜたもの)に液体の薬をかけながら混ぜ、エサにコーティングし、動物にあげるというものです。


トラックの後を追いかける動物たち

 今回は新人担当者(ドラマチックシーズン参照)が声をかけながら草食動物をポイント地点に誘導します。
すると今までセクションに散らばっていた草食動物が一斉に走り、集まってくるのです。
トラックの後を走っていた私の車も、たくさんの『シカ』に囲まれながら並走しました。『アメリカバイソン』も大きな体で土煙をあげながら集まってきます。『ラマ』はトラックの横に着き走りながら荷台のエサをつまみ食いをします。その光景は圧巻です。


薬をコーティングしたえさをまいて駆虫

 ポイント地点に到着すると荷台からエサをまきました。薬には気付かずそのエサを勢いよく食べていました。これで安心です。

 先に述べた『嘘をつく』というのはスタッフが動物の健康管理のために必要な『やさしい嘘』なのです。

 

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