2003.1.31

 

シマウマの傷
〜傷に隠された物語〜

<担当>角 健吾

 サファリの動物たちには、体に傷があったり、角が曲がっている個体がいます。

 その傷を見て、いじめられてかわいそうと感じる方は多いようです。動物たちになぜこのような傷があるのか想像してみるのも、動物園の楽しみの一つです。

 今回の主人公は、草食動物の中でも暴れん坊の『シマウマ』です。
 


グランドシマウマ


 シマウマといっても一種類ではありません。

 『グレービーシマウマ』、『チャップマンシマウマ』など様々。
 当園で生活しているのは『グラントシマウマ』と呼ばれる、一つ一つのシマが太く、黒と白のコントラストがより鮮やかな種です。

 以前、そのコントラストの中に歯型が入っているメスのシマウマがいました。

 草食セクションの動物の中でもひときわやんちゃなシマウマ。そのシマウマを噛む動物がいるのかと、不思議に思っていました。

 ある時、シマウマのカップルを観察していたときにその理由がわかったのです。


緊迫した雰囲気


 一頭のオスが、彼女が傍にいるのにもかかわらず、他のメスを見つめています。
 そしてオスがメスに側に歩み寄った瞬間、彼女がすごい勢いで二人のほうへ走り出しました。

 「オスがお仕置きをされるな」と思っていました。ところがその彼女はオスが歩み寄ったメスのほうを噛んだのです。

 噛まれたメスも黙ってはいません。反撃に出ます。後ろ向きになり足を高く上げ、蹴りあっています。メス同士の戦いです。

 そのオスは呆然と立っていました。

 その時、私は彼女がオスにやきもちを焼く健気さと、オスが先に近寄ったにもかかわらず、他のメスを噛み蹴りあうという嫉妬深さを同時に感じました。

 この行為はまるで、TVのワイドショーに出る事件のようです。傷をみて、かわいそうだけでは、その前後が理解出来ません。

 「なぜなのだろう」、「どうしてなんだろう」と疑問を持って、観察してみてください。

 そして、なんでもない疑問をスタッフに聞いてみるのも、動物がもっている傷や、特徴の細部にも多くの物語が隠れていることを、再確認できるかもしれません。

 

メールアドレス   lion@africansafari.co.jp


アフリカンサファリの獣医・神田先生のインタビューをコアラTVで見ることができます。月に一度インタビューするのでそちらもお楽しみに。
(コアラTVはADSLの方対応です。視聴するにはRealPlayer か Shockwaveが必要です)
第一回目の放送はコチラから>>  第ニ回目の放送はコチラから>> 


アフリカンサファリさんの協力で動物の最新情報をお届けするアニマルトピックス。毎週月曜日に更新されますのでお楽しみに!