言葉の違い 〜伝えたかった気持ち〜
動物の言葉が理解できれば、また私たちの言葉を伝えることが出来れば良いなぁと思った事はありませんか?
動物と長く接していると、なんとなく動物の気持ちがわかったりする瞬間はあります。
しかし、『良い子だ』『ダメだぞ』『好き』という言葉を投げかける事はできても、 『こういう理由で、良い子だと思った』とか、『こんなことしたらダメなんだぞ』、『こんなところが好き』という細かな表現は、伝えることは難しいです。
こんなことがありました。バイソン同士がケンカし、一頭のバイソンが怪我をしてしまいました。獣医を始め、飼育スタッフがいったん怪我したバイソンを、動物舎に収容し治療をしようとしたのです。
バイソンに麻酔をかけて、大型のトラックにのせ、獣舎目指して車を走らせました。すると、残された全頭のバイソンがそのトラックを追いかけて、くるではありませんか。
大型のトラックと同じ大きさのバイソンがトラックの横を並走。そして、後ろからついてきているのです。おそらくバイソンたちは、仲間が連れて行かれると思い、仲間を助けよう、守ろうと思ったのでしょう。
『仲間が怪我をしているから、治療をするために連れて行くのだよ。安心して!』と伝えたいのですが、バイソンには伝わりません。
結局、車とバイソンがぶつかれば、動物も人間も怪我をするために、スピードをあげて 逃げるしか方法はありませんでした。 残った仲間は心配でたまらなかったと思います。
この時に『大丈夫。安心して』の一言だけでも、バイソン達に伝えることが出来たら、残されたバイソン達も少しは安心したのではないかと思います。 現在、怪我をしたバイソンはセクションで元気に生活しています。
メールアドレス lion@africansafari.co.jp
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