2002.6.25

 

四季のドラマ 〜シカ 袋角編〜

 <担当>角 健吾

皆さんシカの角を思い浮かべてください。
頭に思い浮かんだ角は、色が白ではないですか?固いイメージではないですか?
どれも正解なのですが、最初からこの白く固い角が生えてくるわけではありません。
当園には、アメリカンエルクという大型のシカやダマジカ、ニホンシカという3種類のシカが生活しています。シカの角は、どんなに立派に生えていても、毎年生え変わります。
古い角が落ちて、新しい角が生えはじめるときに登場するのが『袋角』と呼ばれるものです。






















最初は頭に団子がついているようですが、だんだんと伸びていきます。産毛のようなものが生え、血液が通っていてとても柔らかく、触れると暖かく感じます。血液の流れにカルシウムが乗って、角の隅々まで行きわたり成長していくのです。落ちている角を輪切りにしてみると、輪の中心はスポンジのように細かい穴があいており、血液の通っていた跡が見うけられます。
1年に1度新しく生え変わるので、春になると動物セクションのいたる所で、古い角が落ちています。この角を、同じセクションで生活している好奇心旺盛のキリンたち(キリン@参照)はどこからかこの角を拾ってきては、口にくわえて、いつまでも離さず遊んでいる事もあります。現在、シカの袋角がどんどん成長している時期で、りっぱな角を見ることができます。秋には毛の生えた皮(ベルベット)がはがれ、中から固い角が登場します。
 シカの角の役割は、主に二つあって一つは立派な角を作り上げ、メスの気を引くためです。
 二つ目は、秋に他のオスからメスを取られないよう、戦うためで、そのため秋まで、絶対にエサの取り合いなどの争いにも角は使いません。柔らかい角のため傷つきやすいからです。そのためこの時期は、比較的性格がおとなしくなってしまいます。というもの、角を大きく成長させるため、エサを食べることに精一杯で、私たちのことなど目にもくれません。ベテランの飼育担当者なら、触れることもできます。
力を温存し大切に角を育てながら、秋の発情期を待ちます。
中には、柔らかい袋角の時期に、つい岩などにぶつけて曲がってしまった角を持つシカを目にすることがあります。
このシカは、今年の恋のチャンスを逃してしまうのかもしれません。
春に角が落ち、夏にかけて袋角が生き生きと成長していきます。秋になると、袋角のベルベットがはがれ、白く固い角が登場します。初秋から晩秋は、シカの恋の季節です。シカの角一つでも、1年を通して多くのドラマがあります。
ぜひ、1年に4回、当園を訪れてみてください。動物たちの四季ドラマが、観察できますよ。



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