2002.6.10

 

失敗をして学ぶこと

 <担当>角 健吾
 飼育担当者の頃、動物はかわいいと感じる反面、油断をして怖い思いもしました。
  ダチョウに追いかけられたことも(ダチョウA夢の競演)、今回のエピソードもそうですが、失敗をしてたくさんのことを学びました。
  お母さんボンゴは、子どもを生むと1、2週間ほど子どもに近づかないようで、子どもから離れて生活しています。
授乳の時にだけ、子どもの側によっていきます。
  「どうして、ずっと子どものそばにいてあげないの」と思う方もいるでしょう。
けれどそれには、野生の世界を生き抜くための知恵が隠されているのです。
万一外敵に襲われた時、子どもが一緒に襲われないように、離れて行動しているのです。離れているといっても、子どもに危険が迫った時、すぐにかけつけられる距離にいます。
ボンゴの赤ちゃんは生まれてから、1週間経つと少しづつですが歩き回ります。顔の小ささに反し耳が大きいのが特徴です。親と同じ美しい赤栗毛、クリクリとした黒い瞳、そして大きい耳を持つ赤ちゃんのボンゴはとてもかわいく思えます。




キク





父親のタケ
 去年、当園で初めてボンゴの赤ちゃんが産まれました。名前は『キク』です。
世界四大珍獣の一つボンゴが子どもを産んだのですが、先ほども述べましたが産まれて1週間ほど、茂みに隠れているのでなかなか見ることができません。私は、「少しでも見ることができたらなぁ」と思いながら、ボンゴに食事を持っていきました。
  いつも、茂みに隠れているボンゴの赤ちゃんが、めずらしく茂みからでていました。
近くにはエサを食べている父親の『タケ』がいたのですが、生まれて、間もない赤ちゃんのかわいさに見とれてつい、近づきすぎてしまいました。
  動物が攻撃をする時は、無用な争いを避けるために1度威嚇し、そして行動をおこします。全ての動物がそうであると考えていた私は、エサを食べていて身構えていない『タケ』の姿に安心しきっていました。


  ところが、下を向いてエサを食べていた『タケ』の前を通り過ぎようとした瞬間、『タケ』が頭を持ち上げ、その太く先の尖った角で、私は太ももを突かれてしまいました。
  ボンゴの角は後方に流れるように伸びています。
エサを食べる時、顔は下を向いていますが角の先端は、前方に突き出ていつでも攻撃できるようになっているのです。
『タケ』は、威嚇の意味で軽く頭を持ち上げたためか、私の太ももは少し青くなる程度ですみました。
その行動は俊敏で、よけることができませんでした




後ろに流れる角


  「動物がなれる」ということは、家庭で生活している犬や猫を可愛がったりなでることや、動物の方から来て仲良くするという意味でなく、私の姿を見て警戒しない、驚かないという意味なのです。
私は、そこを勘違いしていました。
犬や猫のようにボンゴに限らず、自分が接しているのは野生動物だということを再認識しました。発情期は興奮しやすく危険なことや、親が赤ちゃんの面倒を見ているときなど、動物の性格をふまえて接しないと、事故につながる、そんなことを考えさせられた体験でした。



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