2002.6.3

体の大きいやんちゃな子ども〜シロサイ『ロイ』のお話〜
 <担当>角 健吾

 サファリのわんぱく坊主といえば、私の頭に浮かぶのは2頭の動物です。 ヒマラヤグマの『エイチ』(クマ@参照)とサイの『ロイ』の2頭です。
 今回のお話の主人公は『ロイ』という2歳の雄のサイです。 「ロイ」はサファリの中では最年少です。
最年少でも、2歳だからといって小さいというわけではなく、立派に角も生えています。サイは生まれた時にすでに角が生えているってご存知ですか?


ヤクとの決闘


 しかし、生まれた時には成獣のような角が生えているわけではありません。まるで『丸ボーロ』のようなものが、鼻の頭と眉間に2つ、くっついてうまれてきます。 この角は、私たちで言う毛の固まりなのです。1度折れてもまた新しく生えてきます。 大人になると通常、円すい形のとんがり帽子のような形になるのですが、実はこの角の形は、サイそれぞれが、壁や岩にこすりつけて作り上げているオリジナル なんですよ。そのため、一頭一頭、微妙に違います。
『ロイ』はサイ舎のなかにいるときは、「ピーピー」、「キュウ、キュウ」と言う声を出しながらお母さんの『ハヤブサ』に甘えているのに、動物セクションにでたとたん、お母さんの心配をよそに、元気に駆け回ります。
やんちゃな『ロイ』は、何にでも好奇心旺盛です。
普通、出産時90gほどの体重ですが、現在『ロイ』は約1トンになっています。そのため、園内でじっくり見ないと、他の成獣と見分けがつきにくいほど、成長しています。
私が、『ロイ』の写真を撮影したときも、同じ展示場所で生活している「ヤク」(チベットなどに生息しているウシの仲間)に、興味を示したようで、ちょっかいを出し始めていました。もちろん、からかわれた「ヤク」も黙ってはいません。怒ったヤクは大きさが3倍ほど違う『ロイ』に立ち向かって角を振りかざしています。まるで決闘が始まるこれからの様子、緊迫感がただよっています。お互いが向かい合った瞬間、ヤクが『ロイ』に向かって動き出しました。


ヤクとの決闘。バージョン2




お母さんとロイ。
 ところが、『ロイ』はヤクにお尻を向けお母さんの元に逃げていったのです。いくら体が大きくても、2歳の子どもは子どもだったんですね。
 こんなこともありました。サイ舎に帰るときは、彼らは一列に並んで帰るの普通ですが、その列の最後尾にいた 『ロイ』は、大きく迂回して一番に帰ろうとしました。ところが、先頭に到達する直前で『ロイ』の動きが止まりました。
「キュウキュウ」と声をあげています。そこから1歩も進もうとしません。私が、近づいて見ると原因がわかりました。『ロイ』の足元には溝があります。それも幅30cmです。体は大きいのに、その小さい溝を怖がって渡ることができないのです。 結局、『ロイ』は、もと来た道をもどっていきました。『ロイ』は1トンの大きさになっても、まだまだ2歳の子どもです。  我々スタッフも、大きさのあまり『ロイ』を、大人としてみてしまうことがありますが、母親に甘えている時に、子どもだったんだと感じ、はっとするのです。
 今回の話は、動物を姿や大きさだけで判断すると大きな間違いをおかすという教訓です。サファリで『ロイ『を発見したいと思ったら、一人で走り回ったり、まだたくさんのエサがあるのに誰よりも早く、エサを食べようとしているサイをみつけたら、それが『ロイ』です。

 


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