2002.4.22

キリンのおもしろエピソードを4回にわたってご紹介します。

<第3回>
キリンの出産ドキュメント(前編)

 <担当>角 健吾

 今年、サファリではキリンの赤ちゃんが2頭誕生しました。通常、キリンは一度に出産する赤ちゃんは、1頭です。私は、そのうちの1頭が誕生する瞬間に、立ち合うことが出来ました。
 おっぱいが張ってきたら出産が近いと言う合図です。その変化が出てきたので、1ヶ月前から母親キリンのミズキを、産室のほうに収容していました。別の取材に来ていたTV局の方が、飼育担当者と私との会話の中で、このことを聞き「ぜひ、キリンの赤ちゃんが誕生するシーンを撮影したい」とのお話がありました。
 当園にもキリンの出産までを記録したフィルムはありません。今後の研究や繁殖に学び役立てることが出来ると判断し、獣医に相談し引き受けました。妊娠の期間は440日です。出産はその期間20日ほど前後します。


好奇心旺盛なミズキはカメラに近づく・・

 早朝、獣医から「出産が始まりそうだ。」と連絡があり、すぐさま、TVスタッフと連絡をとり、いそいで産室へ向かいました。予定より10日早く出産がはじまりまったようです。
 キリンはとても神経質です。(@キリンの好奇心〜蜂の巣編〜参照
獣医や担当者以外の私やTVスタッフの姿を見ると、驚いて出産に悪影響を及ぼすかもしれません。
 そのため、産室から3mほど離れたエサの貯蔵庫(牧草庫)で、臨時のTVモニター室を設置しました。
キリンとは一枚の鉄の扉で仕切られているだけです。
 出産シーンを撮影する小型カメラの設置は、キリンと顔見知りの神田獣医にお願いしました。私は、モニター室でキリンの様子を観察します。 ドキドキしながらモニターを見ていると、ミズキと何度も目が合います。
 キリンは好奇心旺盛なので、早速、小型カメラが気になったようです。近づいてはカメラをのぞき、また離れたり、また近づいては臭いを嗅いだりします。いつ、小型カメラにイタズラされるか、TVスタッフもひやひやしていました。長い舌で舐められると、だ液でカメラが見えなくなります。獣医が、何度もカメラを拭いたり、舐められたことで少し方向が変わったカメラを固定しにいきます。

ミズキのいたずらに、獣医の神田先生も大変?
カメラをふきふき。

 それを繰り返しているうちに、ミズキに変化が訪れました。カメラには見向きもしなくなり、時にじっと動かずに深い呼吸をします。少し経つと水を飲んだり、産室をぐるっと回ったり落ち着きがなくなってきました。
 この間も、すこしづつではありますが、赤ちゃんの足が出てきています。深い呼吸をする間隔が早まってきました。
 モニターを見ている私もなぜが、息が荒くなってしまい、神田先生から「何で、息が荒いの?おまえがお産する訳じゃないんだから」と笑いながら言われました。
私も笑顔で返そうとしましたが、力が入ってこわばった笑顔しかなりません。目をモニターにうつすと、「はじまるぞ!!」獣医の叫ぶような声が耳に飛び込んできました。
(つづく・・・)


アフリカンサファリの獣医・神田先生のインタビューをコアラTVで見ることができます。月に一度インタビューするのでそちらもお楽しみに。
(コアラTVはADSLの方対応です。視聴するにはRealPlayer か Shockwaveが必要です)
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