筑波大学大田研究室へ

 多数のカメラで撮影した映像データを、コンピュータでデジタル化させ、3次元のデータで動いている物体を再現する「バーチャライズド・リアリティ実験」。
 この実験を2002年のワールドカップサッカーで現実のものとしよう、という研究「仮想化現実技術による自由視点三次元映像スタジアムの研究開発」の団長ともいうのか・・・筑波大学機能工学系教授・大田友一先生をお伺いすることとなった。
 この1月には、大分の別府市で実験を行ったばかり。

 東京駅から高速バスに乗って、茨城県筑波センターまで約1時間半。

(まるで福岡から大分へ高速バスで移動しているみたいな気分)

 貨物トラックばかりが走っている、荒川の土手を横切り、次第に景色は大都会から郊外へ。

 バスの揺れが激しく、気分が悪くなって酔いそうだったため、寝に入ることにした。

 気がついたら、もう筑波センター直前。

 すっかり景色は、「自然派」。

 空気も都内とはまったく違う。

 といっても、高速バスが止まった「筑波センター」は、郊外型巨大モールとホテル等立派な建物が並んでいましたが・・・。

 大学の敷地内の並木道を走りつづける。

 さすが巨大国立大学。

 大学の敷地は、南北に約4キロ、左右には約1キロだとか。

「北海道大学よりは小さいらしいよ。」
と、大田先生。

 学生寮が並ぶ。

 テスト期間中ということでか、学生の姿はほとんどみられない。

 学内の駐車場に止まっている車の数だけでも相当なもの。でも、車の数は制限されていて、許可を得られれば入場証を与えられるのだとか。

 車でお出迎え下さった北原格(いたる)さんによると、
「学生は自転車で移動している人が多いですよ。」

 大学の学部の建物だけでなく、研究所も併設されているからか、立派な建物が多く感じる。

 これだけの数の学術機関を見ると、(良い意味で)背筋に冷たいものが走ってしまう。

 工学部に到着。

 大田先生の部屋へ。

 大田先生の周囲には、書籍が山積みなのに何故かスマートな雰囲気漂う。
 尾野コアラ事務局長「ボクと同じ。書類の山だ。」
 (友成)・・・いや、かなり違う。

 大分に建設中のサッカードームで計画中の 「バーチャライズド・リアリティ実験」の計画書が書棚に貼られている。

 大田先生がいらっしゃる筑波大学画像情報研究室が研究開発しているものを拝見させていただくことになった。

 まさに工学部の研究室という感じ。

 まず、HMD(ヘッド・マウント・ディスプレイ)

 HMDとは、頭部に固定した小型装置で、大画面の映像が見ることができるもの。
 頭の動きにあわせて映像を描き変えることができたり、立体視できたり、捜査する人の視野を検出できる、などといった機能を持つ。

 このHMDの重さを軽減するために、歯医者さんで使われている機器を使って、移動しやすくしているそう。
 小型液晶ディスプレイと反射鏡が備え付けられていて、実世界の映像と、仮想世界の映像をダブらせて見ることができるのだとか。

 こちらは、かなり装置が軽減されている新開発HMD、視点検出装置。

 赤外線で眼球の視点を検出します。

 視点の動きはコミュニケーションには重要。
 人の眼は色々なものを注目しながら何かをしているのですが、それをコミュニケーションに使おう、というものだそうです。

 相手の視点がどこを向いているか検出して、バーチャルな顔の絵の中に入れて合成し、動きを眼に入れるのだとか。

 あたかもHMDが透明になったように見せることができるのですね。

研究室の入口の掃除機が気になる。

友成「大田先生、これも新兵器?」

大田「これは仮想の掃除機でね。実際にはここには無いんだけど、あるように見えるんだよ。」

なるほど。

 夕刻。

 約1時間程、学生向けに尾野コアラ事務局長の文化講演会が行われ、この1月に別府ビーコンプラザで行われた「バーチャライズド・リアリティ実験」のビデオも紹介される。

 学生さんたちは、講演会をビデオに撮影していましたが・・・。

 大分の実験には、もう2度程足を運ばれている藤村祐介さん。画像情報研究室の大学院生。
 
 藤村さんに、ご案内いただいて拝見させていただいたのが、

 超高速で自動追尾するカメラ。
 (数百万円するらしい)

 長野オリンピックでは、スピードスケートの時に使ったカメラだそうで、一度使った軌跡を覚えておいて、同じ動きをさせることができるのだそう。

 例えばサッカーでは、スピードの早いボールを追いかけたり、自分の位置が今どちらを向いているかわかるでしょう。
 
 一度その位置を覚えれば、正確に何度も首を振ることもできるそうで、100万分の1の角度が計算でき、1000分の1で動くことができるので、画像が不安定なところは、このカメラでいかようにも任せられるのだとか。

 「超高速で自動追尾」できるとあって、今回のバーチャライズド・リアリティ実験には非常に大きな役割を果たしてくれるカメラです。

 最後に、TARAセンターを案内していただくことになったのですが・・・

 西日が茜色に沈む景色を学内から見られるなんて。

 静まり返った学内を自転車で通り過ぎる学生さん達の姿も懐かしさを覚えます。

 

 さて、センターの中ですが。

 <---初めて見ました。

 入室者を強力な風力で空気清浄(?)する間を通り抜ける必要あり。
 とりあえず、この日はその儀礼を受けずに入室することができました。

 映画ではよく見かけます。

 こんな風になってました。

 天井も高く、かなり広い空間。

 ピッツバーグのカーネギーメロン大学金出武雄先生の所では、実験のために天井をはずしてしまったそうですが、ここなら心配なさそう。

 様々な研究開発の機器が置かれ、研究者の方々が忽々とお仕事をされていました。

 その奥の広い空間、ここに、大田先生グループが、カメラを複数設置して、「バーチャライズド・リアリティ実験」を行う予定だとか。

 大分との遠隔実験が楽しみです。

 このTARAセンタから大分へ、バーチャルな知的繋がりができるのですから、未来社会の一部を作る誇りを持てる喜び、これは素晴らしいものだと感じずにはいられないですね。

 左より、北原格さん、大田 友一 先生、尾野徹コアラ事務局長

2000.03.01, Reported by Miho Tomonari(mipori@fat.coara.or.jp)


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