ハイパーフォーラム
コンピューター西暦2000年問題研修会
日時:1999年11月26日(13時30分〜)
場所:大分県庁共同庁舎14階・大会議室
主催:大分県・(財)ハイパーネットワーク社会研究所

”コンピューター2000年問題(Y2K問題)”
、という言葉をよく耳にしますが、
11月26日、大分県庁にて、「コンピューター西暦2000年問題研修会」が開かれました。
我々の生活に深く関係する各機関や一般消費者達が会場に集い、
大分県内での”2000年問題”対策についてのフォーラムです。



大分県企画文化部渡辺武氏

大分県企画文化部次長、渡辺武氏による、「県民にコンピューター2000年問題への理解を深めて欲しい」との挨拶で開幕した、今フォーラム。


(財)ハイパーネットワーク社会研究所の尾野徹氏

(財)ハイパーネットワーク社会研究所の尾野徹氏からは、”2000年問題は台風情報と同じで、安心のための情報を提供して、不安心理を取り除く事が大事”、というNHK大分の村田局長の話を例に挙げ、問題認識をもっと多くの人へ広める必要性を話されました。


日本電気(株)原田泉氏(右)
(株)三和総合研究所、高橋明子氏

次に、講師としてお迎えした、日本電気(株)の産業政策企画室担当部長でもあり、CANフォーラムの常任運営委員でもある、原田泉氏と、(株)三和総合研究所の高橋明子氏によって、「西暦2000年問題について」の講演をして頂きました。

2000年問題とは、西暦年を2桁で認識するのが主流の現コンピューターでは、「2000年」を下2桁の「00」だけをカウントし、そのために様々なシステムに障害を発生する事をいうのです。

パソコン内にとりつけられた埋め込みチップがもし、誤作動を起こせば、発生する事故は計り知れません。
例えば、マイクロコンピューター搭載機器である、心臓のペースメーカーの誤作動といった生命に重大に関わる医療器具社会インフラである、発電、交通信号、電車等々、生活に欠かせない様々なシステム、また、ネットワーク機器に問題が起これば、金融機関のATMやビジネスの世界でも、多大な影響を引き起こすのです。


大分県企画文化統計情報課
情報企画室室長の志村幸久氏

また、こうした1次被害だけでなく、その問題によってもたらされる連鎖被害も念頭に置かなくてはならないのだと、原田氏等は、昨年大阪で発生した、電話回線のダウンによって起こった大事故を事例に取り上げ説明されました。
ヒューズの接続ミスが原因で、110番が不通になったり、JR発券端末機が使用不可能になったりと、ネットワーク社会がもたらす影響は多大です。こういった事が、もし同時に多発したらどうなるのでしょう。。。考えただけでも怖くなります。


大分ガス(株)・戸高利恒氏

さて、次ぎは一番重要な対策です。
まずは、トラブルが起きない様に安全管理を徹底し、そして、危機管理計画を立てるのが重要だといわれます。
人間のする事なので100%完璧に修正するのは不可能です。だから、もしもの場合を考えた対策を立てる必要があるのです。


(社)大分県医師会
三重野龍彦氏

企業側、自治体として、そして個人が出来る対策を具体的に提示され、それぞれが自分の問題と認識し、様々な影響を考えた上での対応プランを立てるのが一番重要なのです。


(社)大分県銀行協会
森川博義氏

また、国や自治体としては、一般市民がパニックに陥らない様に、「2000年問題」という事への理解を深めるよう情報提供を徹底し、そして緊急事態に備えた連絡網も確立される義務があると、話されていました。


大分県警察本部
浜田重人氏

講演の後は、大分県民の生活を握る、社会インフラ関連機関の方々をパネリストにお迎えし、2000年問題への対応について話して頂きました。


大分県情報サービス産業協会
大場善次郎氏

大分県企画文化統計情報課情報企画室室長の志村幸久氏をコーディネーターに、各パネリストの方々にお話を伺いました。
まずは、大分県としての取り組みですが、県民に「2000年問題」の問題認識、そして対応策をまとめた情報を、市町村の情報誌や窓口等で発信しているとの事。(役所にいけばその情報が頂けます)


(社)大分県地域経済情報センター
安部弘氏(中)

参加して頂いたパネリストの方々ですが、システムの点検を終え、危機管理計画も立てられていると、話されます。
問題が発生するかもしれない、年末年始や閏年である2月29日には、従来の業務体制に加え、在庫を確保し、代替作業が行える準備も整え、そして人員体制も強化して、手作業でも対応できるにしている、と話されました。


大分市水道局・大原洋氏(右)
九州電力(株)大分支店
山科秀之氏(左)

さて、気になる電力ですが1月1日、本当に大丈夫なんでしょうか?
九州電力(株)大分支店の山科秀行氏によると、システムには日付情報を使用していないので、電力の供給に支障を及ぼすことはないとのこと。また、緊急時に備えて、代替作業で電力を供給する体制も整えているそうです。


九州旅客鉄道(株)
宮野周二氏

それから、次に気になる信号機。大分県警察本部の浜田重人氏にによると、信号は、交通量によって交通幹線センターが電話回線を通して調整しているので、停電がない限り、誤作動はしないとの事。また、年末年始は、もしもの時を考え、交通指導員により手信号で誘導ができる様、人員体制を強化していると、話されていました。

私達の生活に必要不可欠な電気、水、ガス、etc.。今回のフォーラムでは、各機関の方々は皆、「2000問題対応済み」といわれ、年末年始に向けても、危機管理計画を立てていると話されいました。こうして、社会インフラを握る機関が「2000年問題」を重要視し、きちんとした管理体制を整えられている事を知っただけでも、私達の不安を少しは和らげた会議になったと思います。


参加者の中からも「2000年問題」への不安の声が挙がりました

 

世界で発生している震災の被害を目の当たりにした時は、自分も危機感を持つものですが、時が経つとその怖さは忘れがちになります。でも「2000年問題」が発生するのは1月1日と、予測できています。「大丈夫」と、簡単に考えないで他の防災対策と同じ様に、私達一人一人も準備しておく必要があるのかも知れないですね。




コアラトップページへ (1999年11月26日 Reported by Y.Kusamoto)