デジタルアニメーション・シンポジウム
デジタル技術で変わる映像製作

 このシンポジウムは、当日(1998/10/24)、ライブ中継された模様を、インターネットの以下のURLから、詳細、録画映像を見ることが可能です。
http://www.city.beppu.oita.jp/bfes/multi/e_symposium.html


 第13回国民文化祭おおいた、"マルチメディア音と光のフェスティバル"の中のシンポジウムとして開催された「デジタル・アニメーションの世界」。
 「攻殻機動隊」でジェームズ・キャメロン監督をうならせ、日本のデジタル・アニメーションを世界にしらしめた、押井守氏、石川光久氏、掛須秀一氏をパネリストに、コーディネーターを浜野保樹氏に迎えて開催されました。

 そのシンポジウムの始まる直前、参加者の方々へのプレゼント抽選会用の"レアものグッズ"にサインを書いていただくことに・・・。
 作品のDVDやビデオ7巻セット、台本、3人のサインいりポスターなど、豪華絢爛。すべてに直筆サインいり。

 今回のシンポジウムのパンフレットにもなった作品「人狼」のシナリオです。

 


 押井さんの作品のLDにサインを入れていただき、握手もしていただいてました。
 これは彼の一生ものの宝ですね。

 もちろんLDは、「攻殻機動隊」。
 映像が非常に美しい作品です。

 この時、平松大分県知事が会場へいらしていたので、ご紹介を。

 天神コアラ事務局からも、女性スタッフが到着。
 さっそく「一緒に写真を・・・」と浜野さんが声をかけてくださいますが、妙にかたい2人。サイン色紙には、かわいい犬のイラストを描いてくださっています。

 空き時間で、押井さんにインタビューをさせていただきました。
 「いつごろから、ネットワークを意識しはじめたのですか?未来のネットワー
  クはどうイメージされていますか?」
 「実写とアニメーションの映画ではどう違いますか?難しさとは?」
 「アニメーションの世界との関わりのきっかけは?」
 そんな問いに、宇宙的・歴史的視点から自己をとらえてお返事を返してくださる押井さん。

 そうしている間に、会場ではお客様が席を埋めてゆきます。

 さすがに、学生さんが多かったようですね。

 会場に質問をしてみると、「攻殻機動隊」他、ゲストスピーカーの方々の作品を見た方は結構いらっしゃいました。
 最前列に陣取った青年たちは、「本当に来るんですか?!」と興奮ぎみ。

 さて、浜野さんの
 「ここに、お3方をご紹介するのを誇
  りに思います。」
 の言葉でシンポジウムが始まりました。

 セルに手で描いて製作されていたアニメーション界にも、今や製作現場へパソコンが導入され、ダイナミックに変化をとげています。
 まずは、映画界に精通し、日本と海外の現状に詳しい浜野さんからの解説から。

 最初に、米国のデジタルアニメ産業の現状を。

 巨大なディズニーの映画スタジオ、そして、スピルバーグの「ドリームワークス・スタジオ」を、対照的に紹介してくださいます。
 ドリームワークスは、キャンパス風の造りで、カフェテラスでは何を食べてもよいという自由な空間を造っているのだとか。
 一方、日本はというと、「もののけ姫」の大ヒットにもよらず、今だにアニメーションの暗いイメージは抜け切れていず、産業そのものの進展が遅れている・・・。

 左から、「うる星やつら」「攻殻機動隊」などを監督された"アニメーションの神様"とも呼ばれている押井守さん。

 映画版「エヴァンゲリオン」、「攻殻機動隊」、「サンパギータ」などをプロデュースされたMIG代表取締役の石川光久さん。

 映画「LOVE LETTER」、「7月7日、晴れ」の編集も手がけ、コンピューターを使った映画を日本に導入した1人である、掛須秀一さん。

 (株)IGの代表である石川さんは、オフィスを東京と新潟に構えられているのだそうですが、「なぜ新潟か?」という問に、
 「必要な人材が東京から実家の新潟に戻らなければならなくなった。しかし、彼に、"やりたい"という情熱と思いいれがあったから、新潟でやってもらった。
 アニメーターは、大切なのは、技術ではなく、ハートだ。感じるものがあることだ。」
 というように答えられていました。
 その新潟の方は、指導できる、そして、任せることのできる大切な人材になっっているのだそうです。

 後半、会場の若い人達にとっても非常に励みになり、刺激となる言葉がそれぞれの方から話されました。

 掛須さんからは、「映画は、いかに良いシナリオがあったとしても、結果としていかに良い絵になるかが重要。つまり、どんなに良いアイデアや素材があったとしても、結果がなければダメなんだ。」

 石川さんからは、「希望を持っても、期待を過剰にもたないこと。風が吹いた時のために、いかに自分を準備しておくかが大切。そして、頭が良い悪いではなく、感じか感じないか、ということが重要。」

押井さんからは、「なるべくしてなる人間が成る。『成り行き』。技術ではなくて、伝えようとした意思があるかどうか。人生に2、3回おとずれるチャンスを、いかにいかせるかどうか。」

 参加者の方々には、非常に勇気を与えられるお話しだったのでは。

 海外へ日本から出ているものといえば、ゲームとアニメーション。
 世界の65%のアニメーションが日本で作られているにも関わらず、米国の映像産業は、200万人(10人に1人)の雇用があるのに対して、日本は8万人にすぎないという現状。しかも、その現場が東京に集中しているために、今最も注目されているこの業界へ、地方にいる若者達はやはり東京へ出てゆかなければならないこと。

 会場からも数名、将来アニメーション界へ進みたい、という若者が手をあげました。
 アメリカでは、デジタル映像産業といえば、クリエイターたちが高級車に乗って生活をしている程アミューズメンド産業として認知されている一方、日本では、なかなか食べていけないクリエイターという域からまだまだぬけ切れていないですね。
 
 私もアニメーションにそれほど興味があったわけではないのですが、今回を機にいくつかビデオを借りてきて見てびっくり。
 「攻殻機動隊」の映像の美しさもさながら、「エヴァンゲリオン」のストーリーにも圧倒されました。
 しばらく見ないうちに、アニメってとても社会的でスリリングなものになったんですねぇ・・・。


Rreported by Miho Tomonari