3次元立体映像実正実験 (2000.01.12)

 カーネギーメロン大学・ロボティクス研究所長の金出武雄博士が大分入りされる。

 今回は、台湾での講演を経て日本へ。

 金出先生を主頭として、別府市のビーコンプラザで行われている「仮想化現実技術による自由視点3次元映像スタジアム通信の実証実験」へ本日より参加されました。

 既に会場のコンベンションホールでは、前日から研究スタッフがカメラや配線、PCの設置と動作確認、撮影などを行っています。

 マスコミからの取材もはじまり、慶應大学・理工学部情報工学科で先任講師をされている斎藤英雄さんが、橿原さん(日経新聞大分支局長)へご説明されています。

 竹中工務店の秋道さん(左)、筑波大学・大田研究室の北原さん(右)は、本チームの若きエース(と噂)。

 

 大分大学の藤田米春教授と大城英裕さんも研究チームのメンバー。

 今回の研究実験のために、6名の筑波大学の学生さんが大分市内に約1週間滞在中。

 温泉にも入って、少し大分、別府を楽しまれているようです。

 会場には、30m x 30m の絨毯が敷かれ、サッカボールが置かれています。

 午前中には、側面に9個、天井に1個のカメラ、さらに高度にズームアップでききるカメラを側面に1つ設置して撮影が行われました

 撮影内容は、2m x 2m の正方形敷地内の空間中でのシュートシーン、4m x 4m 空間中でのボールのリフティングやパス、15m x 15m 空間中での学生6人でボールの取り合い等を撮影・データ収集。

 藤野さん(ハイパーネットワーク社会研究所)は、ネットワークの設置に奔走。

 各カメラには、学生さん達が張り付いて動作確認。

 金出先生へもインタビューされる日経新聞の樫原さん。

 京都大学で金出先生と同じ恩師に学び、カーネギーメロン大学の金出先生のもとで1年半、一緒に研究に携われてきた筑波大学機能工学系教授・大田先生(右)。

 右図は、天井に設置されたカメラ。

 キャットウォークをつたって設置され、命綱もつけられている・・・。

 このコンベンションホールの規模の大きさでの実験に金出先生も驚きを隠せない。

「これだけの規模の実験は世界でも他に無い!アメリカに帰って、宣伝してまわろう!」

 と、興奮ぎみ。

 また、配線されている線のあまりの多さと長さに、金出先生、ふたたび圧巻。

 さて。

 この実験がどんなものかを簡単に説明いたしますと、、、

 まず、多視点カメラ(固定カメラ10台、フリーカメラ1台)で、30m x 30m の広さの空間の中で人がサッカーをしている映像を取り込みます。

 その各地点から撮影したカメラの映像データを集積し、コンピューター内に、本来なら見ることのできない部分の映像も、コンピューター処理で見ることが可能な仮想3次元空間映像を作ります。

 このデータ、どの視点角度からも見ることができるのです。

 例えば、2002年のワールドカップサッカーが大分のサッカードームで開催された時に、サッカードームに、多数のカメラを設置しておけば、中田選手の視点からゲームを見ることができる、というわけ。

 中田選手の後ろから見たい、ゴールの中から見たい、ボールの視点でゲームを見たい、、、ということが可能になるんですね。

 ビーコンプラザのコンベンションホールという大空間(今回は、幅約48m、奥行約80m、天井高さ約24m)を、仮想化現実にするための「キャプチャリング(データ取り込み/撮影)」の基礎データ収集を目的に、カメラ11個でミニ実験を行う、と発表しています。

 左写真のツートンカラーの板は、3次元測量用の反射版。

 竹中工務店で開発した3次元測量カメラで、この板につけられた小さな反射板の光りの反射を利用して空間測定が行われます。

 仮想的なものをCG化する技術は、今ではどこでもありますが、「実際にある映像をコンピュータ技術を使ってデータ化する」、しかも、「とほうもなく広大な領域のデータ」であることが、この実験の他に無い特異な部分。

 今回の結果、どのくらいのクオリティのデータができあがるかで、カメラの位置、数、コンピュータでの後処理のコンピュータの能力、そのデータを流すネットワークを考えていくことができます。

 午前中に撮影・データ収集したデジタルデータを集積中。

 1999年12月に、同会場で4つのカメラを使って仮実験を行った結果を筑波大学でデジタイズ集積し、現在ビデオで確認できます。

 また、コンピューターグラフィックで作成された、サッカー選手の自由視点のデモンストレーション・ビデオ(竹中工務店政策)も用意されています。

 キャブレーションして再び撮影の準備が始る。

 打ち合わせにみえていた日本テレコム鈴木九州支社長さんも、会場を見学にいらっしゃいました。

 実験というだけに、小さなトラブルで時間がとられてしまうことも。

 藤野さん、合間に尾野コアラ事務局長の絶不調なマシンを修理する。

 コンベンションール内のカメラや機材、ネットワークの配置図。

 

 3階の3次元測量カメラから、フロアの測量版を見た様子は、このように。

 竹中工務店情報センターの秋道さんと北原さんが、測定機でデータ収集中。

 NHK大分さんも金出先生を事前取材にみえました。

 こうした映像をネットワークで視聴するためにも、

「まずは、大分にギガビットネットワークを持ってくる。しかし、テラビットネットワークが必要になってくる。研究をさらに発展させて大分に未来の夢を与える通信ビジョンを描こう。」 

 と、尾野コアラ事務局長の意気は高まる・・・。

 明日は、『3次元立体映像・記念写真』をみんなで撮ろう!ということになり、大盛り上がりして作業終了。

 寒々としたホールがやっと暖まってきたばかりだというのに・・・。


2000.01.12/Reported by 友成美保(mipori@fat.coara.or.jp)

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